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スリス女神

スリス女神 スリスめがみ (Sulis)

PCが予め知ってていい情報

 特になし。

 「スリス女神」については、関連技能をもたないPCが予め知らないでいても不自然ではないと思われます。

追加情報

小事典版推奨判定
「歴史+知性 目標値10〜12」
やや詳しい情報 スリス女神は、現在イングランド?バースにある鉱泉でケルト系の民族に崇拝されていた女神。ローマ時代にも崇拝は続けられた。
 あまり数は多くない幾つかの出土物からも、バース・スパで古代に実際に崇拝されていた女神だったことが認められている。ヘレネス?やローマ人?の古代記録にちょくちょく見られるような、誤解に基づいた意図せぬフィクションの類ではない。
 しかし、どのような神格として崇拝されていた女神だったは、ほとんどまったくわかっていない。
 ブリテン島に入植したローマ人たちは、スリス女神を、ローマの伝統神であるミネルウァ女神?(ミネルバ女神)と同一視していた。ただし、現状ではこのことを、スリス女神の神格推測の手がかりにするのは無理だろう。(他にもっと、関連遺物が発見されれば、改めて参考にできるかもしれない)。
小事典版推奨判定
「表現+知性 目標値10〜12」
やや詳しい情報 「スリス女神は、現イングランド?でも、鉱泉で有名なバースで崇拝されていた女神です。ローマ人たちは、この地に『アクウェ・スリス(スリス女神の泉)』と名づけた町を建てました。
 大陸側のケルト遺跡では、泉や川の女神が、古代ケルト人に崇拝されていた例が、多数知られています。スリス女神も泉の女神とみなして構わないでしょう。
 ローマ人はスリス女神をミネルウァ女神と同一視していたわけですが、ローマ時代のブリテン島では、ケルト神としての本来の名が忘れられ、ローマ神の名でのみ伝わった神々がいくつかありました。スリス=ミネルウァという型でもケルト神としての名を遺した女神は、相当に強く崇拝されていたことでしょう。
 バースの泉にまつわる伝承を踏まえると、女神はおそらく治癒の力を持つと信じられていたと思われます。ミネルウァ女神との同一視も治癒の力が焦点だった、程度は予想して構わないと思います。(歴史学会では後代の伝承は証拠にならない、と言われるかもしれませんが)。
 ちなみに、スリス女神は、スリウィス(Sulevis)ともスラ(Sulla)とも呼ばれていたのですが。ケルト人の間で「スレウィアエ(suleviae)」と呼ばれた神々がいます。この「スレウィアエ」は複数形なのですね。ギリシア神話のニンフのような(――と言うと誤解を招くでしょうか?)一群の女神たちを指す呼び名です。
 おそらく、スリス女神は、スレウィアエの1柱だったはずですが。1つ問題なのは、「スレウィアエ」は個人や家族を守護すると信じられていたふしがあることです。アクウェ・スリスの伝承のように、泉を訪れる不特定多数に治癒の力を及ぼす、という神格とはしっくりこないものもあります。(これこそ、歴史学会では認められない議論でしょうけど)」−− 考古学にかぶれた民間伝承研究家

小事典版推奨判定
「言語+知性 目標値12〜14」
詳しい情報 「『スリス』は、アイリッシュ・ゲール語では『瞳』あるいは『裂け目』を意味する単語です。
 ウェールズ語では、『スリス』が『太陽』を意味します。古い時代のウェールズ語では『スイル』。こちらは、例えばラテン語の『ソル(太陽)』と類縁の単語です。
 ケルト系言語専門の歴史言語学者の意見によれば、ゲール語の古い型を推測再構成していくと、女神の名は『ス・リージース』から転じたと思える、とのことです。これは『神・湧き出るもの』を意味したそうです」−− フィールドの言語学者
小事典版推奨判定
「歴史+知性 目標値12〜14」
詳しい情報 バースの考古調査では、スリス=ミネルウァ女神を祀った複数の祭壇跡と、女神に仕えた神官の墓石が発見されている。特に、墓石に刻まれていた碑文から、古代にスリス女神崇拝があったことは確かなことと判断されている。
 他に、スリス=ミネルウァ女神への個人的な祈願文を刻んだ薄板も発掘されている。しかし、願われている呪詛の類は、当時の習慣として平凡と言える内容。他の遺跡から出土している他のケルト神への個人的祈願文と比べて、特にスリス女神の性格を推測する手がかりになるとは思えない。
 現在のところ、スリス女神に対する崇拝の物証が発掘されているのは、イングランド?のバースと、アルツァイ(ドイツ南東部)だけのはずだ。アルツァイからは、スリス女神の名と共に奉納文が刻まれた遺物が、1つだけ出土している。
小事典版推奨判定
「魔術+知性 目標値12〜14」
詳しい情報 「ケルト人の崇拝した神々は、多くが特定の土地との結びつきを断ち切れなかった。俗人にわかり易く言えば、『ローカルな神』と言うことだ。地盤とする聖地においては、強力な力を振るうことがあっても、基本的には強力な精霊、とも言える。
 ヘレネス?も、古くは同じようなローカルな信仰に縛られていたのだが、オリンポス?との霊的交感を通じて、より神格の高い神々を見出すに至った。アテナ女神?やアポロン神?は、必ずしも聖地にはしばられていまい。古代エジプト?の神々にも同じようなパターンが見られるが、あの文明では神官が古くから神格の高い神々と通じていたふしがある。(農民はもっぱらローカルな神を崇拝していたようだがね)
 つまり、ローマ人のスリス=ミネルウァ女神も、土着の女神から、より神格の高い女神を導き出したもの――、と思えるのだが。ふーむ、ドイツからも女神に関する遺物が出土しているのか……なるほど。
 ちなみに、古代ローマ人やヘレネスは、地中から湧き出る泉は、異界から現世へ渡ってくるもので、泉が湧き出る土地では、神託や予言を得ることができる、と信じていたな」−− 結社からはぐれた魔術師

GM向け参考情報

 「アクウェ・スリス(スリス女神の泉)」について、伝えられている伝承については「バース市街」の項を参照してください。⇒ バース市街

 「スリス女神」については、古代にどのように崇拝されていたか、あまりよくわかっていません。幾つかの推測はあるようです。

 また、現在のU.K.(連合王国)フランスで活動している幾つかの復興ケルト教団体(新ケルト主義とも言われる、新興宗教的な諸団体)では、スリス女神についてもいろいろユニークな説が唱えられているようです。

 「ブルーローズ」の題材としては、女神の信仰が喪われた背景に何かの謎を設定してもよし、女神の神格自体にユニークなフィクション設定をしてもよし、はたまた、女神の本性についてユニークな説をとなえるNPCを出してもよし、と料理法が幅広い題材と思えます。

 ちなみに「女神に関する出土遺物」ですが、スリス女神自体の解説記事や、バースのアクウェ・スリスについての解説記事で「イングランドのバースからしか出土していない」との記述を見ることがあります。

 これは、おそらく「U.K.では、一般にそのように信じられている」ということだと思われます。「スリス女神への奉納文がドイツからも出土している」件については、『ケルト事典』(ベルンハルト・マイヤー、著,創元社)に依りました。この本の原著は、1996年刊ですので、少なくともフィクション設定としては、「関連遺物は、バースとアルツァイからしか出土していない」を基本にしておいていいと思います。

(もちろん、その後、別の場所から出土した遺物が陰謀組織の手に渡っていて、世間には知られずにいる、としてもいいですね)

別称類

 「スリス=ミネルウァ」はローマ人による神名。

 「スリウィス(Sulevis)」、「スラ(Sulla)」、これらは、バース・スパの発掘調査で確認された神名。(出土遺物から確認された別称と想定)

 「スレウィアエ(suleviae)」は、アイルランド島でもヨーロッパ大陸側でも、ケルト文化の広い範囲で知られている、特定の神の神名ではないが、似たタイプの一群の女神を指す総称。

アイディア・フック

 アイスランドの中世遺跡から出土したという遺物に、なんとスリス女神の名が刻まれていた!? ◎◎大学調査団を指揮している普通の歴史学者のNPCは、文字ではなく、摩滅した装飾がたまたま「スリス」と読めるような気がするだけだ、と断定している。調査隊に加わっていた隊員が、こっそり財団に連絡してきたのだが……。

ナサニエル「問題の調査には、財団も財政支援をしています。そこで、今回は調査継続中ですが、特例として遺物や発掘現場の写真撮影などの許可を得ることができました。『調査団の公式な研究報告が公表されるまで、財団からは、関連情報を一切外部にリリースしない』とうのが条件です。  ただ、調査団長は、超古代文明関係の話題を毛嫌いしているので有名な教授なんですよ。『財団の支援を受けるなら調査団を降りる』、とまでゴネた人でしてね(苦笑)。今回は、その辺で問題をおこさないこともミッションの内、と考えてください。『教授と、◎◎大学と、財団の関係を悪化させないこと』これもミッションの達成条件です」

活用や検討

活用


検討

  • 検討の項は記名記入を推奨(無記名記入は書き換えられても仕方なし、ってことで)

更新日時:2006/05/12 16:37:27
キーワード:
参照:[バース市街] [+αのワールド用語]
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