ペルシアン・アゼルバイジャン
- ペルシアン・アゼルバイジャン (Persian Azarbaijan) 簡易版
- 簡易版です。気づいたとこの増補、改訂、優先に大歓迎。
- PCが予め知ってていい情報
- やや詳しい情報
- さらに詳しい情報
- GM向け参考情報
- リンク
- 活用や検討
PCが予め知ってていい情報
- 「判定処理なしに、PCが知ってることにしていい」情報とします。
「ペルシアン・アゼルバイジャン」、又は「イラニアン・アゼルバイジャン」は、イラン高原縁辺山地の北西の一画を指す地域名。
概ね現イラン領の、東アゼルバイジャン州?と西アゼルバイジャン州?とが隣接している辺りと思っても遠くはない。実際、「両州を併せた地域」の意味で用いる人もいる。
しかし、本来は現在の地理範囲と言うよりも、むしろ「かつてアゼリー人が主流だった地域」を漠然と指す歴史的な地域名、と考えた方が理解し易い。
当然のように、現在のイラン政府は、公用を好まない(まだ、「ペルシアン・アゼルバイジャン」の方が「イラニアン・アゼルバイジャン」よりもまし程度)。歴史学、民族学でも、用語としては、ほとんど用いられない。地理学や政治学でもあまり用いられないし、用いられた場合、何か特別な主張が込められている可能性もある。
よく似た地域概念で、さらに強く政治的主張が込められがちなものに「南アゼルバイジャン」がある。こちらは、イラン国内のアゼリー人分離独立派や、アゼルバイジャン共和国の民族主義者がよく用いる。イラン政府は、その妥当性について、もちろん認めていない。アゼルバイジャン共和国の政府関係者も、少なくとも表立っては「南アゼルバイジャン」という言葉は使わない。
【参照地図】
やや詳しい情報
- 「簡単な判定に成功すればわかる情報」とします。
イラン国内のアゼリー人は、ペルシアン・アゼルバイジャンの地域にかなりの集住が見られる。
彼らは、イラン国民のおよそ35%ほどと目されるチュルク系のエスニック・グループで、国民の45%ほどとされるペルシア系イラン人についで、第2位の規模のエスニック・グループ?になっている。
一説に現在でも親族、及び、部族的つながりを重んじているペルシア系イラン人と比べれば、農耕化して久しいアゼリー人は、部族関係よりも地縁関係を重んじる傾向がある、と言われる。
チュルク系遊牧民の間から、16世紀過ぎ頃から分化したアゼリー人は、16世紀末頃より、イラン高原北西部から南カフカス地方?に展開。16世紀末頃、サファヴィー朝ペルシア?が、オスマン=トルコ帝国?から、南カフカス地方を奪取したためだ。
その後、アゼリー人は、現在のアゼルバイジャン領を中心に、農耕を導入、農耕を主に牧畜を組み合わせた文化に移行し、ペルシアン・アゼルバイジャンや、現在のアゼルバイジャン領?で定住化していった。
さらに後、カフカス地方の争奪戦に帝政ロシア?が参入。19世紀前半に、アラス川以北が、カジャール朝ペルシア?からロシア帝国に割譲された。概ね現アゼルバイジャン領にあたるこの地域では、アゼリー人の民族的な結束がロシア統治下で高まり、1918年、10月革命?の前後に「アゼルバイジャン民主共和国」が樹立されたが、赤軍の侵攻で政権は倒壊。1920年に、地域のソヴィエト政権が成立した。
「ペルシアン・アゼルバイジャン」、「イラニアン・アゼルバイジャン」にしろ、「南アゼルバイジャン」にしろ、19世紀、ロシア帝国支配下の現アゼルバイジャン側で、アゼリー人の民族主義が高まる内で言われはじめた地域概念だ。
特に「ペルシアン・アゼルバイジャン」は、しばしば「アゼリー人故地」といったニュアンスを込めて用いられることがある。
「ペルシアン・アゼルバイジャン」、などが言われるまでは、伝統的に地域は「アルメニア山地」の一部とみなされ、地域でもそのように呼ばれていた。(「アルメニア山地」は現在では、用いられる機会が減ってきていて、半ば歴史的地域名になりつつあるが、歴史研究では用いられることが珍しくない。地理学でも用いられることはある)
なお、歴史的なアルメニア山地は、何もアゼリー人たちだけが占有していたわけではない。ペルシアン・アゼルバイジャンに限っても、クルディスタンの領域とは重なり合い、交じり合っていた、と見た方がむしろ過去の実態に近い。これも、歴史研究で「ペルシアン・アゼルバイジャン」などの言葉の使用が避けられる理由であり、民族研究でも、用語としては用いられない理由になっている。
活用や検討
活用
重要な改訂の情報
- 内容に追加、変更があった場合のみ、でいいでしょう。
(誤字脱字の訂正や、文章を整える程度では記録不要)
検討
- このページの記事内容についての質問、重要な疑問、改訂の要望など
- 検討の項は記名記入を推奨(無記名記入は、随時書換え対象になりえます)
キーワード:
参照:[クルディスタン共和国] [ランド・マーク] [ウルミエ湖] [イラニアン・アゼルバイジャン] [ペルシアン・クルディスタン] [アジア州のランド・マーク]