上ナイル地方

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　「上ナイル地方」は、現スーダン領中南部の東寄りで、幾つかの州に渡っている。

　2006年現在、事実上スーダン中央政府から反独立した、南部自治地域。領域は、狭義の白ナイル上流域（広義の白ナイル中流域）で、南北方向が東西方向よりも長い。

　地域北部は、同名の上ナイル州?の州域。地域中部以南の東縁は、スーダン - エチオピア国境の一部をなしている。

　アラビア語による地域名は「アッ-アーリー・アン-ニルス（A'ali an Nils）」で、「上ナイル」を意味している。

【参照地図】

• Sudan - regional boundary（Relief Web）
  　実は、地図は古い行政区分図。図示されている旧行政州は、2006年現在、“Khartoum”（図中の16）以外すべてが、公的には行政実体を失っている（より細かな行政州に解体されている）。
  　ことに、“Bahr El Ghazal”（図中の20）と、“Equatoria”（図中の21）は、解体細分の結果、両地域を併せた広域が「エクァトリア地方」と呼ばれるようになった。
• Sudan（HOLT RINEHART WINSTON WORLD ATLAS）

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　上ナイル地方は、元はアングロ=エジプト?統治時代に策定された行政区だった。現在は、３つの州に区分されて、かつの行政区分は解消されているはずだ。（南部スーダンの自治的地区なので、現地情勢の実態には不明点が多い）

　上ナイル地方に含まれる３つの州とは、北部の上ナイル州?、南東部のジョングレイ州?、南西部のユニティ州?。

　地域北部は、北西のコルドファン地方と、北東の青ナイル地方とに挟まれ、北端で白ナイル州?の南部に接している。

　地域の西部はサッド（大湿地帯）の概ね中部東寄りにあたり、地域東部は、狭義の白ナイル上流域で、サッドの東縁部にあたる。

　地域の中心的都市は、マラカ（ジョングレイ州）。山地ナイルが、西から東流してきたバハル=エル・アラブ?に合流した後、北流に転じて狭義の白ナイルになった直後の左岸|?に立地。ちなみに、山地ナイルの屈曲点は、エチオピア領から流れてきて、スーダン領内を西流してきたアカボ川?と合してる。

　つまり、山地ナイル（バハル=エル・アラブ）、アカボ川、白ナイルの３つの川筋は、ジョングレイ州南部で、北を上として、Ｔの字を上下逆にしたような交わり方をしている。

　地域の環境は、湿原地帯と熱帯樹林で、マラリヤなどの風土病も多い。気候は、高温多湿の熱帯気候。雨季は、６月〜11月と、スーダン北部よりはるかに長い。

　地域は、ヌエル族、ペジャ族などの生活圏。彼らの伝統的なライフ・スタイルは、半牧畜、半狩猟採取の非定住生活。他に、ディンカ族も多く、アラブ系は少数派。

　現在のユニティー州の州域では、1970年代に、スーダン領内で最初の油床が発見された。一説に、1980年代にスーダンの南北で戦われた内戦は、この油床の利権を巡って激しさを増した、と言われることもある。

　スーダン内戦のきっかけは、あくまで北部の中央政府が、シャリア法の原理種的な厳格適用をスーダン全土にもたらそうとしたことだったと思われる。南部に多いキリスト教徒や、伝統民俗宗教の信徒たちが反発したのが、最も大きな理由だったと考えられる。しかし、油床の利権が、副次的要因として、戦いを激しくし、長引かせた、という意味なら、かなりの影響を及ぼしたのかもしれない。

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参照情報

• 小辞典
  ⇔ 小辞典ワールド編
  ⇔ ランド・マーク

関連項目

• スーダン共和国
• スーダン共和国の諸地域?

資料リンク

• Wikipedia英語版:States_of_Sudan
• States of Sudan（Statoids）

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