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世界歴史の旅『南インド』

世界歴史の旅『南インド』

どんな本か

 世界歴史の旅『南インド』は、現インド共和国の南部と、スリランカ民主社会主義共和国スリランカ島)の史跡ガイド。一般向け。

 大まかに、歴史的なインド地域南部の史跡ガイドと思っても遠くない。(ただし、バングラデシュ人民共和国の領域は扱われていない)

 シリーズの他の書籍同様、地域史概説のコーナーと、地域区分を踏まえた史跡ガイドとの2部構成に編成されている。

構成
  • 本文210頁。ただし、この紙数には、年表、用語解説、索引などの資料編も含まれている。
    資料編などを除くと、200頁が、2部に構成されている。第I部は、「南インドの歴史」(80頁)と「スリランカの歴史」(20頁)で、計100頁。第II部「南インドの史跡を訪ねて」は100頁。
  • 「南インドの歴史」は、12章から構成されていて、推定B.C.1000年頃からのドラヴィダ系諸族の南下から、現代までの地域史が概説されている。「スリランカの歴史」は、3章から構成されていて、紀元前3世紀よりも前と伝えらている伝説時代から現代までの地域史が概説されている。
  • 第II部は、6章から構成されていて、大別地域ごとに、多数の史跡が紹介されている。

書誌情報

辛島 昇、坂田 貞二 共編、大村 次郷 写真,世界歴史の旅『南インド』,山川出版社,Tokyo,1999.
ISBN 4-634-63220-9

感想コメント

ブルーローズ」にどう役立つか

  • プレイヤーにとっては、インド共和国スリランカ民主社会主義共和国の歴史や遺跡のソース・ブックとしてお勧め。
    ことに、歴史技能が高めになってるPCなどの担当プレイヤーは、楽しみながら参考にできるだろう。
  • 扱われている地域の現状については、情報は薄い。1999年刊行の書籍なので、最新情報ではないことに注意。
    あくまで歴史背景のイメージ・ソース。地域の現状を知る時にはベース資料として扱い、他のソースからの情報で補っていくといいだろう。
  • どのような使い方にしろ、この本から得られる情報の、セッションでの採用/不採用は、GM?裁量に従う事をお勧めする。
  • オリジナル・シナリオを作るGMさんには、有用性の高い良書。
  • 史跡近傍のルート・マップや遺跡図なども多め。
  • ことに、「歴史ミステリーをシナリオ・ネタに絡める傾向」のGMさんにはお勧め。
  • 題材としては、インダス文明の遺跡、仏教遺跡、ヒンドゥー教遺跡などなど、オーパーツ・ネタと絡め易い史跡の解説が多め。

ブルーローズ」を離れてみるとどんな本か

  • 同じシリーズの他の書籍でも言えるが、大別地域ごとに整理された史跡解説を、第I部の通史概説と相互参照しながら読むと、地域の歴史的位置づけが大づかみでも掴めてくる仕掛けになっている。
  • 同じシリーズの『北インド』も併せれば、インド史の入門用概説書として、かなりのクオリティと言えるだろう。
  • スリランカ島を扱っていながら、バングラデシュ人民共和国の領域が扱われていないのは残念。

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