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イナンナの冥界降り

『イナンナの冥界降り』 イナンナのめいかいくだり

PCが予め知ってていい情報

 『イナンナの冥界降り』は、シュメール神話の物語詩。後代、アッカド語?系統の言語で記された『イシュタルの冥界降り』の原型にあたり、「タンムズ神話」とも関連すると思われる。

追加情報

小辞典版推奨判定
「表現+知性 目標値10〜12」「歴史+知性 目標値12〜14」
やや詳しい情報 『イナンナの冥界降り』は、冥界を訪れたイナンナ女神の死と再生を巡る物語詩。内容は、植物の冬枯れと再生のサイクルについての神話的起源譚とも関連しているようだ。
 ただし、現在知られる粘土板文書には欠落が多く、結末、他を巡り解釈には諸説ある
 『イナンナの冥界降り』は、現代の研究者による呼称で、本来は、語りだしの章句を題名のように用いる慣習から『アンガルタ キガルシェ』と呼ばれていた。これは「大いなる天より大いなる地へ」を意味した。

小辞典版推奨判定
「表現+知性 目標値12〜14」「歴史+知性 目標値14以上」
詳しい情報 シュメール語?の『イナンナの冥界降り』は、明らかにアッカド語による後代の『イシュタルの冥界降り』の原型を成している。しかし、比較すると『イシュタルの冥界降り』の方が、はるかに短く、『イナンナの冥界降り』の方が、より複雑なプロットを持っている。

GM向け参考情報

『イナンナの冥界降り』の粗筋

 「大いなる天より大いなる地へ」イナンナ女神は、冥界に降ることにした。豪華な衣装と装飾品を身に着けた女神は、その聖所を去る前に小間使い役のニンシュブル女神に「3日を過ぎても戻らないときは、神々に助力を請うように」言いつける。

 イナンナ女神が、なぜ、冥界を訪れることにしたのか、その理由は現存するシュメール語文書からは定かに読み取れない(『イシュタルの冥界降り』の方では、神話的な理由がより明確に語られることになる)。

 冥界の入口に着いたイナンナ女神は、冥界の門番ネティに門を開くように命じる。ネティが、冥界の女主人でイナンナ女神の姉神でもあるエレシュキガル女神?に取り次ぐと、エレシュキガルは、不快げな表情を見せつつ「イナンナが身に着けた衣服や装飾品を奪いながら通すように」命じる。イナンナ女神は、冥界の7つの門を潜るたびに、門番の神々に死の宣告を告げられ、身に着けた衣服や装飾品を剥ぎ取られていく。

 素裸でエレシュキガル女神の前に通されたイナンナ女神は、姉神に「死の眼差し」を向けられ死んでしまう。死体は釘に掛けて吊るされた。

 イナンナ女神が冥界に降って3日後、ニンシュブル女神は天界の大神たちに女神の救済を請うた。エンリル神とナンナル神?は、「イナンナが、生者の国と死者の国との両方を我が物にしようとした」と非難した。多くの神は関りになるのを避けたが、エンキ神?のみは、ニンシュブルの請願に応じる。エンキ神は、2人の神殿歌手(?)を造ると、それぞれに「命の草」と「命の水」を持たせて冥界に送る。

 冥界を訪れエンキ神の指図に従って振る舞った神殿歌手たちは、エレシュキガル女神からイナンナ女神の死体を下げ渡される。死体に「命の草」と「命の水」とをかけられ、イナンナ女神は甦る。しかし、掟では、イナンナ女神が冥界を去るには、代理人を冥界に留めなければならなかった。イナンナ女神は2体の亡霊(下級冥界神?)に付き添われ、冥界を後にする。

 亡霊に付き添われたイナンナは、夫にしていたドゥムジ?と再会するが、ドゥムジが自分のための喪に服していないことに怒り、自分の代理人としてドゥムジを冥界に連れ去るよう亡霊たちに命じる。

 『イナンナの冥界降り』の粘土板はここで断落し、物語の結末はよくわからなくなる。しかし、他の粘土板断片に見られる次のエピソードが、同じ物語の結末だろう、と考える研究者は少なくない。

 死霊により冥界に連れ去られそうになったドゥムジは太陽神ウトゥ?の助力で、蛇に変身し逃れようとしたが、結局は捕えられ、冥界へ連れ去られてしまう。ドゥムジの姉であるゲシュティンアンナ?(天の葡萄の樹)が弟を助けようと冥界に降る。結局、1年の内半分はドゥムジが冥界に留まり、半分はゲシュティンアンナが冥界に留まることになった。

(以上の要約は、吉田敦彦、編,ハンドブック シリーズ?『世界の神話101?』(新書館,2000)の、p.18の解説文、他を参考にまとめました)

活用や検討

活用

検討

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更新日時:2005/12/13 20:13:10
キーワード:
参照:[イナンナ女神] [イシュタル女神] [タンムズ神話] [イシュタルの冥界降り]
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