スコルピオン・キング
追加情報
- 小辞典版推奨判定
- 「歴史+知性 目標値10〜12」
- やや詳しい情報 スコルピオン・キングについての主要な説には、次のようなものがある。
- 「スコルピオン・キングは、先王朝時代に実在した人物。上エジプト出身で、初めて上下エジプトを統一したファラオ?だ」
- 「スコルピオン・キングは、先王朝時代に実在した人物。上エジプトのみを統一した支配者でファラオではない」
- 「スコルピオン・キングは、先王朝時代に実在した人物。上エジプトのみを統一した支配者でファラオではないが、2人の人物(1世と2世)がいた」
- 「スコルピオンは、先王朝時代に実在した人物。上エジプトの統一をナルメルと競った有力者で、上エジプトに複数あった地域連合の1つのリーダーだった。(キングだったかどうかは判断保留。おそらく、ネケン?を中心にした地域連合のリーダーだったろう)」
- 「スコルピオンは、先王朝時代に実在した人物。ネケンかネケンを中心にした地域支配者の1人にすぎず、ナルメルのライバルとすら言えるかどうかは不明、キングだったかの判断は保留」
- 「スコルピオンは、何かの理由でナルメルが使った別称にすぎない」
- 「スコルピオンは、何かの理由でメネスが使った別称にすぎない」
- 「スコルピオンのマークは、先王朝時代の上エジプトで用いられていた何らかの身分を表し、特定の個人を指すわけではない」
- 小辞典版推奨判定
- 「歴史+知性 目標値12〜14」「言語+知性 目標値14以上」「魔術+知性 目標値14以上」
- 詳しい情報 「スコルピオン」の呼称の元に成った蠍形の神聖文字は、古代エジプト語で「セルケト」または「サーリク」と読み、“Strangler(絞殺者)”を意味した。
- メイスヘッド?のスコルピオンは、あるいはセルケト女神?に関連したマークとして用いられたのかもしれない。この場合は、毒の害からの治療者も含意されることになるだろう。
- 小辞典版推奨判定
- 「歴史+知性 目標値14以上」
- 専門的知識 「スコルピオン」の神聖文字は、文字と言うより、何かのシンボル、又はマークと思われる用法で、メイスヘッドの他、ヒエラコンポリスの神殿遺跡から複数発見されている。このことから、スコルピオン・キングが実在したとしたらネケン?と関係した人物だっただろう、との説が唱えられている。
- 一方、「スコルピオン」マークと政治的支配者とを関連付ける遺物は、現在までのところスコルピオン・メイスヘッド?以外に知られていない。
- スコルピオン・メイスヘッドでは、一連の浮き彫り図像の内に、上エジプトの支配者であることを示す白冠を被り、弓を携えた人物が大きく描かれている。このことから、「スコルピオン・キングは上エジプトの支配者で、上下エジプトを統一したナルメル以前の人物」と言う説と、「ナルメルが上下エジプトを統一支配する前に、上エジプトのみを支配していた時期の称号」と言う説とが唱えらている。
- しかし、第1王朝時代の初期のファラオたちは、後代ホルス名として定式化された王名をセレク?と呼ばれる飾り囲みに刻んでいたが、現在知られているスコルピオンのマークには、囲みで飾られたものは見当たらない。このことから、「スコルピオンなる人物が実在していたとしても、ファラオではなかった」との説が唱えられている。
- 近年、アビュドスにある第1王朝?の墓所から、新たにスコルピオンのマークの使用例が発見された。これらのマークは、墓所内の奉納品庫に納められていた壷の封印として刻印されていたマークの内に見られる(スコルピオン・マークだけでなく、複数種類のマークが封印用に用いられていた)。
- このことから、「スコルピオンのマークは、王権と無関係ではないが、特定の個人を示すのではなく、王やファラオとは異なる何らかの身分を示すマークだ」との説が唱えらている。しかし、この説は「スコルピオン・メイスヘッドの持ち主は何者だったのか? との、本来の疑問の手がかりにはなっても、直接の回答ではない」と言われている。
関連項目
- スコルピオン・メイスヘッド?
- ヒエラコンポリスの遺跡
キーワード:
参照:[ハトホル女神] [スコルピオンのメイス・ヘッド] [ナルメル] [メネス] [神話、伝説のキャラクター] [歴史上の実在人物]