アシュート市

アラビア語名（音写）

Asyut

英語表記

Asyut

• 「判定処理なしに、PCが知ってることにしていい」情報とします。

　アシュート市は、中エジプト地方の北部の地方都市。

　県域の概ね中ほどでナイル河畔に位置。

　2008年現在、エジプト当局に「外国人単独行動禁止区域」として扱われている（と、想定）。

【参照地図】

• Egypt，Map（Egypt，Encyclopedia Britanica online）
• エジプト=アラブ共和国略地図（Egypt，Merriam-Webster Online）
  
  “Asyut”は、“Nile”流域で“Mallawi”の南方にある。

• 「簡単な判定に成功すればわかる情報」とします。

小事典版推奨判定

「情報＋知性　目標値=８〜10」「交流＋知性　目標値=10〜12」

簡単な情報　（必要に応じてゲーム前ブリーフィングやブレイクを使いGMから素でプレイヤーに伝えてもいいかもしれない）

　アシュート市は、アシュート県に11ほどある都市の１つ。およそ150万人ほどの人口を擁す。中心市街は、旧市街、新市街共に、ナイル川左岸に立地。

　地域ではかなり大きい都市で、アシュート県の行政中心地。エジプトの他県同様、大統領に任命された県知事が、中央政庁から派遣され、県を統治している。

　ミニヤー市の概ね南東にあたり、地図上の直線距離は125kmほど。マラウィの町の概ね南南東にあたり、地図上の直線距離は73kmほど。ソハーグ市の北西にあたり、地図上の直線距離は、100kmほど。

　アシュート県には、かなりの割合でコプト教徒?が居住。現在、アシュート市は、コプト教の中エジプトのセンターのようになっている。他方、民間ではイスラム教の原理主義的運動も盛ん。地域では、1990年代にイスラム信徒とコプト教徒との対立が深まり、何度か大きな衝突が騒乱に発展した。こうした騒乱が外国人単独行動制限地域設定の理由になった。

【参照地図】

• EGYPT MAP（EGYPT，LOOKLEX）

小事典版推奨判定

「交流＋知性　目標値=10〜12」「情報＋知性　目標値=12〜14」

やや詳しい情報　ホテルの類は、かなり質のいいものが多数ある。ただ、１部に、欧米人の宿泊を断るホテルもあるようだ。あるいは、「支払いをキャッシュ・オンリー（エジプト通貨）で、前払い」と言われることもあるらしい。レストランの類は、月並み。サービスのいい店は上級ホテル内に付属の店と思った方がいい。

　ミニヤー市は、メールのネクロポリス?にエクスカーションで出向く拠点として手ごろだ。ただ、現在は外国人単独行動制限地域になっている関係で、欧米人の観光客はあまり多くない。

　まったく外国人観光客がいないわけではないのは、メールのネクロポリスを訪れようとする熱心な古代マニアがいるためだが。他に、「聖家族がエジプトに逃れてきたとき、６ヵ月と10日身を隠した」という正典外伝承?が伝えられるバーント修道院?が近傍にあり、熱心なキリスト教徒も訪れる。

　彼らは、通例エジプト当局の政令どおり、指定のホテルから出歩く際は、地域警察が手配した護衛に付き添われて行動している（と、想定）。

【参照イメージ】

• ASSYUT:Bustling of modern and old
  ASSYUT:Old quarters
  （EGYPT，LOOKLEX）
  市街地の景観写真が見られる。

小事典版推奨判定

「交流＋知性　目標値=10〜12」「情報＋知性　目標値=12〜14」

やや詳しい情報　アシュート市は、地域の商業中心地であると同時に、中エジプト地方の物流センターの１つでもある。市街には、エジプトでは大きな大学の１つ、アシュート大学も存在。

　西方沙漠のハルガ・オアシスとの間に敷設された主要地方道が、アシュート市のあたりで、ナイル川沿いの基幹道と交わっている。

　アシュート市のあたりには４世紀頃からコプト教が広まり、現在でも、上エジプトのコプト教の中心地の１つになっている。地域のコプト教徒たちは、アシュート市街の周囲に散在する村落で、地域コミュニティーを営んでいる。ただし、現在は、アシュート市でもイスラム原理主義的な民間勢力の勢いが盛んで、コプト教徒との間の緊張、対立が続いている。

　基幹鉄路の駅を中心にした新市街には、西欧風の現代的な建物も目立ち、欧米風のファッションを着た現地女性の姿が見られるのは、アシュート市のあたりまで、とも言われている。

小事典版推奨判定

「歴史＋知性　目標値=10〜12」「交流＋知性　目標値=12〜14」「情報＋知性　目標値=12〜14」

やや詳しい情報　地域は、イスラム化した中世から遠距離貿易の中継地として栄えた。ことに現在のスーダン地方などを経由した南方との、奴隷を含んだ貿易の中継センターだった。

　アシュート市街の北西でマラウィの町との概ね中間あたりに位置するコセイヤは、古代エジプトのリュコポリス?（ザウティ?）が位置していた。この古代都市はアヌビス神?とウプウアウト神?とを祭神にしていた、と伝えられている。

　コセイヤの西には、ナイル渓谷の断崖地帯に古代エジプト時代の岩窟墓所、メールのネクロポリス?が位置している。

小事典版推奨判定

「歴史＋知性　目標値=12〜14」

さらに詳しい情報　現在のアシュートの北西に位置した古代エジプトのリュコポリス?（ザウティ?）は、第１中間期?には、テーベ?の勢力圏とヘラクレオポリス?の勢力圏の中間に位置する要都として重視されると同時に、多くの争いに翻弄された。テーベ出自の第11王朝?によって上下エジプトが再統一され中王国時代?に移ってからは、ザウティの重要性も相対的に下がったようだ。

　地域にコプト教が広まったのは、紀元後４世紀頃のことと伝えられる。当初は、集落から離れた渓谷の縁辺などに陰修士たちが居を構えたと、伝えられている。

• GM向けの補足情報、マスタリング・チップス、アイデア・フックなど

参照地図

• Nile North 地図（南エジプト 地図，Super Travel Net）
• Asyut, Egypt Page（World Index）
• Asyut（World City Database）
• National Geographic Society - Maps
  インタラクティブ・マップ。“Asyut”で検索、表示される候補から“Asyut，Governorate，Egypt”を選択。アシュート市を中心にした一縁が表示される。

• 小辞典
  ⇔ 小辞典ワールド編

関連項目

• アシュート県
• エジプト=アラブ共和国
• エジプト=アラブ共和国の諸地域
• 中エジプト

資料リンク

• ASSYUT:Intro（EGYPT，LOOKLEX）
• Wikitravel英語版:Middle_Egypt
• Wikipedia英語版:Asyut
  Wikipedia英語版:Asyut_Governorate
• Wikimedia Commons:Category:Asyut
  アシュート関連のファイル集アーガイブ。

活用

• このページの記事を踏まえた、アイデア・フック、使ってみたシナリオ、セッション・レポ、などなど

重要な改訂の情報

• 内容に追加、変更があった場合のみ、でいいでしょう。
  （誤字脱字の訂正や、文章を整える程度では記録不要）

検討

• このページの記事内容についての質問、重要な疑問、改訂の要望など
• 検討の項は記名記入を推奨（無記名記入は、随時書換え対象になりえます）