ランス・オ・メドゥズ国定史跡(カナダ)
- ランス・オ・メドゥズ国定史跡(カナダ) ランス・オ・メドゥズこくてい しせき (L'Anse aux Meadows National Historic Site) 簡易版
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- L'Anse aux Meadows National Historic Site
- フランス語表記
- Lieu historique national de L’Anse aux Meadows
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「ランス・オ・メドゥズ国定史跡(L'Anse aux Meadows National Historic Site)」は、ニューファンドランド島の北西部にあるカナダの国定史跡。11世紀頃の住居址を中心にした遺跡が、管理保存されている。
グリーンランドを除いた北アメリカで、現在のところ確認されている唯一のノース人?入植地跡。1978年以降、ユネスコの世界遺産に文化遺産として登録されている。
ノース人が伝えた『グリーンランド人のサガ?』『赤毛のエイリークのサガ?』の物語に関係した入植地の遺跡と、考えられている。
ニューファンドランド島北西部の大きな半島グレート・ノーザン半島の北端部で沿岸に位置している。「ランス・オ・メドゥズ(L'Anse aux Meduses)」は、フランス語で「クラゲの小湾」を意味している。
- 【参照地図】
- ランス・オ・メドゥズ国定史跡所在地(Wikimedia Commons)
- 【参照イメージ】
- ランス・オ・メドゥズ国定史跡の位置(Wikimedia Commons)
(衛星イメージの上に“Norse Settlement”と記されているのが、史跡の位置) - ランス・オ・メドゥズ国定史跡景観(Wikimedia Commons)
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ランス・オ・メドゥズの遺跡は、ノルウェー人の探検家と考古学者によって、1960年に発見された。1960年〜68年と、1973年〜76年に発掘調査がなされ、出土遺物から、ノース人入植者の遺跡で、西暦1000年頃の入植地跡、と結論付けられた。
1960年代の調査は、発見者の1人アン・スタイン・イングスタッド?を団長にした国際調査団によるもの。1970年代の調査は、カナダの国立公園局?が主催したものだった。
遺跡地帯には、8つの建物の跡が確認されていて、鍛冶場、溶鉱炉、製材所なども確認されている。最大の建造物は、縦28.8m、横15.6mの床面積があり、複数の部屋からなっていたようだ。
現在、遺跡地帯は、カナダの国立公園局の管理下にある。グロス・モーン国立公園から、「ヴァイキング・トレイル」と呼ばれるハイキング・コースが続いている。
幾つかの建物が復元されたエリアが、一般客向けには入場料有料で、朝9時〜夕方6時の間、公開されている。
遺跡地帯からは、出土遺物からノース人のものと判断されている住居址の他に、それ以前の先住民の生活痕跡も、5タイプか6タイプ、異なる文化集団に属すものが確認されている。
こちらの内、最古のものは、現在から6千年ほど遡る時代のものだ。最も明瞭に確認されているのは、ノース人の入植時期から200年ほど遡る時期の生活痕跡で、ドーセット文化?に属すもの、とみなされている。
西暦1000年頃の遺跡と鑑定されているランス・オ・メドゥズの住居址は、普通、ノース人の歴史物語、『グリーンランド人のサガ?』や『赤毛のエイリークのサガ?』で語られた、レイフ・エリクソン?らの宿営拠点か、あるいは、レイフ・エリクソンの異母姉妹であるフレイディス・エイリークスドティール?らの宿営地、ではないか、と言われることが多い。
ただ、住居址が居住地、あるいは、宿営地として用いられていたのは、長くて3年ほどだった。サガの物語で伝えられる入植地は、短くても10年ほど営まれたように伝えられている。ランス・オ・メドゥズの住居址自体は入植地ではなく、中継地か宿営地だったとする説もよく聞かれる。
考古学的研究と伝承研究をつき合わせる分析では、住居は、入植者と先住民との関係悪化の結果、放棄された、とみられている。
厳密には、サガに語られた入植地とランス・オ・メドゥズの関連については確認されていない。サガに伝えられなかった別グループの入植地だった可能性もあるが、ノース人の入植地であることは確かだ。
サガが伝える物語によれば、986年、ビャルニ・ヘルヨルフソン?はアイスランドからグリーンランドに渡る航海の途中、嵐に襲われた。グリーンランドを探しつつ西へ向かったところ、偶然森に覆われた陸地を見たという。10年後、この話を聴いたレイフ・エリクソンは、ビャルニの船を使い、35人の仲間とともにその土地へ向け出航。「葡萄と鮭が豊富で、冬でも霜の降りない土地」に着き、「ヴィンランド?」と命名。多くの材木をグリーンランドに持ち帰った。
10世紀から11世紀のグリーンランドやニューファンドランド島の気候は、現在よりも温暖だったとみられているので、サガの物語も一概に荒唐無稽とは言えない。ただ、「ヴィンランド」自体は、もっと南方の土地で「ランス・オ・メドゥズは、中継地点だった」との意見も根強い。
1010年頃トルフィン・カールセフニ?らのグループが、ヴィンランドに入植を試みた。トルフィンに率いられた135人の男と15人の女はヴィンランドへ渡り、レイフの使った宿営地を入植地にした。この入植団の内に、赤毛のエイリークの私生児、フレイディス・エイリークスドティールもいた。
彼らは、北米先住民と思われるスクレリング?と交易したがやがて対立。グリーンランドへ撤退した。「スクレリング」は、後のベオスック族?の先祖にあたる集団だった、とみられている。
再整理すると、ランス・オ・メドゥズの住居址は、可能性としては次のようなものだったとの説が唱えられている。
- レイフ・エリクソンらが最初に宿営し、後にトルフィン・カールセフニらが入植した跡。
- トルフィン・カールセフニらが、先住民たちに追われ移転した入植地。
- その他、サガには伝えられていないグループの宿営地。
「その他」の可能性としては、ランス・オ・メドゥズが、「グリーンランドと、ニューファンドランド島よりさらに南方(ヴィンランド)との中継地だった」可能性や、「グリーンランドに住んでいたノース人たちの越冬地だった」可能性も唱えられている。
放棄の理由についても、入植者と先住民の対立を主流説に、急変した悪天候を放棄理由に挙げている説もある。
北米先住民のアルゴギン族?の伝承には「毛皮と金属をたくさん持った金髪の人々の国」サグネ王国の物語が伝えられている。一説に、サグネ王国伝承のイメージ・ソースを、ランス・オ・メドゥズのノース人とする説もある。
GM向け参考情報
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「増補待ち」。
別称類
主要国の言語
- 英語表記=L'Anse aux Meadows National Historic Site
- フランス語表記=Lieu historique national de L’Anse aux Meadows
- スペイン語名=Sitio Hist?rico Nacional de L'Anse aux Meadows
- ロシア語表記=Национальный исторический парк Л’Анс-о-Медоус
- アラビア語名=(調査中)
- 中文表記=維京人在蘭塞奧茲牧草地殖民的遺址(蘭塞奧茲牧草地)
リンク
関連項目
- アイスランド
- 『赤毛のエイリークのサガ?』
- アルゴギン族?
- アン・スタイン・イングスタッド?
- 遺跡
- ヴィンランド?
- カナダ
- 北アメリカ
- グリーンランド(島)
- 『グリーンランド人のサガ?』
- グレート・ノーザン半島,ニューファンドランド島の〜
- グロス・モーン国立公園(カナダ)
- 国立公園局,カナダの〜?
- スクレリング?
- ドーセット文化?
- トルフィン・カールセフニ?
- ニューファンドランド島
- ノース人?
- ビャルニ・ヘルヨルフソン?
- フレイディス・エイリークスドティール?
- ベオスック族?
- ユネスコ
- ユネスコ世界遺産
- レイフ・エリクソン?
資料リンク
- Wikipedia英語版:L'Anse aux Meadows
Wikipedia英語版:Category:History of Newfoundland and Labrador
Wikipedia英語版:Category:World Heritage Sites in Canada
Wikipedia英語版:Category:Archaeological sites in Canada - Wikimedia Commons:Category:L'Anse aux Meadows
ランス・オ・メドゥズ国定史跡関連のファイル集アーガイブ。 - L'Anse aux Meadows National Historic Site of Canada(Parks Canada)
- L’Anse aux Meadows National Historic Site(World Heritage Center,UNESCO.org)
活用や検討
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キーワード:
参照:[小辞典ワールド編] [グレート・ノーザン半島,ニューファンドランド島の〜] [大西洋のランド・マーク] [ニューファンドランド島] [遺跡] [北アメリカ州のランド・マーク] [国立公園、自然保護区など] [ユネスコ世界遺産]