ダルマツィア
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ダルマツィア(地方)は、バルカン半島西岸の、アドリア海?東岸沿海地方を指す歴史的な地域名。
ディナル山脈に縁取られた沿岸平野部、とイメージされることが多い。現在、その領域は、ほとんどがクロアチア共和国領の南部に含まれ、複数の地域行政区に渡っている。(地域の、極、一部が、ボスニア=ヘルツェゴビナ領にかかっている)
普通は、現在のクロアチア領を4大別した地域の1つ、とされる。独特の景観を持つ港湾都市複数が存在。近海にダルマツィア諸島?を擁す。
- 【参照地図】
- アドリア海?周辺略地図(Wikimedia Commons)
- クロアチア共和国略地図(Croatia,Merriam-Webster Online)
- クロアチア領内のダルマティア地方(Wikimedia Commons)
濃色で彩色されているのが、クロアチア領のダルマツィア地方、南部で沿岸線が1部途絶えているように見える部分は、ボスニア=ヘルツェゴビナ領。
追加情報
- 「簡単な判定に成功すればわかる情報」とします。
- 小辞典版推奨判定
- 「交流+知性 目標値8〜10」「歴史+知性 目標値10〜12」「情報+知性 目標値10〜12」
- 簡単な情報 (必要に応じてゲーム前ブリーフィングやブレイクを使いGMから素でプレイヤーに伝えてもいいかもしれない)
- たいへん入り組んだ海岸線と、ダルマチア諸島の数百の島が複雑な地形を構成している。ほぼ内海に近いアドリア海?に面した天然の良港、多数を擁す。
- ダルマツィア地方の気候は、アドリア海を流れる海流の関係で、基本的にはイタリア半島側よりも温暖になっている。季節の変わり目に、沿岸部の後背間際に迫るディナル山脈から、寒風が吹きおろすくらいだ。
- このため、地域は避寒地として古くから知られている。例えば、地域最大と言われる都市スプリット?の旧市街は、3世紀末に退位したローマ皇帝ディオクレティアヌスが住んだ宮殿を中心に発達した。
- 現在も、引退した著名人の隠居地とか、あまり目立ちたくない事情のある国際会議などに、用いられることが少なくない。
- 小辞典版推奨判定
- 「歴史+知性 目標値10〜12」「情報+知性 目標値12〜14」
- やや詳しい情報 地域としてのまとまりは、少なくとも古代ギリシアのポリス時代に遡る。ローマ帝国の初期、地域はローマ皇帝の属州ダルマティア?(Dalmatia)に含まれた。
- 属州ダルマティアの領域は、変動が大きかったが、基本的には内陸部も含んでいた。
- 現在のダルマツィア地方は、概ね属州ダルマティアの沿岸平地部にあたる。近世ヴェネツィアの影響も被った。
- 「難易度がある程度高い判定に成功すればわかる情報」とします。
- 小辞典版推奨判定
- 「歴史+知性 目標値12〜14」
- 詳しい情報 現在のダルマツィアにあたる地方には、紀元前6世紀頃から、ヘレネス(ポリス時代の古代ギリシア人)が入植。沿岸交易を営む港湾都市を築いた。この頃は、ディナル・アルプスは、山岳狩猟民だったイリュリア人の領域で、地域のギリシア系ポリスは沿岸に点在するにすぎなかった。「ダルマティア」の地域名は、遅くともこの頃には遡るようだ。
- 紀元前4世紀以降は、イリュリア王国の領域の一部をなしたが、紀元前2世紀に古代ローマに侵略され、B.C.168年までに征服された。後、B.C.156年以降、ローマ領イリュリクム地方に編入された。
- A.D.10年、初代ローマ皇帝アウグストゥスは、イリュリクム地方を北部の属州パンノニアと南部の属州ダルマティアとに分割。
- 紀元5世紀に西ローマが滅亡した後、地域は東ゴート王国?の領域の一部となった。その後、A.D.535年、ユスティニアン1世により、ビザンツ帝国に再征服された。7世紀頃からスラブ系の諸族が侵出。中世を通じ、ビザンツ、スラブ人の勢力や国家、オスマン=トルコ、ヴェネツィアなどが支配を争った。
- 1797年以降、ハプスブルグ朝オーストリアの支配下で、ダルマティア王国が営まれた(1815 年〜1918年)。1918年からユーゴスラヴィア王国領に。1945年以降、旧ユーゴスラヴィアの連邦構成国家クロアチアの領域に。1992年、クロアチア共和国、独立。
- 小辞典版推奨判定
- 「歴史+知性 目標値14以上」
- 専門的知識 「ダルマツィア」の地域名は、おそらく、紀元前1千年紀の末には地域で支配的だったイリュリア人の部族ダルマタエ族の名に由来する。
- イリュリア人は、B.C.180年に1度ローマ支配に対する反乱を成功させたが、B.C.168年に再征服された。その後、地域は、ローマ支配下のイリュリクム地方の一部を成すとされた。
GM向け参考情報
- GM向けの補足情報、マスタリング・チップス、アイデア・フックなど
参照地図
補足情報
- ダルマツィア地方は、古くからの避寒地として知られ、観光客の来訪も多い土地。
エーゲ海や南仏に比べるとややマイナーだが、引退した著名人の隠居地とか、あまり目立ちたくはない国際会議などに用いられることが少なくないようだ。 - 古来、バルカン半島から西ヨーロッパ方面への亡命者は、しばしばアドリア海?を横断してイタリア半島を経由するルートをとった。ダルマティア地方もしばしば経由ルートに含まれた。
- ダルマティア諸島?の島々の多くは、第2次世界大戦?中、のユーゴスラヴィアのパルチザンの根拠地と去れ、根強い抵抗戦を支えた。
別称類
主要国の言語
- 英語表記=Dalmatia
- フランス語表記=Dalmatie
- スペイン語名=Dalmacia
- アラビア語名=(調査中)
- ロシア語表記=Далмация
- 中国語表記=達爾馬提亞
その他
- クロアチア語名=Dalmacija
- セルビア語名(音写)=Dalmacija
- イタリア語名=Dalmazia
- ヴェネト語名=Dalmazsia
- ラテン語による古称=Dalmatia
活用や検討
活用
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キーワード:
参照:[ヨーロッパ州のランド・マーク] [地中海のランド・マーク] [ランド・マーク] [バルカン地域]