ネアンデルタール人
- ネアンデルタール人 ネアンデルタールじん (Neandertal) 簡易版
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「ネアンデルタール人(Neandertal)」は、化石人類の1種で、およそ20万年ほど前から、およそ3万5千年前まで生存していた、とされることが多い。
大きく「前期ネアンデルタール」と「後期ネアンデルタール」とに大別される。
骨格、文化などについてかなり詳しく分かっているのは、後期ネアンデルタールの方で、単に「ネアンデルタール」と言って、後期ネアンデルタールを意味することは多い。
後期ネアンデルタールは、普通、10万年前頃から、3万5千年前頃にかけて、生存していた、とされている。
少なくとも後期ネアンデルタールは、打製石器の作製技術を持ち、火を利用していた。
現生人類とさほど違わない複雑さの言語を用いた肉体的特長を有していた。ネアンデルタールの言語能力については、研究史の古い時代に「断片的な遺骨から、現生人類より粗雑な言語を使う能力しかなかった」と説かれたこともあるが、現在はこの説は、大筋のところ否認されている。
また、死者を埋葬する習慣ももっていたとも考えられている。
現生人類?とは近縁で、古くは直系の祖と考えられていた時期もある。この時期には「旧人」とも呼ばれた。
「ネアンデルタール(Neandertal)」が略名で、学名は「ホモ・ネアンデルターレンシス(Homo neanderthalensis)」。
「ホモ・ネアンデルターレンシス(Homo neanderthalensis)」は、初期から後期までのネアンデルタール系人類を包括して指し、総称のように用いられることが、少なくない。
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1980年代頃から、アジア地域での標本採取や、古い時代のネアンデルタール系人類の研究も進んだ。
現在では、典型的な、後期ネアンデルタール人は、10万年前頃から、3万5千年前頃にかけて、ヨーロッパから西アジアに渡り、まれに内陸アジア方面に広がっていたことが知られている。彼らが、アフリカ地域に進出していたかはどうかは、解明されていない。
ネアンデルタール人類の位置づけについては、現在は「55万年頃から69万年前頃の間に、現世人類に至る系統から分化した別系統で、現生人類とのつながりは無い」という説が主流になっている。
しかし、一部では「後期ネアンデルタール人は、かつてヨーロッパに生息した石器人の直接の祖」という説も根強い。この説は「ヨーロッパで旧石器文化を中石器文化に発展させたクロマニョン人系統の集団に駆逐された」とする説との間で、幾つかの中間的な説も唱えられている。
「ネアンデルタール人」命名のきっかけとなった化石は、1856年、ドイツのデュッセルドルフ?郊外に位置するネアンデル谷(Neanderthal)で発掘された。石灰岩の採掘作業中、谷にあったフェルトホッファー洞窟から、採掘作業員によって採取された。
実は、ネアンデルタール人の遺骨は、それ以前にも発見されていたのだが、進化というコンセプトが充分受け入れられていなかった時代、「くる病の古代人の遺骨」「奇形の古代人の遺骨」などと考えられ、化石人類という認知はなされなかった。1856年発見の化石についても、「くる病にかかった古代人の遺骨」とする学説は唱えられた。
こうした研究史承前のような時期に発掘された遺骨には、1830年にベルギーのエンギスから発見された子供の頭骨や、1848年にスペインのジブラルタルから発見された女性頭骨などが知られている。
ネアンデル谷で1856年に発見された遺骨は、顔面の一部や、四肢の一部は欠けていたが状態は良好で、高さの低い脳頭骨や発達した眼窩上隆起などの特徴が見て取れた。
この化石は地元の教員C.フールロットによって研究された。「ホモ・ネアンデルターレンシス」の学名を与えたのはU.K.(連合王国)のW.キングだった。
一方、くる病や痛風にかかって変形した古代人の骨格とする説は、当初主流だった。古人類説と、疾病による変形説との論争は、60年近く続けられた。
しかし、同じような特徴を有す人骨化石がヨーロッパ各地で発見され、19世紀末から20世紀初頭には、「化石人類」というコンセプトと、「ネアンデルタール人類は化石人類の1種」とする理解とが、広く認知されるようになった。
全身に近い、より完璧な遺骨が発見されるにつれ、化石の形質的特長は、疾病による変形とはみなせなくなったためだ。
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後期ネアンデルタール人の形質を現生人類と比較すると、より寒冷適応が進んでいた、と考えられている。
平均的な脳容量は、現生人類より大きかった。成人男性の平均が1600立方cmほど。(現生人類では、成人男性の平均は1450立方cm)。
頭蓋骨の形状は現生人類と異なり、比較すると上下につぶれたように、前後が現生人類より長いプロポーションをしていた。額が後方に向かって傾斜していたこと、後頭部に膨らみを有していたことも特徴。
顔面が大きく、上顔部が前方に突出しているる。鼻は鼻根部、先端部共に高くかつ幅広い。大きく頑丈な下顎を持つ。また、眉にあたる部分が張り出し、眼窩上隆起をなしている。この眼窩上隆起は、後期ネアンデルタールが生存していた氷河時代?の寒冷気候に適応した結果、と考えられている。
成人男性の平均身長は165cmほど、体重は80kg以上と推定されている。骨格は頑丈で骨格筋も発達していた。
四肢は、胴体に比べて短めのプロポーション。つまり「胴長短脚」の体型が通常。また、胴から遠い部位、つまり前腕、脛の方がより短かった。こうした体型も寒冷適応の結果と考えれている。
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【参照イメージ】
アイディア・フック
2006年、ドイツのマックス・プランク進化人類学研究所は、ネアンデルタール人のヒト・ゲノム復元に着手する計画を公表した。あるいは、この復元によって、ネアンデルタール人の系統についての議論に、新局面がもたらされるかもしれない。
「後期ネアンデルタール人は、ヨーロッパ地域で2万4千年前頃まで生存していた」とする説が発表された。もし、この説が正しければ、現生人類と長期に渡り同時代を生きたことになる。
活用や検討
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- 2006-09-27 (水) 20:03:52 鍼原神無 : 大幅に増補しました。最初の投稿にあった情報は、すべて継承しましたが、情報の位置づけを調整した内容があります。
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参照:[ムラデッチの化石人] [ドルドーニュ川] [アイデア・フック] [エジプト誌] [ヨーロッパ州のランド・マーク] [ホモ・ネアンデルターレンシス] [ケバラ洞窟] [アーティファクツやオーパーツ・ソース] [遺跡] [化石人類]