ユカタン半島
簡易版です。気づいたとこの増補、改訂、優先に大歓迎。
- スペイン語による現地名
- Yucat?n
- (スペイン語は、メキシコ合衆国(エスタドス・ウニドス・メヒカノス)、グアテマラ共和国(レプブリカ・デ・グアテマラ)の国定公用語)
- 英語名
- Yucatan’s Peninsula(ユゥキャテァンズ・ペニンスラ)
- (英語は、ベリーズ(ベリィズ)の国定公用語)
PCが予め知ってていい情報
- 「判定処理なしに、PCが知ってることにしていい」情報とします。
ユカタン半島は、北アメリカ大陸の南部北寄り、地理的な中央アメリカ北東部で、メキシコ湾とカリブ海(コァリビアン・スィー)との間に突き出した、かなり大きな半島。
概ねは、メキシコ(メヒコ)領南東部とベリーズ(ベリィズ)領で、一部、グアテマラ領にも及んでいる。
マヤ文明が栄えた地の重要な一画だったが、16世紀にスペイン(エスパーニャ)に征服された。
【参照地図】
やや詳しい情報
- 「簡単な判定に成功すればわかる情報」とします。
ユカタン半島の西縁は、中央アメリカ地域を地理的に北アメリカの他地域から区分する仮想線に隣接している。東縁は、ベリーズ領の国土東縁と思えばいい。
メキシコ(メヒコ)領では、カンペチェ州?、キンタナ・ロー州?、ユカタン州?の州域が半島部にあり、タバスコ州?の東端部を含めることもある。ベリーズ(ベリィズ)領は全域が半島の南東部を占め、グアテマラ領?では、北部のエル・ペテン県?が、半島南縁部の一画を占めている
半島の南縁は、エル・ペテン県の南縁とイメージすれば、概ね間違いではない。
大部分が、標高200m前後の準平原。南部を中心に緩やかな起伏が多く、カルスト地形?が主。
比較的起伏の大きい丘陵は、南部内陸部に多く、大局的に見れば、南高北低の地勢で沿海部は平坦。北部も概ね平坦な微傾斜地が主。
気候は熱帯に属し、1日の最高気温は、年間平均で27℃ほど〜32℃ほど。夏季には38℃に達すこともある。最低気温の方は、年間平均で18℃ほど。夏季には、20℃〜26℃ほど。
隣接するカリブ海地域(リィヂェン・オブ・コァリビアン・スィー)同様、ほとんどの地域が、ハリケーンのコースに含まれ得る。晩夏から秋口が、ハリケーンのシーズン。
2005年には、カテゴリー4の強いハリケーンに2度見舞われた。ハリケーン・エミリーと、ハリケーン・ウィルマで、地域に大きな被害を及ぼした。このクラスの勢力の強いハリケーンでなくとも、年間を通じ、強い風雨が上陸し、内陸部で勢力を弱める。例年、一ヶ月あたりの雨天は、4月の7%を最低値に、10月の25%をピークにしている。
降水は多めで、熱帯雨林が広がるが、カルスト地形特有の石灰質の土壌に地上河川は見られない。中部以南で、メキシコ、グアテマラ、ベリーズに渡る熱帯雨林は、中央アメリカで最大の樹林地域だが、近年、急速に伐採と開発が進められている地域が多い。
降水は、地下水脈をなして流れ、北部を中心に、各所に「セノーテ」と呼ばれる泉を湧出させている。このタイプの泉は地域住民の貴重な水源になっている。地中には、鍾乳洞の洞穴が多数あり、地下河川や地底湖も珍しくない。
西欧人の入植後、長い時間をかけて、農園や牧場などの産業体制が築かれた。農牧業が主流になってからも、伝統的な狩猟採取を続けてきたエスニック・グループもいれば、沿海部で漁労を主生業にしたエスニック・グループもいる。
「ユカタン」の地名は、マヤ語で「何を言ってるのか?」といった意味とされている。広く知られた逸話?では、「ここは何と言う場所だ?」と聞いたスペイン人に、マヤ人が「ユカタン(何を言ってるのか?)」と応じたことから生じた地名、と伝えられている。
地域住民は、どの国でも先住民と入植者との混交で形成されたメスティーソ?が多い。ただし、英語圏であるベリーズには、ラテン系以外の移入者も多く、メスティーソの集団以外に、南アメリカ系、アフリカ系、中国系、ドイツ系など、多様なエスニック・グループが移入。メスティーソからさらに民族混交した人口も多い。
メキシコ、グアテマラでは、ビジネスを含む広域の共通語として、もっぱらスペイン語?が用いられるが、域内各所のローカル社会では、日常的にはマヤ語やマヤ時代にルーツを持つ地方言語が用いられている。ベリーズにも、マヤ語などを使うローカル社会は残っているが、隣接2カ国に比べると、より小規模な傾向が目立つ。共通語的に英語が用いられているが、混交言語も頻繁に用いられ、英語も混交言語の影響を被っている。
メキシコ領では、20世紀末までユカタン半島には開発が及んでいなかった。商業物流を含んだ交通は、もっぱら沿岸部、沿海部をメイン・ルートになされ、各所で、メキシコの他地域とは個性が異なるローカル社会が、多数営まれていた。
こうした地域社会は現在も営まれているが、20世紀末から観光業と森林開発とが組み合わさった開発を通じて、メキシコ内外からの資本と関係者の流入が著しい。付随して、近代化とグローバル化も及ぶようになっている。
観光地としての開発は、カリブ海(コァリビアン・スイー)沿海部が最も活発。ことに、カンクン?以南のいわゆるリビエラ=マヤ地域?が、観光地開発の著しい地域。
グアテマラ領のエル・ペテン県でも、1982年に初の舗装道が敷設された他、ムンド・マヤ国際空港も1990年代に拡充されて、国内第2位の規模になった。やはり、森林開発が進み、新規移入人口が増えている。
ベリーズでも、20世紀末には高い経済成長率を示していた。しかし、2001年にU.S.A.(合衆国)で起きた同時多発テロ事件以降、観光収入の激減、ハリケーンなど自然災害の被害などが重なり、経済成長も鈍化。貿易赤字と対外債務が国家財政を拘束し、民間でも開発事業などは振るわなくなって来ている。
ユカタン半島では、北部低地を中心に古代マヤ文明の主要都市のかなりの数が営まれたが、マヤ系の都市文明は、半島部外でも営まれた。また、都市化はしなかったが、マヤ文明の影響を強く被ったマヤ文化圏は、マヤ系の都市間を中心に、さらに広く広がっていた。
ユカタン半島で確認されているマヤ系遺跡としては、次のような物が有名。
- ウシュマル(メキシコ領、カンペチェ州)
- シュナントゥニッチ(ベリーズ領)
- チチェン・イッツァ(メキシコ領、ユカタン州)
- ティカル(グアテマラ領、エル・ペテン県)
- トゥルム(メキシコ領、キンタナ・ロー州)
他にも知られた遺跡の数は多い。
【参照地図】
(A map of Yucat?n's Peninsula,Tourist Information,Instituo de Astronom?a UNAM)
さらに詳しい情報
- 「難易度が、ある程度高い判定に成功すればわかる情報」とします。
かつて、ユカタン半島は、キューバ島?と地続きだったが、後氷期の海進で、現在のような地形に落ち着いた。
半島北東部では、「チクシュルーブ・クレーター?」と呼ばれる、地質時代の大きなクレーターの痕跡が、衛星軌道上からのレーダー精査で観測することができる。これは、白亜紀にあたる6500万年前に形成された大きな隕石クレーターが、堆積で埋没した地形と推定されている。
今日、「中生代に終焉をもたらした第3絶滅のきっかけは、大隕石の落下だった」とする「アルヴァレズの仮説?」の物証が、このクレーター痕跡だとする地質学者、古生物学者は大変に多い。
(「アルヴァレズの仮設」が唱えられたのは1980年代。アルヴァレズらは、1970年代末から、地域の土壌の成分布から「大きなクレーターが、かつてあったこと」を推測していたが、クレーター痕跡の決定的な確認は、1996年になった)
GM向け参考情報
活用や検討
活用
重要な改訂の情報
- 内容に追加、変更があった場合のみ、でいいでしょう。
(誤字脱字の訂正や、文章を整える程度では記録不要)
検討
- このページの記事内容についての質問、重要な疑問、改訂の要望など
- 検討の項は記名記入を推奨(無記名記入は、随時書換え対象になりえます)
キーワード:
参照:[ジャマイカの基本情報 2008年版] [ベリーズの有用地図集] [ベリーズ] [ジャマイカの基本情報 2009年版] [ベリーズの基本情報 2008年版] [メキシコ合衆国の基本情報 2008年版] [ランド・マーク] [メキシコ湾] [グアテマラ共和国の有用地図集] [大西洋のランド・マーク] [南アメリカ州のランド・マーク] [ジャマイカ] [大アンティル諸島] [メキシコ合衆国] [北アメリカ州のランド・マーク]