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イナンナ女神

イナンナ女神 イナンナめがみ (Inannna)

PCが予め知ってていい情報

 「イナンナ女神」は、シュメールの神話で、金星を司った他、植物の豊穣と関係する太地母神?の性格も示す。

 アッカド語?ではイシュタル女神と呼ばれてバビロニア?でもアッシリア?でも崇拝され、メソポタミア文明圏で最も勢力を持つ女神の1柱となった。

追加情報

小辞典版推奨判定
「歴史+知性 目標値10〜12」
やや詳しい情報 現在確認されているイナンナ女神の最も古い神殿は、シュメール都市ウルク?のエアンナ聖域?にあった物。「エアンナ」は「天空神アン?の家」を意味したが、かなり古い時代からイナンナ女神の聖所の方が中心的になっていった。
 この変化の経緯は定かに整理されていない。が、シュメール・アッカド文明?の各都市では、国家統合が進むに連れ、都市国家の祭儀に女神中心のものが増えていった。王が「女神の夫である」とされるようになった事例が幾つも知られている。天空神アンからイナンナ女神中心への祭儀の変化も、こうした動きの一環だったと理解されている。あるいは、ウルクを中心にしたイナンナ女神崇拝が、シュメール・アッカド文明全体での女神崇拝へのシフトをリードしたのかもしれない。
 ウルクのエアンナ聖域に祀られたイナンナ女神は、都市国家の別を越え、シュメール地方全域の豊穣を司るとされるようになっていった。
小辞典版推奨判定
「魔術+知性 目標値10〜12」「表現+知性 目標値12〜14」「歴史+知性 目標値12〜14」
やや詳しい情報 イナンナ女神が司る金星は、シュメール・アッカド文明に由来するメソポタミアの古代天文学(占星術)で、運航法則のはっきりした星、とみなされたようだ。女神が司るとされた「メー?」とは、シュメール人?が考えた宇宙と人間界の秩序を成り立たせる「天界の法則」を意味する。ヒンドゥー神話に言う「リタ(天則)」や、内容はかなり違うが仏教の宇宙論で言う「ダルマ(宇宙の理法)」に類したアイディア、としてもそう外れてはいない。 

小辞典版推奨判定
「魔術+知性 目標値14以上」「表現+知性 目標値14以上」
詳しい情報 金星を司るイナンナ女神が、大地の豊穣と生殖、繁栄を司る太地母神?の性格を示したことは、数々の神話や古代の宗教文書から知れる。
 歴史学者は、普通、語らないが、イナンナが太地母神の性格を示すようになった背景には、金星の運航を巡る古代占星術の影響があったことは想像に難くない。(農事に関する占星術文書でも出土すれば、歴史学者もこの件について公に語るようになるだろう)
 太地母神としてのイナンナ女神は、生と死とを司るともされ、アッカド系のイシュタル女神としては、ことにアッシリア?で戦争にも関る、と目されるようになっていった。この辺の事情は歴史学者も広く認めている事柄になっている。

GM向け参考情報

小辞典版推奨判定
「魔術+直観 目標値14以上」「表現+直観 目標値14以上」
インスピレーション イナンナ女神と、その姉神で「冥界の女主人」であるエレシュキガル女神?とは、より古い神格の「崇拝すべき側面」と「畏怖すべき側面」とが2つに別けられた神格だ、とする説がある。
 同じような事例は、世界各地の神話に見られる。イナンナとエレシュキガルについては、歴史学者を納得させるだけの史料は、これまで発見されていないが、決してあり得ないことではない。

イナンナ女神の性格

呼称
イナンナ
別称類
 『イナンナ女神讃歌』では「ニンメシャルラ」、すなわち「すべてのメー?の女主人」と呼ばれている。あるいは「7つのメーの女主人」とも。
 イナンナの神名は「天の女主人」を意味した、とする説もある。
 ヌギグ(女神)の別称も持つ。
 アッカド語?系統の言語ではイシュタルと呼ばれた。
持物
 時として、ナツメヤシの房を持つ姿が描かれた。(これらの図像はイナンナ女神ではなくニンフルサグ女神?を描いた、とする説もある)
表象(シンボル)
 ナツメヤシの花をデザイン化したロゼット飾り?及びロゼット紋様?
 また、藁の束を先の細った円柱状に編み、先端に輪と吹き流しを付けたものが、イナンナ女神の表象とされた。印章類の図像に、このシンボルで囲まれた領域がイナンな女神の聖域、あるいは神殿領だったことを示す事例が見られる。
図像
 イナンナ女神もイシュタルとして崇拝された例が多いので、イシュタルと同じ図像が用いられたことも多い。
 一方、イシュタル女神がスレンダーなプロポーションで描かれることが多いのと対照すると、より古い時代のイナンナ女神の図像にはふくよかな姿で描かれた事例も見られる。ただし、いくつかの図像をイナンナ女神ではなく、ニンフルサグ女神?と考える説もある。
聖域
 ウルクのエアンナ聖域がイナンナ女神の最も古く、最大の聖域。(「エアンナ」は元々「アン神?の家」を意味した)
主要祭儀
 ウル第3王朝時代?からイシン第1王朝時代?にかけ、イナンナ女神は、国家祭儀の聖婚儀式で祀られた。この儀式では、儀式参加者たちが「聖婚歌」を唱和する内、イナンナ女神に扮した高位の女神官が、配偶神のドゥムジ?に扮した王と儀礼的に性交する式次第も含まれていた。
関連キャラクター
 天空神アンは、イナンナ女神の父神であるとも、イナンナが天空神アンの愛人であるともされる(この関係では、イナンナは天空神の聖娼=神殿娼婦と呼ばれる)。まれに、イナンナをアン神の配偶神とすることもある。
 月神であるナンナル神?が、イナンナ女神の父神とされることもある。
 「冥界の女主人」エレシュキガル女神は、元はイナンナ女神の姉神だったが、『イナンナの冥界降り』では、冥界に降ったイナンナに不快感を示し、衣服を剥ぎ取る辱めを加えた後、「死の眼差し」を向けて殺す。
 ドゥムジは、『イナンナの冥界降り』で、イナンナ女神の夫とされている。イナンナ女神が死んだ後も喪に服していなかったため、甦った女神によって冥界に送られる。ドゥムジはある種の作物神とも、牧畜の守護神とも言われる。「天の葡萄の樹」を意味するゲシュティンアンナ女神が姉とされることから作物神と言われる。アッカド語の『イシュタルの冥界降り』でドゥムジの役どころを演じるタンムズ?は植物神の性格がよりはっきりしている。一方、「タンムズ神話」と整理される断片的な物語詩では、タンムズは一介の牧畜者であるように詠われている。
 エンヘドゥアンナ?は、歴史上の実在人物で、アッカド王朝?のサルゴン大王?の娘(王女)にして、高位の女神官だった人物。『イナンナ讃歌?』は、その内容から、エンンヘドゥアンナの作による、と目されている。

主要エピソード

イナンナの冥界降り
 冥界を訪れたイナンナ女神の死と再生を巡る物語。植物の冬枯れと再生のサイクルについての神話的起源譚にもなっている。
 『イナンナの冥界降り』は、現代の研究者による呼称で、本来は、語りだしの章句を題名のように用いる慣習から『アンガルタ キガルシェ』と呼ばれていた。これは「大いなる天より大いなる地へ」を意味した。
『イナンナ讃歌』
 アッカド王朝の王女にして、高位の女神官だった、エンンヘドゥアンナの作による、と目されている讃歌。
 イナンナ女神を「ニンメシャルラ(すべてのメー?の女主人)」と呼び、「光輝で覆われた正義の婦人」「アン神の聖娼婦」と呼びかけ、エンヘドゥアンナ自身が女神官となったのは、イナンナ女神からの命による、と詠っている。

活用や検討

活用

検討

  • 検討の項は記名記入を推奨(無記名記入は書き換えられても仕方なし、ってことで)

更新日時:2005/12/09 21:18:26
キーワード:
参照:[イシュタルの冥界降り] [神話、伝説のキャラクター] [イシュタル女神] [エンリル神] [イナンナの冥界降り]
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