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エウロペ,テュロスの〜

テュロスのエウロペ 暫定版

記事内容追加調査中の暫定版です

英語
Europa(ユェルォペァ)

PCが予め知ってていい情報

  • 「判定処理なしに、PCが知ってることにしていい」情報とします。

 「テュロスのエウロペ」は、ギリシア神話で、テュロス?の王女であるフェニキア人?として語られたキャラクター。物語の内では、クレタ島?の王朝の祖になったとされた。

 現在は、様々な言語で「エウロパ」と呼ばれることが多い。現代ギリシア語でも「エウロパ」と呼ばれる。

 古代のヘレネス?は「ヨーロッパ」という地域名は、テュロスのエウロペの名にちなんだものとみなした。

【参照イメージ】

追加情報

  • 「簡単な判定に成功すればわかる情報」とします。
小辞典版推奨判定
「表現+知性 目標値10〜12」
やや詳しい情報 ギリシア神話では、テュロスのエウロペがクレタ島?へ連れ去られることになるが、その経緯については、大きくわけて2種類の物語が知られている。
 よく知られている物語では、雄牛の姿に変身したゼウス神によって拉致されクレタにさらわれた、とされる。こちらのタイプの物語には、さらに細部が異なる異伝が幾つかある。
 大きく異なる物語は、ヘロドトスが伝えている異伝。
 こちらでは、フェニキア?に誘拐されたイオ(古いイオ神話からは変形した異伝伝説)の報復として、アルゴスの王子が、イオの子孫であるエウロペを、テュロスからさらうようにミノア人たちに命じた、と語られる。
 よく知られる方の物語の大筋は、こうだ――
 「ゼウス神は、エウロペの美しさに魅惑されると、白い牡牛に変身。テュロス王が所有していた牛の群れに紛れ込んだ。
 侍女たちが王女のために花を集めている間に、エウロペは、見慣れない白い牡牛に気づいた。牡牛の姿のゼウス神がエウロペに戯れてみせると、彼女はその背中に乗ってしまう。
 ゼウス神は、たちまち海に飛び込み、王女を乗せたままクレタ島に泳ぎ渡ってしまう。
 クレタ島のゴルテュンの泉で、エウロペに正体を示したゼウス神は、彼女と交わると、彼女を島で最初の女王とした」
 一方、テュロスでは、牛にさらわれたエウロペを探し出すと誓った王子、カドモス?と、キリクス?が旅に出る。旅先でキリクスは、キリキア?を開拓することになり、カドモスはテーバイ?の祖となるのだが、それらは別の物語になる。
 「クレタ島では、エウロペはゼウス神の息子である息子を産むことになる。後にクレタ王となるミノス?と、キュクラデス諸島?の王となるラダマンティス?だ。後代の物語では、リキア?の王族となるサルペドンもエウロペとゼウス神の息子とされた。(他に、カルノス?とドドーン?も、エウロペの子とする異伝もある)
 後、エウロペは、クレタ島のアステリオス?と婚姻。アステリオスは、ゼウス神の息子たちを養子にすると、クレタ島に王朝を起こした」
 ちなみに、エウロペは、ゼウス神から3つの宝物を授かった、とされている。
  • 島の沿岸を巡回し、入島者を決して見落とさない青銅の巨人タロス?
  • 決して獲物を逃さない猟犬ラエラプス?
  • 決して的を外さない投げ槍
小辞典版推奨判定
「歴史+知性 目標値10〜12」
やや詳しい情報 ギリシア神話のエウロペがヨーロッパの語源であることは、よく知られている。しかし、ヘレネスたちが、ヨーロッパをどうイメージしていたかはあまり知られていない。
 ヘレネスは、伝統的には、世界を円盤状と考え、中心地はデルフォイ?だとみなしていた。
 その上で、彼らは世界を、ヨーロッパと、アジアとに2大別していた。境界は地中海と黒海?、そしてカフカス山脈だった。
 後、ペルシア領を巡ったヘロドトスは、カスピ海?が内海であることを伝え、黒海の北、スキュテイア地方のさらに北を「アリマスポイ」と、カスピ海の北東方を「イッセードネス」と伝えた。
 ヘロドトスが伝える世界では、「アジア」は、北アフリカの西岸から、インダス川?流域の東までとされた。(ただし、ヘロドトスもガンジス川?やヒンドゥークシュ平原?は認識していなかったようだ)
 当時、「アフリカ」という地域概念は、まだなかった。
小辞典版推奨判定
「言語+知性 目標値10〜12」
やや詳しい情報 「『エウロペ』は、古典ギリシア語的な音です。現在、ゲルマン系の諸語では、英語を例外として『エウロパ』のように発音される例が多い。
 ローマ文字を使うスラブ系諸語の幾つか、及び、ハンガリーなどで使われるマジャール語、そして、現代ギリシア語でも、同様に「エウロパ」です。
 英語で、例外的に古典ギリシア語の音が伝えられているのは、英語の筆記法の歴史では単語の語源がかなり強く意識されていたためです。そのため、英語の筆記や語形変化は、ネイティヴでない人から『例外が多い』と、イメージされるようになってしまいましたが。実は、あの例外と思えるものは、ギリシア語起原の単語、ラテン語起原の単語、古ゲルマン語起原の単語などなどを意識すると、そう不思議ではなくなります」―― フィールドの言語学者

【参照イメージ】


小辞典版推奨判定
「表現/分析+直観 目標値12〜14」
インスピレーション 「ギリシア神話で、ゼウス神とエウロペの息子とされたミノス王?は、クレタ島の法を定めた人物で、死後に冥界の裁判官になった、と伝えられています。
 実は、神話研究者の間では、『ミノス』は、古い時代には個人名ではなく、古代エジプトの『ファラオ』同様、支配者の地位を意味する称号だった、との推測論があります。
 この推測が正しければ、エウロペの神話には、ミュケナイ人がクレタを征服する以前の古い神話が変形されて、ギリシア神話に伝えられた可能性も出てきます。
 ギリシア神話では、女王になった後のエウロペが、『ヘローディア祭』という祭儀で崇拝されるようになった、と語られています。
 あるいは、ミュケナイ人到来以前にクレタ島で営まれていた祭儀に関係した神話キャラクターが、エウロペの前身であったのかもしれません。
 『エウロペ』という名を、古代ギリシア系の言語で解釈して、『広い(エウロ)』『オペー(瞳、または、相貌)』だった、とする説があります。
 この語源論は、古代クレタ文明で盛んに神聖視された聖牛と、エウロペ(の原型となった未知の神話キャラクター)との関係を想像させます」―― 考古学にかぶれた民間伝承研究家
小辞典版推奨判定
「表現/直観+知性 目標値12〜14」
詳しい情報 「『エウロペ』の語源論には、古典ギリシア語説の他に、ヘレネスが、古代セム系の言語から音を借用した、との説もあります。
 この手の語源論は、他に強力な傍証でもない限り、退けておいた方が無難なのですが。どうも、ヘレネスは、語呂合わせのような言葉遊びが好きだったらしいので、一概に否定もできません。
 例えば、ヘレネスは黒海を『ポントス・エクシナス(癒しの海)』と呼びました。これは、スキタイ人が黒海を『アクシネス』と呼んでいた音にこじつけたことが知られています。『アクシネス』は、スキタイ語、及び古いペルシア語で、単に『黒』を意味していました(苦笑)。
 『エウロペ』を、古代セム系言語(フェニキア語?)で解釈する語源論では、『異邦人』『西方の人』あるいは『西方の異邦人』を意味した、などと言われます。歴史言語学的には、そういう推測説もあります、という以上はなんとも言えないところです」―― フィールドの言語学者

【参照イメージ】

  • http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/e/ed/Moreau%2C_Europa_and_the_Bull.jpg(“Europa and the Bull”水彩,ギュスターヴ・モロウ?,1869年,Wikimedia Commons

GM向け参考情報

捕捉情報

エウロペの親族(再整理と追加情報)
 エウロペの家族について語る神話には、幾つかの異伝が伝わっています。ただし、いずれの物語でも、フェニキア系で、イーオー?の後裔だった、としている点は共通だそうです。
 よく知られる物語では、エウロパの父はフェニキア人のテュロス王アゲノール?だったとされます。
 『イリアッド』などでは、アゲノールの息子でテュロス王になったポイニクス?がエウロペの父だった、とする異伝が語られています。
 エウロペに、カドモス?と、キリクス?の兄弟がいたことはほとんどの物語で共通であるようです。
 エウロペの母は定かではありません。ただ、カドモスは、しばしばアゲノールとテーレパッサの子とされているので、エウロパの母もテーレパッサとみなされることが多いようです。
 エウロパの息子は、はじめ、ミノス、ラダマンティスの2人とされ。後代、サルペドンも加えられ3人の息子がいた、と語れました。
 他に、カルノスとドドーンも、エウロペの子とする異伝もあります。
 神話では、エウロパは、クレタ島のアステリオン(アステリオスとも)と婚姻し、クレタ島の王朝の祖となったことになっています。

活用や検討

活用

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重要な改訂の情報

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検討

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更新日時:2007/07/17 19:45:25
キーワード:
参照:[イオ] [エウロペ] [神話、伝説のキャラクター]
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