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セミラミス

セミラミス (Semiramis) 簡易版

簡易版です。気づいたとこの増補、改訂、優先に大歓迎。

PCが予め知ってていい情報

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 セミラミスは、古代メソポタミア?の伝説上のキャラクターで、実在した人物ではない、とされている。

 グレコ・ローマンの古典古代?以来、ヘレネス?や古代ローマ人?たちは、セミラミスを過去に実在した人物と信じていた。いわゆるヘレニズム期?以降、セミラミスは「全アジアを支配した(ことがある)伝説的な女帝だった」と、信じられた。この場合、「全アジア」とは、「エジプトを除いたオリエント」くらいのイメージだっただろう。

 こうしたセミラミス伝承は、長い間、ヨーロッパの文化エリートの常識であり、歴史書や文芸を通じて、一般にも知られていた。考古学が発展し、古代メソポタミアの研究が進んだ結果、20世紀には、セミラミスは伝説上のキャラクターで、実在した人物ではない、とみなされるようになった。

 一方、西アジアでは、アラブ人やアルメニア人などの間に、神話的になったセミラミスの物語が伝えられた。西アジアの幾つかの場所に、セミラミスを祀った祀堂などが遺っている。

【参照イメージ】

  • セミラミス
    (18世紀のヨーロッパ人がイメージした「古代アルメニアのアマゾネス女王、セミラミス」,Wikimedia Commons

やや詳しい情報

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 歴史伝承では、「セミラミスは、ニネヴェを創建したアラブ人の王ニヌスの妃となった」と、語られた。ニヌス王も伝説上のキャラクターで、ヘレニスト・ユダヤ人(ギリシア語を母語にしたユダヤ系の古代人)たちによって記された歴史伝承で伝えられている。

 伝承のある異伝は、「ニヌス王は、セミラミスの仇であり、ニヌス王が、全アジアを征服した直後に、セミラミスが毒殺して仇を討った」と、語っている。

 多くのセミラミス伝承では、セミラミスはニヌス王との息子ニニュアスを産んだ、とされる。セミラミスがニヌス王を毒殺したプロットの物語では、「ニニュアスが、セミラミスに謀反を企て、セミラミスは鳩に変身すると天界に去った」と、語られている。


 後世、よく知られたセミラミス物語は、紀元前1世紀頃から紀元後4世紀頃にかけて、グレコ・ローマンの古代歴史家が著した歴史書に記されたものが、原形になった。

 現在では、古代の歴史家が準拠したソースは、ベロッソスが紀元前3世紀初めに著した『メソポタミア誌』だったかもしれない、と目されている。『メソポタミア誌』原典は、まとまった型で伝わっていないが、古代文書に引用された断片には、セミラミスのことが、「人魚のような姿のシリア?の女神デルケトー?と、人間の男アスカロンとの間に産まれた娘だった」とする伝承が見られる。

 「アスカロンは、産まれたばかりの娘を棄て、セミラミスは鳩に育てられた」と、伝承は続く。

 ベロッソスの『メソポタミア誌』は、セミラミス伝承を記した書物の内、現在、遡れる最古のものと思われる。

 時として、「セミラミス伝承はベロッソスの創作だった」と唱えられることがあるが、これは違うはずだ。なぜなら、ベロッソスに先立ってヘロドトスも「バビロンの門(イシュタル門)は、セミラミスの建造」との伝承を記しているからだ。

 つまり、『メソポタミア誌』は、「セミラミスの生涯の物語」を記した古代文書の内、現在、辿れる最古の文書である可能性が大、ということだ。ベロッソス以前にも、西アジアでセミラミス伝承が語られていたことは確からしい。もちろん、当時語られていたセミラミス伝承が、ベロッソスが纏めたような物語であったかどうかは、別問題だし定かではない

 紀元前後に活動したユダヤ人歴史家ヨセフス?は、ニヌス王をユダヤ教聖典(『旧約』)が伝えたニムロデだ、とした。この、ニヌス=ニムロデ説も、後世まで強い影響力を示し、セミラミス実在説の論拠とされた。 もちろん、ユダヤ教聖典のニムロデの物語には、セミラミスは登場しない。ニムロデ伝承と関わったセミラミス伝承は、一種の聖典外伝承になる。

 ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖典外伝承では、セミラミスは、しばしば「バビロンのセミラミス」と呼ばれる。この場合「バビロン」は、黙示文学などで語られる「悪徳の都市」のイメージであることが多い。ニムロデ王が、(ノアの箱舟の大洪水以降)歴史上最初の専制君主で暴君、とイメージされるのと対になり、「バビロンのセミラミス」は「歴史上最初に偶像崇拝を世に広めた悪の女帝」と語られることがある。

 他方、古代アルメニア系の歴史伝承でも、セミラミスは実在の人物として伝えられていた。アルメニアの古代伝承は、ニムロデ王をアルメニア開祖の遠祖としているので、ある意味当然の展開と言える。

 さらに、西アジアでは、アラブ人やペルシア人、チュルク系の民族などの間で、由来が忘れられた古代建築の遺跡の多くが、「セミラミスが建造した建物の遺跡」と伝えられた。例えば、アケメネス朝のダレイオス大帝が刻ませたベヒストゥン碑文は、長い間、セミラミスの銘文と信じられていた。バビロンのイシュタル門や、空中庭園もセミラミスの建造と、伝えられていた。

さらに詳しい情報

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 「セミラミスは伝説上のキャラクター」であることは、現在、ほとんどすべての研究者が認めている。

 しかし、「伝説のセミラミスにも、モデルとなった実在の人物がいたのではないか」との説は、現在でも唱えられることがある。

 古くからの有力説の1つは、「新アッシリア時代アッシリア王シャムシ・アダド5世の妃だったサンムラマト?がモデルだった」と、する説だ。

 この説は「『セミラミス(Semiramis)』のキャラクター名は、古典ギリシア語で伝わったもの」、と考え、「アッカド語形を推定復元すると『サムル-アマト(Sammur-amat)』だったかもしれない。これは、サムラマトのことだろう」と、する。

 さらに、「アッカド語の『サムル-アマト(Sammur-amat)』は、『海の贈り物』の意味になるので、セミラミス伝承と符合する」とも言われる。

 しかし、現在の歴史言語学が知る音韻変化では、「サムル-アマト」が古典ギリシア語で訛化しても「セミラミス」にはならない、とされ、サンムラマト・モデル説も否定されることが多くなった。むしろ、「サンムラマトをセミラミスと結びつけたいがための、語呂合わせ」と言われることが多い。

 ちなみに、サンムラマトが、アッシリアで「海の贈り物」と呼ばれたかどうかは、知られていない。

 他方、歴史言語学からの批判にはおかまいなしに、サンムラマト・モデル説や、サムル-アマト説は、さらに突飛な説の論拠にもされている。

 例えば、「真の空中庭園は、バビロンにはなく、ニネヴェにサンムラマトが作らせていた(はずだ)」といった説だ。

 あるいは、「サムル-アマトはサンムラマトのことではなく、シュメール文明を擬人化したもの」との説もある。この説は、「サムル」を古代ヘブライ語で記すと、ヘブライ語で「バビロニア地方」を意味した「シナラ(Shinar)」にあたる、という語呂合わせめいた論拠を持っている。

【参照イメージ】

  • セミラミス
    (近代アルメニアの画家 Vardkes Sureniants が19世紀末に描いたセミラミス,Wikimedia Commons

GM向け参考情報

  • GM向けの捕捉情報、マスタリング・チップス、アイディア・フックなど

その他のセミラミス

「北方のセミラミス」
 「北方のセミラミス(Semiramis of the North)」は、14世紀〜15世紀のデンマーク王国の女王マルガレーテ1世が同時代に呼ばれたニック・ネーム。
 18世紀帝政ロシアの女帝エカチェリーナ2世も、同時代に「北方のセミラミス」と呼ばれた。
584 Semiramis
 「584セミラミス」は、アステルロイド・ベルトを構成している小惑星の一つ。
プログレ・バンド
 「セミラミス」は、1970年代に活動したイタリアのバンド。レパートリーは、主に、プログレッシヴ・ロックだった。

活用や検討

活用

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更新日時:2007/01/10 07:44:33
キーワード:
参照:[小辞典ワールド編] [シャムシ・アダド5世] [アダド・ニラリ3世] [神話、伝説のキャラクター] [ベロッソス]
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