コプトス
PCが予め知ってていい情報
- 「判定処理なしに、PCが知ってることにしていい」情報とします。
特に無し。
「コプトス」は、一般にはあまり知られていません。関連技能を持たないPCが、予め知らないでいても、不自然ではないと思われます。
やや詳しい情報
- 「簡単な判定に成功すればわかる情報」とします。
「コプトス」は、古代エジプト時代に上エジプトで営まれた地方都市の名。ただし、ヘレネス?の言語で呼ばれた都市名が、欧米に広まったもの。古代エジプトの言語では「ゲブトゥ」（Gebtu）と呼ばれた。
上エジプトの第５ノモスとされたハラウィ（Haraw?）の都で。ミン神?他を祭神にしていた。
コプトスが立地したのは、ナイル流域から東方沙漠?に分け入るワディ・ハンママートの西方の玄関といった位置。現在のケーナ県で、ナイル川の右岸、ルクソール市の概ね北方やや東寄りに立地する小さな町、クィフトのあたりにあった。
古代都市コプトス（ゲブトゥ）は、３世紀の末頃、１度壊滅状態になったが、ほどなく復興。その後も多少の盛衰はあったが、ローマ時代、ビザンツ時代、イスラム時代を通じて営まれ続けた。16世紀にエジプト地域が、オスマン=トルコ帝国?の勢力圏に入った後、徐々に衰退。現在のような小さな町に縮退していった。
クィフトのあたりでは、19世紀末に１度、20世紀の初頭に１度、地域の宗教センターだったと思われる神殿の遺跡などが発掘調査された。
その後、本格的な再調査はなされなかったが、2000年と2003年にオーストラリアの調査隊が、広域調査をおこなった。しかし、古代の都市構造などの解明は、今のところ充分おこなわれていない（と、想定しておく）。
さらに詳しい情報
- 「難易度が、ある程度高い判定に成功すればわかる情報」とします。
ゲプトゥ（コプトス）は、紅海沿岸部を経由した古代交易ルートが、ナイル流域部にアクセスするゲート・ポイントの１つであり、ナイル沿いの勢力、ことに古代エジプト王朝が、ワディ・ハンマートや紅海沿岸で営んだ鉱山などの開発、運営拠点にもなった。
第１中間期?には、テーベを中心とした南方の勢力と、ヘラクレオポリス?などを代表にした北方の勢力との間で、独自の立場を築くと同時に、争奪の対象にもされた。
長距離交易ルートの中継ぎセンターとしての機能は、古代末期になっても衰えず、コプトス（ゲブト）は、プトレマイオス朝時代からローマ時代にかけても続いた。
紀元後３世紀の末に対ローマ反乱が起き、激しい抗争の後、ローマ軍によりほとんど破壊された。しかし、ほどなく近傍に都市が再興された。やはり、交易拠点としての地の利があったためだろう。６世紀には、都市の名がユスティニアノポリスと改名された。
７世紀半ば、アラブ・イスラム勢が下エジプトを制圧した後、その影響力は徐々に上エジプトにも浸透していったが、以前から紅海沿岸ルートを通じてアラブ商人とも接触が多かったユスティニアノポリスは、上エジプトの商都の１つとして重要性を失わなかった。現在のアラブ語地名クィフトは、おそらく、ギリシア語地名コプトスがアラビア語で訛ったものだろう。
上エジプトがイスラム化の時代にも、コプトスは、商都であると同時に、コプト教が盛んな地の１つとして続いた。12世紀後半のアイユーブ朝時代?、クィフトのコプト教徒たちが反乱を起したが、サラディンの兄弟だったアル-アディールの軍団の前に壊滅した。
その後、16世紀にエジプトもオスマン帝国の勢力圏に入ると、クィフトは徐々に重要性を減じていき、小さな町へと縮退していった。
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参照:[ゲブトゥ] [＋αのワールド用語] [ワディ・ハンママート] [アポリノポリス・パルワ] [クィフト]