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セントラル・ロンドン

セントラル・ロンドン

英語表記
Central London

PCが予め知ってていい情報

  • 「判定処理なしに、PCが知ってることにしていい」情報とします。

 「セントラル・ロンドン」は、U.K.(連合王国)及び、イングランド?の首都であるロンドングレーター・ロンドン)の中核地域を指す。ロンドンの中心部を指す類似の言葉に「インナー・ロンドン」があるが。両者の範囲は一致しない。

 「インナー・ロンドン」が、オフィシャルな単語であるのに対して、「セントラル・ロンドン」は、どちらかと言えば口語的に用いられている。

 口語的なだけに「セントラル・ロンドン」に含められる地域は、人によって異同が多く、世代間のイメージ格差も大きい。また、過去20年間ほど領域イメージは広がってきていて、その拡大は現在も続いている。

 このように、範囲に共通見解が乏しい曖昧な地域イメージだが、諸外国で単に「ロンドン」と言うと、セントラル・ロンドンのさらにコアにあたる部分がイメージされるらしい。いささか困ったものではあるが、いたしかたないかもしれない。セントラル・ロンドンのコアは、ヴィクトリア朝?時代の優雅な趣味が今も息づいている地域だからだ。

 諸外国から、「あれこそロンドン」とイメージされるのにも仕方ない面はあるだろう。

【参照イメージ】

【参照地図】

追加情報

小事典版推奨判定
「交流+社交 目標値8〜10」
補足情報 (PCの設定や、シナリオの狙い、過去のキャンペーン経緯によっては、予めPCが知ってるものとしてGM裁量した方がいいでしょう)
 時代と共に、拡大してきたセントラル・ロンドンの範囲は、人によって異なった範囲がイメージされる。しかし、現在、次に挙げる地域より外が含まれることはあまりないだろう。(より狭い範囲に限定する人は少なくない)
  • ウェスト・エンド地区
    行政区ではなく、ロンドンの都市区複数に渡っている街区。
    • セント・ジェイムズス?
      行政区ではなく、シティ・オブ・ウェストミンスターの一画にある街区。ウェスト・エンドの一部とみなされることが多い。
    • ブルームズバリイ?
      行政区ではなく、カムデン区の一画を占める街区。ウェスト・エンドの一部とみなされることが多い。
    • ホルボーン?
      行政区ではなく、カムデン区の一画を占める街区。ウェスト・エンドの一部とみなされることが多い。
    • メイフェア?
      行政区ではなく、シティ・オブ・ウェストミンスターの一画にある街区。
    • メリルボーン?
      行政区ではなく、シティ・オブ・ウェストミンスターの一画にある街区。
  • クラーケンウェル?
    行政区ではなく、イスリングトン区の一画を占める街区。
  • サウス・バンク地区?
    行政区ではなく、シティ・オブ・ウェストミンスター?の一画にある街区。
  • シティ?(シティ・オブ・ロンドン)

  • 「簡単な判定に成功すればわかる情報」とします。
小事典版推奨判定
「交流+社交 目標値10〜12」
やや詳しい情報 「『セントラル・ロンドン』のイメージは『共通見解に乏しい』って言うけどさ、『インナー・ロンドンより狭い』てのは共有イメージだよね。後、『気晴らしができるスポットの多い、おしゃれでファッショナブルなエリア』てのも、セントラル・ロンドンの共有イメージじゃん。ロンドンッ子の間じゃ、絶対そうだね。
 前は、『テームズ川?北岸に限る』、ってイメージもあったみたい。でも、こっちは、ここ10年ほどで、共有イメージじゃあなくなってるね。今じゃ、再開発されたサザークの北の方も、普通は『セントラル・ロンドン』に入れてるよね」―― 街のうわさに強い女
小事典版推奨判定
「情報+知性 目標値10〜12」
やや詳しい情報 グレーター・ロンドンの都市構成は、例えばU.S.A.(合衆国)の諸都市に見られるような、いわゆる現代的な都市とは趣きが異なる。高密度に開発された中核地域が、建物などの密集度の低い郊外地区に囲まれる、といった単純な構成にはなっていない。
 グレーター・ロンドンでは、セントラル・ロンドンでもさらに中核部の方にスペイシーなゆとりが確保され、その周辺を都市的に高密度開発された地区が取り囲んでいる。
 これは、1つには、ヴィクトリア朝?時代の、現在から見るといささかもったいぶった、しかし同時に優雅な都市開発のコンセプトによる。また、第2次世界大戦?の戦災で破壊された居住区(これはヴィクトリア朝期の「セントラル・ロンドン」周辺に多かった)が、戦後、再開発された、との事情も重なる。
 他にも様々な要因が重なり、グレーター・ロンドンの構成は、丁度グレート・ブリテン国民の国民性が単純ではないのと同様に単純ではないのである。
 「セントラル・ロンドン」の拡大も、過去20年以上の好景気(概ねの)と、再々開発によるものだ。共有イメージが揺らいでいるのもいたしかたないのかもしれない。

小事典版推奨判定
「情報+知性 目標値12〜14」
  • 「難易度が、ある程度高い判定に成功すればわかる情報」とします。
さらに詳しい情報 ロンドンでは、20世紀、ことに第2次世界大戦後の数十年間、中心部の繁華街が廃れて縮小し、かつての主役だった貴族趣味なエリート住民たちは姿を消していった。大戦の戦災で、多数の住居が破壊されたことも影響した。(ちなみにグレーター・ロンドンが創建されたのは、1965年のこと)
 また、この時期、当局の都市計画関係者は、しばしば都市的な生活環境のネガティヴな面を強調した。ことに1970年代をどん底とした不景気では、ヴィクトリア朝期のセントラル・ロンドンの周辺地区がスラム化。貧困の蔓延と高い犯罪率とが社会問題になった。
 当時、中産階級はセントラル・ロンドン近傍に住居を構えることに魅力を感じなくなり、労働者階層は、セントラル・ロンドンでも、ロンドン周辺部の郊外地区でも、さらにその外縁に生まれつつあったニュー・タウンでも減っていった。
 ちなみに、「ニュー・タウン」建設も、グレーター・ロンドンでは現代的な事象だ。大都市圏の周辺部にいわゆる「郊外地区」を開発しよう、というプランは、19世紀初頭から試みられていたが、その後100年近く定着しなかった。グレーター・ロンドン周辺部にニュー・タウンが定着しだしたのも、過去20年間ほどの好景気と再々開発とによる。
小事典版推奨判定
「交流+社交 目標値12〜14」
やや詳しい情報 「『セントラル・ロンドン』のコアって言うけど、若いロンドンッ子にとっては、もうヴィクトリア朝がどうの、なんてカンケーないって。ヴィクトリア朝風だからどうだってのは、不動産屋のイメージ戦略にノセられるお登りさんのセンスだってば(笑)。
 そうねぇ、やっぱ、ターミナル駅に囲まれたあたりが、セントラル・ロンドンのコアってイメージはあるかな。ほら、ヴィクトリア駅?、ユーストン駅?、リヴァプール・ストリート駅?、フェンチャーチ・ストリート駅?、後、南岸だけどロンドン・ブリッジ駅?とウォタールー駅?に囲まれたあたり。なんとなく、気分が落ち着くって言うか。
 ロンドンに鉄道が引かれたときに、――えーっと、『1800年代の末』らしいんだけど、当時の議員さんが中心地を横切って鉄道を敷設しちゃいけない、って決めたんだって。それで、今でもターミナル駅は輪になってるし、横切ってるのは地下鉄路線だけなんだね。19世紀の議員さんいいことしたね。
 え? 不便じゃないか? 別にい。今じゃ地下鉄あるし。あんた、もしかしてアメリカ人? ドイツ人? あ、ニホン人でしょ。わっかるよぉ、せっかちなんだからぁ(笑)。
 えーっと、後、郵便コードに東セントラルってエリアと、西セントラルってエリアがあるっけ。アレは、郵便屋さんのコードだから、生活感覚とはチャンネル別だよね。だってお役所言葉じゃん」―― 街のうわさに強い女

小事典版推奨判定
「情報+知性 目標値14以上」
専門的知識(?) 1970年代後半、グレーター・ロンドンの人口は、1920年代以降最低の数値を記録した。第2次世界大戦を挟んだ時期よりも下回ったのである。
 このどん底の1970年代に「セントラル・ロンドン」らしいステータスを保ったのは、おそらく次の5地域だろう。
  • シティ・オブ・ロンドン?
  • シティ・オブ・ウェストミンスター?(のほとんどの地域)
  • ケンジントン・アンド・チェルシー?(の概ねの地域)
  • カムデン地区の南部(ユーストン・ロード?のあたりまで)
  • イスリングトン?地区の南部(ペントンヴィル・ロード?とシティ・ロード?のあたりまで)
 以上の地域は、テームズ北岸で、地上鉄路のターミナル駅に囲まれているエリアに概ね重なる。ヴィクトリア朝ロンドンの面影を現在も残す「セントラル・ロンドンの内のコア・エリア」は、このエリアと言っていいだろう。
 もちろん、ピカデリー・サーカス?やソーホー?も、現在では多数に「セントラル・ロンドン」の一部と認められているし、セントラル・ロンドンはますます広がる勢いを見せている。“God Save the Queen”♪
小事典版推奨判定
「交流+社交 目標値14以上」
専門的知識(?) 「えーっとぉ……、『ピカデリー・サーカスやソーホー』も『セントラル・ロンドン』って、今の若いロンドンッ子にとっては、もう生まれる前からそうって感じなんですけど。
 現役でロンドンッ子やってる、顔見知りのおじいちゃん、おばあちゃんに、聞いてきました。
 やっぱ、1970年代の後半頃から、不動産屋や広告屋が、ヴィクトリア朝ロンドンのリヴァイヴァルって広告戦略討ったんだって。“セントラルなんたら”とか“オフィス・セントラル”とか言う名前のホテルや事務所が、やたらあちこちにできるようになったのが、その頃からって話。
 んで、えーっと『1980年頃から、自称セントラル・ロンドンの都市区が増えた』か。アハハ、きっついなぁ。でも、わかるわかる。『自称セントラル』って、今だと、サザークの周りのランベス?とかルイシャム?だよね。
 なになに『1980年頃の自称セントラル・ロンドンと言えば、フルハムやウェスト・エンドの下町だった』。そうそう、あたし聞いたのね『でも、下町ってロンドンの一部じゃん?』て。そしたら『ロンドンの一部だけど、セントラルじゃぁない』ってさ。多分、この辺のセンスは、変わってきたんだろうね。
 あたしなんか、下町でもおしゃれな雰囲気ならセントラルと地続き、って感じだけど。えーと、『セントラル・ロンドン』って、ブランドの話じゃぁないんだ。街の空気みたいな話。意識しないでも動いていける地続きのエリアって感じ。わかるよね?
 そういう意味じゃぁ、1970年代にスラム化した地域とか言われても、あたしには実感ないかも。パンクっぽい感じのあたりってのは、薄っすらわかるけど。
 でも、まあ、あたしでもシティ?なんか行くと、逆に、気取ってやがんなぁ、とか思うこと、あるけどね(笑)。やっぱ雰囲気違うとこはあるか」―― 街のうわさに強い女

GM向け参考情報

 このページの「PCが予め知ってていい情報」「追加情報」は、今のところ、極、特殊なシナリオ向けの資料かもしれません。

 グレーター・ロンドンを舞台にした、シティ・アドヴェンチャーの要素を組み込んだシナリオでは、活用してください。ほかのシナリオでは、あまり意識しすぎない方がいいかもしれません。

 ただ、シティ・アドヴェンチャーまではいかないけど、「セントラル・ロンドン某所のオフィスでミッション発令」なんてときは、イメージ・ソース程度に使って、うまくボカしたマスタリングをしていく運用をお勧めしておきます。よければ「インナー・ロンドン」や、関連の項も軽く相互参照してもらえるといいでしょう。

グレーター・ロンドンでのシティ・アドヴェンチャーの件は、チップスとして別途検討した方がいいでしょう)

イメージ・ソースとしての「セントラル・ロンドン」

 大雑把な話として、日本の東京と対照してみましょう。ローカルな話題にも及ぶので、関東以外に在住の方は、地図を見てもらった方がいいかもしれません。

 「東京都」という地方自治体には、東京23区以外の行政体も加わっています。奥多摩町?も小笠原村?も東京都下ですので、都議会には選出された都議が参加します。選挙区は、町村区画と一致してないですけどね。

 「グレーター・ロンドン」と「セントラル・ロンドン」の関係は、「東京」と「永田町」のような関係に近いです。

 つまり、「イギリスの首都はロンドン」と言って、普通イメージされる地域は、「日本の首都は東京?」と言いながら、国会議事堂のある永田町から、皇居、霞ヶ関あたり、千代田区?の中部から南東方面にかけてのあたりがイメージされてるのに近いものがあります。

 まあ、「セントラル・ロンドン」は「おしゃれでファッショナブルな地区」というイメージもあるので、中央区?の銀座?界隈や有楽町?界隈も含めましょう。丁度隣接してますし。

 これに対して、インナー・ロンドンは、イメージ的には「東京都下23区」に近い、と思っても、イメージ上は遠くないでしょう。行政上の位置づけや、運営は随分違いますけど、あくまでイメージ上の関係が似てる、ってお話です。

 で、まあ、「再開発で、セントラル・ロンドンの地域がどんどん広がってる」って話を、イメージ上で大雑把に対照すると、「日本の首都“永田町界隈”の地域が、日常的な感覚では、隣接する港区?の六本木界隈にまで広がってる」。「若い人の間では、同じ港区にあるお台場も『セントラル・トキョーだよね』とか言われてる」と、まあこんな感じでしょう。

 あくまで、対照のためのイメージ的な喩え話でした。

チップス「セントラル・ロンドンのマスタリング」

 さて、「ブルーローズ」のルールブックでは、限定情報の各所に、ローズ考古学財団の本部が「ロンドンにある」旨、設定されています。この場合の「ロンドン」は、「セントラル・ロンドン」を指すとみて、まず、間違いないでしょう。

 シナリオ・メイク、マスタリングの手法は、大きく分けて次の3路線になると思われます。

  • 細かなことは設定されていないので、「ロンドン(セントラル・ロンドン)某所」、とボカしてマスタリングしていく。
  • 細かなことは設定されていないので、リアル・ワールドの情報を踏まえてGM裁量で設定、マスタリングしていく。
  • 細かなことは設定されていないので、リアル・ワールドの情報を踏まえてGM裁量で脳内仮設定はしておく。実際は、「ロンドン(セントラル・ロンドン)某所」、とボカしたところからはじめる。
    ただ、シナリオの必要やキャンペーン展開に応じて、具体的なGM裁量も小出しに確定していく。

 多分、コンベンション環境の単発セッションでは、「ロンドン(セントラル・ロンドン)某所」でやった方が楽でしょう。

 「ワールド・ワイドな冒険をしてくのに、セントラル・ロンドンについて、あまり細かなGM設定をしても仕方ない」ってことはありますので。

 「シナリオの必要やキャンペーン展開に応じて、具体的なGM裁量も小出しに確定していく」手法を採るかどうかは、GMのキャンペーン・プラン?によるでしょう。

 例えば、グレーター・ロンドンを舞台にした、シティ・アドヴェンチャーを組み込んで、シナリオをやりたい、と言うようなときは、ある程度のGM設定を準備して行った方が無難です。多分、「セントラル・ロンドンを舞台にしたシティ・アドヴェンチャー」とGMが思っても、シナリオ・メイク時に、グレーター・ロンドン全域のイメージは持つようにした方が、安定感のあるマスタリングができるでしょう。

 キャンペーン・プレイでは、多分、「脳内で、仮設定をしておきながら、曖昧にボカしてマスタリングしていく」あたりが、1番融通が効くマスタリング路線かと思われます。

参照地図

  • 現在、概ね、セントラル・ロンドンとイメージされているエリア
    セントラル・ロンドン
     
    セントラル・ロンドン及び周辺の地下鉄網
    地下鉄網
    Wikimedia Commons

活用や検討

活用

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重要な改訂の情報

  • 内容に追加、変更があった場合のみ、でいいでしょう。
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検討

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  • 2012-08-14 (火) 10:02:33 じじくん : セントラル・ロンドンの面積は・・・?
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