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タレシュ人

タレシュ人 
タレシュじん

英語表記
Talysh(people)
ロシア語表記
Талыши

PCが予め知ってていい情報

  • 「判定処理なしに、PCが知ってることにしていい」情報とします。

 タレシュ人は、イラン=イスラム共和国のカスピ海?沿岸部から、アゼルバイジャン共和国の南東部にかけて集住が見られるエスニック・グループ?。どちらの国でも、国民?の内で、少数派になっている。タリシュ人とも、または、タルシュ人とも。

 アゼルバイジャン共和国では、旧ソ連?からの独立後の1993年に、反大統領派とイラン系の民族主義者がタレシュ=ムガン自治共和国を宣言して建国を試みたが、失敗している。

追加情報

小事典版推奨判定
「情報+知性 目標値10〜12」「交流+知性 目標値12〜14」
やや詳しい情報 タレシュ人、タレシュ語の呼称は、現イラン領北西部のアルタビール県?からギーラン県?に渡るタレシュ山脈と関係している。
 タレシュ人は、かなり古くにカスピ海沿岸を生活圏として定住化したと思われる。伝統的生業形態は、小麦、大麦、野菜類を栽培する農耕。現在もタレシュ人の大部分は農耕に従事している。宗教的には、大部分がスンナ派イスラム信徒だが、シーア派信徒も見られる。
 旧ソ連時代の1928年の統計では、ソ連領に居住するタレシュ人は8万人とされていた。1959年にはタレシュ語を母語使用している人口は1万人とされ、激減が伺われる。現在のアゼルバイジャン共和国に限って言うと、タレシュ人は総人口の1%程度、との説をママ聞く。
 イラン側での人口は、およそ5万人と言われる。
小事典版推奨判定
「言語+知性 目標値10〜12」「歴史+知性 目標値12〜14」
やや詳しい情報 タレシュ人が伝統的に母語にしていたタレシュ語は、印欧語族?のイラン語派?、北西グループに分類されている言語。言語系統のほか、さまざまな手がかりから、おそらくタレシュ人は、古代イラン人?の内、カフカス回廊を越えて北カフカス地方?から進出してきた集団の後裔だろう、と推測されている。
 現在、タレシュ語のネイティヴ・スピーカーは、タレシュ人の間でも老年層にしか見られない、と言われている。
小事典版推奨判定
「交流+知性 目標値12〜14」「歴史+知性 目標値14以上」
さらに詳しい情報 タレシュ人の生活圏では、16世紀頃からアゼリー人が主流になり、その後タレシュ人はアゼリー人から文化的影響を被るようになった、と言われる。しかし、アゼリー人が少なくとも初期は牧畜文化に基づく生活をしていたのに対し、当時のタレシュ人はすでに長い農耕文化の伝統を有していた。この農耕文化は、親族の社会的関係が生産活動と結びついたもので、タレシュ人の民族的まとまりは長く保たれた。
 おそらく、急ソ連の統計にみられるタレシュ人減少の兆候は、生活の近代化や、教育政策、社会の中央集権化などと関係したものだろう、と予想される。(母語使用者の減少は、必ずしも民族的まとまりの消失に直結しない。スコットランド人?やウェールズ人?の事例を参照)

GM向け参考情報

補足説明

 「タレシュ人はイラン系の民族」と言われますが、これは、「現在のイラン人の祖先集団から別れた系統」と言う意味ではありません。タレシュ人の場合は、「古代ペルシア(アケメネス朝)が成立した前後に、イラン系の諸部族が新たなまとまりを得た頃、傍流的な位置にたったために、より古いイラン系部族の性質を伝えているかもしれない集団」との含みです。

 現在のイラン人の主流は、概ね古代ペルシア人の後裔と言えますが、古代ペルシア人自体も、それ以前の古代イラン系諸集団(諸部族)の内から生まれた民族集団です。

 もっとも、「タレシュ人が、古代ペルシア人よりも古いイラン系部族の性質を伝えているかもしれない」とのニュアンスは、あくまで可能性の問題です。学問的に論証されたわけでもありません。例えばタレシュ人が農耕民化したのはいつ頃のことで、どういう経緯によるものかは、定かに解明されてはいないようです。

アイデア・フック

 タレシュ人は、フィクションの設定としては、例えば、古代ペルシアについての公式歴史とは異なる異説、異伝を密かに伝える一派がいる、などの設定に適しているでしょう。

 現在のタレシュ人集住地域とはやや離れていますが、イランの東アゼルバイジャン県?と西アゼルバイジャン県?との境に位置しているウルミエ湖はゾロアスター教?に関連した宗教伝説を幾つか伝えています。ウルミエ湖のゾロアスター伝説は、現在の宗教史研究では「史実に基づいているとは考えづらい」と、されているようですが、それだけに「ブルーローズ」のシナリオでは、怪しげな秘話を設定していくこともできるでしょう。

 あるいは、タレシュ人の定着化を古代から知られていたカスピ海沿岸の原油(燃える水)と絡め、ゾロアスター教の拝火の風習と絡める、などの料理法も考えられるでしょう。

活用や検討

活用

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重要な改訂の情報

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検討

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