デーレッゾール
PCが予め知ってていい情報
- 「判定処理なしに、PCが知ってることにしていい」情報とします。
「デーレッゾール」は、現シリア=アラブ共和国領東部で、イラク共和国と国境を接している県(デーレッゾール県)、及び、同県の行政中心地デーレッゾール市を指す。
県域の南北中ほどを、フラト川(ユーフラテス川)の中流域が北西 〜 南東方向に流れ、イラク側のアンバール県に続いていく。県都デーレッゾール市は、県域北西部の中ほどで、フラト川南岸に立地。地域、及び広域の交通路のハブ・センターにあたる。
デーレッゾール市の南東85kmにはエウロポス城砦の遺跡?が、南東120kmには古代マリ王国の王都遺跡であるテル・ハリリが存在。
- 【参照イメージ】
- 【参照地図】
追加情報
- 「判定処理なしに、PCが知ってることにしていい」情報とします。
- 小事典版推奨判定
- 「情報+知性 目標値=8〜10」「交流+知性 目標値=10〜12」
- 簡単な情報 (必要に応じてゲーム前ブリーフィングやブレイクを使いGMから素でプレイヤーに伝えてもいいかもしれない)
- デーレッゾール県は、シリア北部で、ハサカ県?の南、ラッカ県?の南東に接し、ホムス県とディマシュク県(ダマスカス県)?の東に接している。イラクとの国境を挟んでは、イラク側のニナワ県?、アンバール県?に接している。酪農と麦作、綿花などの農耕とが県の主産業。
- 2008年現在、デーレッゾール県は、郡に相当する行政区3つに区分されている。デーレッゾール市は、県域の半分以上を占めている北部の郡で、南北の概ね中ほど西寄りに位置。標高は195mほど。
- シリア国内で、人口の多いユーフラテス流域にある都市だが、規模はラッカ市?、ハサカ市?より小さい。農業大学を擁し、地域の農作物の集散地にもなっている。また、岩塩の採掘場も市の近傍に位置する。シリア沙漠の油床が発見されてからは、石油開発企業の事務所も設けられるようになってきている。
- デーレッゾール市郊外でフラト川に橋が架橋され東西、南北の陸路の地域ターミナルの要衝をなしている。市の南東には、地方空港もある。
- 【参照地図】
- シリア=アラブ共和国県域区分図(Wikimedia Commons)
東部でグレイに彩色されているのがデーレッゾール県。県域は3つの下位行政区に区分されている。
- 小辞典版推奨判定
- 「交流+知性 目標値10〜12」
- やや詳しい情報 「デーレッゾールは、おいらみたいな風来坊バックパッカーの、好みのスポットの1つでさ。あのあたりの国をブラつくとき、中継点に丁度いいんだよな。観光スポットとして、そう有名でもないから、そんなに観光化されてないしね。(でも、5つ星ホテルはあるんだぜ、おいらは泊まったことないけどさ)
- ユーフラテス川に架かった、あまり今風でない橋の風情を気に入ってるバックパッカーは多いよ、うん。あ、この橋はね、歩行者と2輪車専用。フランス統治時代に架けられたって話だね。4輪車用の橋は別にあるのよ」―― ワールド・ワイドなバックパッカー
- 小辞典版推奨判定
- 「歴史+知性 目標値10〜12」
- やや詳しい情報 現在のデーレッゾール市の位置には、遅くとも古代ローマ帝国の時代には、交易拠点として栄えた都市が営まれていた。この都市は、地中海沿岸とインド方面との貿易の中継点として栄えた。あるいは、マリ王国の時代に衛星都市のような集落があったかもしれないが、古代の市域はモンゴル勢の侵攻時に事実として壊滅させられたために、定かなことは知りようがなくなっている。(モンゴル征西軍に“破壊された”との伝承を持つ都市は多いが、実際は軽微な損害を受けただけの都市も少なくない)
- 古代デーレッゾール市は、パルミラのゼノビアに征服され、ゼノビアの国家が滅びた後は、ローマ領、ペルシア領、イスラム領と帰属を変えていった。
- 現在のデーレッゾール市は、オスマン=トルコ統治時代の1867年に新たに創建されたもの。
- 現在の市は、地域の文教センターにもなっていて、地方レベルの博物館が存在している。他にも、農業関係や歴史、民族関係の博物館のような施設も少なくない。
- 「難易度がある程度高い判定に成功すればわかる情報」とします。
- 小辞典版推奨判定
- 「情報+知性 目標値12〜14」「歴史+知性 目標値14以上」
- 詳しい情報 デーレッゾール市は、1915年にオスマン=トルコ帝国が多数のアルメニア人を強制追放した際に起きたとされる、いわゆるアルメニア人ジェノサイド?の生存者が、放浪の末にたどり着いた町。当時、充分な、衣類、食料も与えられず強制追放されたアルメニア人数千の死骸が、デーレッゾール市郊外に折り重なった、と伝えられている。
- 1921年、デーレッゾール市と一帯は、フランス共和国の信託委任統治下に。フランス当局は、地域の守備大隊の本営を設けた。1946年、独立シリアの領土となる。
- 小辞典版推奨判定
- 「交流+知性 目標値12〜14」
- 詳しい情報 「そうそう、デーレッゾール市には、アルメニア正教の教会があるよ。例のアルメニア人虐殺事件の被害者を悼む教会ってことで、今でも参拝者は多いね。今でも、4月24日には追悼の儀式がおこなわれてます」―― ワールド・ワイドなバックパッカー
GM向け参考情報
- GM向けの補足情報、マスタリング・チップス、アイデア・フックなど
参照地図
- Dayr az Zawr, Syria Page(Directory of Cities and Towns in Muhafazat Dayr az Zawr, Syria,World Index)
- シリア 地図(STN.com)
- Dayr Az Zawr Google Satellite Map(Syria Google Satellite Map,maplandia)
補足情報
- デーレッゾール市の人口は、13万3千人(1994年)。
環境
- 気候帯としては、ステップ性の乾燥気候に属すが、ユーフラテス川の水利を利用した灌漑で、植生はかなり豊か。
- 標高は195mとさほどでもなく、平均気温は高い。
交通路
- 【参照地図】
Syrian Arab Republic(GLOBAL GEOGRAFIA)
基幹ルートに絞られた交通網(鉄道、自動車道)の地図です。道路の格もイメージし易い地図なので、シナリオの必要に応じて活用するといいでしょう。 - 北西〜南東方向に走る主要地方道と、南西〜北東方向に走る主要地方道とが交叉。
- フラト川(ユーフラテス川)北岸に敷設された鉄路が、デーレッゾール市郊外にあたる北岸でハサカ市?方面に向かっている。
フラト川を利用した水運については、「ユーフラテス川」の項を参照されたし。⇒ ユーフラテス川 - より詳細な交通路情報は、まず、「シリア=アラブ共和国の有用地図集」から、辿れる地図類を参照して検討してください。
- 右ページから、デーレッゾール・ローカルのインタラクティヴ・マップを辿ることもできます。⇒Dayr az Zawr, Syria Map & Placename Index(multi map.com)
- 自動車道
- 北西〜南東方向に走る主要地方道は、アレッポ?からアサド湖?の南方を廻った後、フラト川南岸に沿うように走る。この道は、デーレッゾール市を経た後、マリの遺跡近傍を経由。国境の町アブーカマール(人口、1万人未満)に至った後、シリア-イラク国境を越えてイラク領に至る。
- フラト川北岸にも、ラッカ市?との間で鉄路に併走するように自動車道が敷設されているが、これは基幹道より格のおちる主要地方道と想定。
- 南西〜北東方向に走る主要地方道は、首都ダマスカス?から発した道と、ホムスから発した道とが合した後、パルミラ遺跡?至近の町タドモルを経由した後、デレッゾール市に至る。
この自動車道は、デーレッゾール市街からフラト川を渡河する橋を渡り対岸に至る。対岸では、シリア - トルコ国境の町カミシュリー?に至る道、フラト川北岸をイラク方面に向かう地方道も敷設されている。
- 鉄路
- ハラブ市?(アレッポ)から東に発した鉄路が、ラッカ市を経由した後、フラト川北岸に敷設されている。この鉄路は、デーレッゾール市郊外にあたるフラト川北岸で北に方向を転じ、ハサカ市、カミシュリーに至っている。デーレッゾール市内には、引込み線が敷設されている。
- 空港
- デーレッゾール市郊外の「地方空港」ですが、あるいは、近隣諸国からの便は就航している可能性もあります。その辺は、シナリオの事情を加味して各GMが勘案してください。
- 【参照地図】
Airport DEIR ZZOR(Directory of Airports in Syria,World Index)
別称類
- 日本語別表記=デリゾール、ダイルアッザウル、ディレゾール、デイル・エ・ゾール、他
主要国の言語
- アラビア語名(音写)=Deir ez-Zor(デール・エ-ッゾール)
- フランス語名=Der Zor(デール・ゾール)
- 英語名=Deir ez-Zor
- スペイン語名=(調査中)
- ロシア語表記=Дейр-эз-Зор
- 中国語表記=(調査中)
その他
- アルメニア語名=Der Zor(デール・ゾール)
活用や検討
活用
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Hiki::PluginException (not plugin method): inline plugin重要な改訂の情報
- 内容に追加、変更があった場合のみ、でいいでしょう。
(誤字脱字の訂正や、文章を整える程度では記録不要) - 追加調査の内容を反映させ、詳しくしました。「デーレッゾール市郊外に空港がある」「有名な『ユーフラテスの橋』は、歩行者と2輪車専用」この辺が、重要な改訂になっています。(2006年5月16日)
- 「アルメニア人ジェノサイド問題」に関する記述の間違いを正しました。(2006年5月19日)
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Hiki::PluginException (not plugin method): inline plugin検討
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Hiki::PluginException (not plugin method): inline plugin
キーワード:
参照:[シリア=アラブ共和国] [ホムス,シリアの〜] [マリの遺跡] [シリア=アラブ共和国の諸地域] [ユーフラテス川]