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コミの原生林

コミの原生林 コミのげんせいりん

PCが予め知ってていい情報

 「コミの原生林」は、ロシア連邦の構成国であるコミ共和国?東部に位置する、ユネスコ世界遺産の自然遺産(1995年登録)。ウラル山脈北西のペチョラ川の水系流域に広がる。

 ヨーロッパ・ロシアの東部で、現在、ヨーロッパ地域、最東端の世界遺産。

追加情報

小辞典版推奨判定
「情報+知性 目標値10」基本
やや詳しい情報 コミ共和国の東部で、面積3万2千800平方kmを占め、同国領域の13%弱にあたる広さ。U.K.(連合王国)?本土の13%強、(日本国の国土面積の9%弱)という広大な自然保護区。
 コミ共和国の平均人口密度は、1平方kmあたりに3人弱。コミの原生林もまったくの無人ではなく、製材所やパルプ工場も散在するが。平均人口密度は、共和国平均よりさらに低い。
 コミ共和国は、2000年以降施行されているロシア連邦の管区制で、北西連邦管区(本部サンクトペテルブルク)に編入されている。

小辞典版推奨判定
「生存+知性 目標値10」基本
やや詳しい情報 ウラル山脈北西斜面ではツンドラが、麓一帯には黒タイガ?の原生林が広がる。ペチョラ川?水系の流水で常に冠水状態にある。保水性の高い泥炭質の土壌もあいまって、沼沢地が多い。
 北部は、夏季の2ヵ月ほどだけ地表面の氷結が溶融する永久凍土地帯でもある。屋外で宿営する場合は生存判定が必要。ヒグマ、オオカミ、オオヤマネコなどを含めた野生動物も棲息。

【参考】

シナリオ・メイク用参考情報

用途

 ユネスコ世界遺産ですが、広大な自然保護区で、平均人口密度も低い。

 実質上は、ほぼ無人に近い地域で、冒険やアクションの舞台にはうってつけです。

 残念なことに、近傍には有名な遺跡は、古代遺跡も石器時代遺跡も見当たりません。

 おそらく、現在知られる重要遺跡で最も近いものは、ウラル山脈の南東部で発掘されたB.C.2500年頃のものとされているアンドロノヴォ文化?に属す墳墓群、と思われます。

 そうは、言ってもブルーローズですから、UFOが飛んできてもいいですし。極北人(ポラリア人)の秘密が遺っていても構いません。

 UMA(未確認生物)絡みのシナリオにもいいでしょう。

 204種の鳥類、43種の哺乳類、16種の魚類の棲息が確認されている。

 自然保護区に指定される前は、ヒグマ、ヘラジカ、テンなどの毛皮を目的にした狩猟がなされていた。

 タイリクオオカミ、ユーラシアカワウソ、クズリの緊急種と、絶滅危惧種であるオオヤマネコの保護対策に取り組まれている。

 古くから林業も盛んだったが、森林伐採の結果の土壌侵食も回避する意図で、自然保護区が設定されたと目される。

主なシナリオ用途
  • UMA絡みのミッション
  • 未知の遺跡の予備調査ミッション
  • 謎めいた古代文書の真相を探る探索ミッション
  • 行方不明になった調査員NPCの探索、救出ミッション
  • オーパーツを確保したキャラ(陰謀組織など)のチェイスの舞台として
登場しても唐突でないNPC
 現地林業者、自然保護管理官、現地人案内人(元狩人など)、生物学者、環境学者、アウトドア専門の写真家や著述家
遺跡スポット
 近傍では特に知られていない

補足

 ウラル山脈及びウラル川は、地理学的な意味でのヨーロッパアジアとの境界とされています。

 「ブルーローズ」のシナリオ・メイクをする人は、この手のことを覚えていくと、何かと便利です。

 超古代から中世遺跡までをフォローするときには、時代による変動も大きな社会-歴史的な地理区分より、地理学的な地理区分をベースにしてった方が、いろいろな情報を把握し易いからです。

 シナリオによっては、プレイヤーの人にも、予め、コミの原生林は、「地理学的ヨーロッパの最東辺に位置」と、呑み込んで貰っておいても、いいかもしれません。

 仮に、違和感は残るとしても、知識として知ってるだけでも、ワールド・ワイドに活躍するプロの調査員っぽいではないですか。

地勢

 ウラル山脈北西麓の斜面から平地部に続く。

 斜面はツンドラ、山麓には黒タイガの原生林が広がる。タイガ林の内は、ペチョラ川の水系が流れ、沼沢地帯が多い。

 北部は永久凍土地帯で、夏の間2ヵ月ほどだけ、地表が溶融する。(が、地中では氷結が溶融しないので「永久凍土」と呼ばれる)

  • もし、プレイヤーの内に『聖闘士 星矢☆』のファンの人(コミック版でもアニメ版でも)がいたら、冒険に入る前に、次のことはよく飲み込んでおいてもらった方がいいでしょう。
    • 永久凍土とは、地表が氷床に覆われていたりはしない。地中の水分が凍結して、一面に掘削が困難になっていることはあっても、氷床ではない。
    • 永久凍土地帯にも、植生も繁茂する地域もあれば野生動物が棲息する地域もある。

交通路

 サンクトペテルブルク?に通じる鉄道路が、コミ共和国の工業都市ウフタ?を経由して、南西〜東北方向に自然保護区の北方を走りつつ、採炭都市ペチョラ?、ヴォルクタ?に至る。

  • ペチョラやヴォルクタは、採炭都市と言っても、平地にて泥炭土壌から石炭が採掘されています。日本人がイメージしがちな、山地の鉱山とは、異なります。

 基本的な移動ルートとしては、次のようなものが想定される。

 まずは、モスクワ?かサンクトペテルブルクへ。

 鉄路で、ペチョラ(人口6万5千人,1993)へ。ペチョラを設営基地として利用しつつ、ペチョラ川沿いに自動車、または河川用船舶で行けるところまで。

 「行けるところまで」とは、どの辺までかは、とりあえず、地図を見て、リアル・ワールドと、シナリオの都合との落とし所を、GMごとに検討して下さい。

 イメージとしては、森林の内に開けた、製材工場――、社会主義時代のやや大きな工場で、宿舎も近接までは、自動車や船舶で到達できる、としておくと、背景との関係でもっともらしいでしょう。

 未確認なのでフィクション設定としますが、自然保護区の手前で自動車は使用不能、発動機付き船舶も使用不可になる、とするとより冒険らしくなるでしょう。

 PCたちには、原生林に徒歩か、手こぎゴム・ボート、カヌーの類で分け入ってもらいましょう。

 あるいは、ヘリコプター類で、上空からパラシュート降下。PCが、原生林の樹木にひっかっかたり、沼沢地にはまったりしないか、判定に挑んでもらいましょう。

 投下される装備、調査機器類は、さすがに沼沢地にはまっても大丈夫なように、荷造りされてると考えます。

 カロンを呼ぶとどうなるか? 考え方はいろいろあると思いますが、ここでは、大型輸送ヘリで飛来、上空で滞空してくれる、との解決法を提示しておきます。

 「いくら緊急でもな、自然保護区に大型機で着地するわけにはいかねーんだよ。お前らも《ブルーローズ》だろ、上がってこい!」

 カロンとの邂逅地点に到達した時点で、最後の段階処理としてもいいでしょう。(用意だけしといて、セッション状況をみて省略してもいいでしょうし)

【参考】

トピック:コミ共和国にとって、自然保護区とは何か?

 旧ソ連の自治共和国は、形式的な国家で、実態は民族自治区と変わらない、という意見をよく目にします。

 しかし、一方で、現在でも多くの民族自治区が自治共和国への昇格を求め、様々な政治的努力に勤めているのも事実のようです。

 社会体制の違う国で暮らす人間には、容易に察すことのできない事情があるのでしょう。

 さて、ウラル山脈、及びその近傍は、地下資源が豊富です。

 特に、中、南部では、石油、石炭、鉄、銅、ニッケル、などが採掘されています。

 ウラル山脈北西域で自然保護区に指定された域内にも、まだ、地下資源の埋蔵はあるやもしれません。

 コミの原生林の自然保護区設定、ユネスコ世界遺産への登録については、おそらく地元コミ共和国でも複雑なものが伏流しているだろうことは想像に難くありません。

 採炭主体という産業体制は、旧ソ連時代の計画経済という国家政策により構築されたものです。現在の状況で、地域の経済的発展を求めるなら、産業構造の改革が必要なはずですが、コミの原生林の自然保護区設定は、中〜短期的には、こうした方面での足枷になるとしか思えません。

 また、現地で狩猟で生計をたてていたコミ人?の間に不満があるだろうことも想像に難くありません。

 もちろん、森林資源の保全は必要でしょう。

 しかし、その為に、地域が経済競争にハンディを強いられることも確かと思われます。持続可能な資源利用体制の確立は、特に、旧ソ連では決してた易いものではありません。

 こうした背景事情は、必ずしもシナリオに取り込まねばならないものではありません。

 しかし、お気楽なばかりの一面的な自然礼賛は、できればセレスティアル・ゲートにでも任せたいところです。

 もし、こうしたシームレス・ワールドの事情を描写するのが億劫だったり、セッション・メンバーの趣味嗜好に合わない場合は、高速移動などの手法を駆使して、冒険舞台としてのコミ原生林のみに焦点を充てていくといいでしょう。

 ペチョラ市などは、ブレイク中に通り過ぎるようにして、現地人NPCも出さなければ、シームレス・ワールドのリアリティを損ねずに、冒険を楽しむことができます。

【参考】

活用や検討

活用

検討

  • 検討の項は記名記入を推奨(無記名記入は書き換えられても仕方なし、ってことで)

更新日時:2005/12/26 09:42:51
キーワード:
参照:[ウラル山脈] [ユネスコ世界遺産]
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