バステト女神
- バステト女神 バステトめがみ (Bastet) 簡易版
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「バステト女神」は、古代エジプトの伝統神の内でも、かなり古くから崇拝されていた神の一柱。
古くは、ナイル・デルタで崇拝された女神だった。中王国時代?頃から、エジプト・ネコの頭部を持ち、家を守護してくれる女神として、多くの人に盛んに崇拝されるようになった。
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やや詳しい情報
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バステト女神は、古王国時代?には雌獅子の頭を持つ女神として知られていた。ウアジェト女神同様、下エジプトの守護神とされ。ファラオ?は、「バステトに愛されし者」と呼ばれた。
ウアジェト女神、ネクベト女神が、「玉座の女神」であり、ファラオの統治と王国とを後見する神、とみなされたのに対し、バステト女神の方はファラオの身辺に加護をもたらす女神とイメージされた。
ファラオと結びついての崇拝は、古王国時代?の第4王朝期?までは、確実に遡ることができる。
雌獅子の頭部を持つ女神の崇拝は、初期王朝時代?の第2王朝期?頃には確認することができる。
バステト女神の古い崇拝中心地は、ナイル・デルタのブバスティス?だった、と目されている。ブバスティスは、ナイル・デルタ南東部にあった下エジプト第13ノモス、ヘカ・アーンジュの地方都市だった。後世、第18ノモス、イメティ・ヘンティに分割された。
現在のザガジグ市近傍で発見されたテル・バスタの遺跡は、あるいはブバスティスの古いルーツだった場所だったかもしれない、と考えられている。
古王国時代のバステト女神は、ファラオを加護する女神として、メンフィスではセフメト女神?と、ヘリオポリスではテフメト女神?と、テーベではハトホル女神と同一視されて祀られた。
ヘリオポリス神学では、テフメト女神との同一視が推し進められ「太陽神アトゥム?の娘神」と説かれるようになった。アトゥムの娘神バステトは、雌獅子の頭を持つ「怒れるバステト」の姿で魔竜アポフィスを打ち倒す。
古代エジプト人は、雌獅子の頭を持ち、太陽神の娘であるバステト女神も太陽を体現すると考えたのだが、後世、ヘレネス?は、バステト女神をアルテミス女神?と同一視した。女神が、太陽神アポロン?と姉弟の関係だったからだ。
中王国時代のB.C.1000年頃から、多くの都市で、雌ネコの頭を持つバステト女神が、家を守護する女神として人びとに崇拝されるようになった。「アポフィスを打ち倒す」との教義が広まり、「災厄を退けてくれる」とイメージされたようだ。現在、欧米などで、比較的良く知られているのは、女神のこの側面だ。
古代エジプト人の間で、バステト女神の聖獣である雌ネコを敬う風が生まれ、家族と一緒に家族と同じ食器で食事する、などの風習も広まった。死んだ雌ネコをミイラ化して、儀式の後埋葬する風習も生まれた。
家の守護神であるバステト女神は「多産の女神」ともされ、この側面は「イシスの魂」とも呼ばれた。ヘレネスは、女神のこの側面をアフロディティ女神?と同一視した。
GM向け参考情報
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【参照イメージ】
バステト女神の神格
- 呼称
- 自称 「ブバスティスの女主人」(「バステト」の神名自体「ブバスティスの主」と言った意味だった)、「アトゥム?の娘にして、ラー?のウジャト?の目」。
- 別称(?) ウバシュト女神(Ubasti)、ともパシュト女神(Pasht)とも、バスタ女神(Bast)とも呼ばれたと言われる。しかし、ブバスティスが女神の最も古い聖地だとすれば、バステトが本来の神名であったように思われる。
- 他称 「ラーの目」左目である、とされた。
- 形容 「怒れるバステト」は、雌獅子の頭部を持つ姿を指し、戦闘的な側面を意味した。
- 「静められたバステト」は、雌ネコの頭部を持つ姿を指し、家の守護者としての側面を意味した。
- 「愛想がよく陽気なバステト」は、やはり雌ネコの頭部を持つ姿を指した。あるいは、酒を飲んでの無礼講が許された、民間祭儀の場に降臨した神格を指したかもしれない。
- 後代の他称 「イシスの魂」あるいは尊称か(?)。
- 図像
- 古くは、雌獅子の頭部を持つ女性の姿で描かれようだ。
- 中王国時代?、B.C.1000年頃以降に確立した女神像は、エジプト・ネコの頭部を持つ女性像。なぜか、シリア・パレスティナ方面?の海外からの影響を被った服を着るのが定形になった。大きな柄を幅の広いストライプにして配列したワンピースで、3分ほどの長さの袖が付いている服は、もっぱらバステト女神の衣装とされていた。多くの場合、幅の広い首飾りを身に着けていた。
- 雌ネコの姿で、女神自体が顕されたこともある。
- 神聖動物
- 雌ネコ。
- 聖域
- 最も古い聖域は、ナイル・デルタのブバスティスと目される。ナイル・デルタでは、他にレオントポリス?で、盛んに崇拝されたことが知られている。
- ナイル・デルタ以外の下エジプトでは、メンフィス?で、セフメト女神?と同一視され、ヘリオポリス?では、テフヌト女神?と同一視して祀られた。ヘラクリオポリス?でも祀られたことが知られている。
- また、ブバスティスやサッカラでは、ミイラ化して埋葬された、聖なるネコ多数が発掘された。
- 上エジプトでは、テーベ?でムト女神と同一視された。
- タニス?、テーベ、ベニ・ハッサン?では、聖なるネコのミイラ、多数が発掘されている。
- 主要祭儀
- バステトを祭神にした祭儀は幾つも伝えられている。
- ことに詳しい記録が伝わっている例の1つは、ヘロドトスが伝えたもの。増水期で農耕作業ができない季節に執りおこなわれる祭儀で、祭りの期間中、酒に酔うことが神聖なこととされて、無礼講で営まれた。
- テーベのバステト祭は、播種の季節に執りおこなわれた。播種季の最初の月には神体を担いだ行列でねり歩き、同じ季節の最後の月には玉葱を食べるしきたりだった。
- エスナのバステト祭、メンフィスのバステト祭は、暑熱の季節にに執りおこなわれた。
- 他の神々との関係
- 古王国時代のバステト女神は、多くの聖地でハトホル女神やウアジェト女神と同一視して祀られた。テーベではムト女神と同一視されている。
- ヘリオポリスの神学では、テフヌト女神?と同一視されて太陽神アトゥム?の娘とされた。「アトゥムの娘バステト」は、アポフィスを打ち倒す女神とされるが、悪竜を倒すのは雌獅子の頭を持つ「怒れるバステト」だ。
- レオントポリスでは、いつの頃からかネコの男神バスティ神が配偶神とされた。これは、獅子の夫婦神、シュウ神とテフヌト女神からの連想だったかもしれない。
- 雄獅子の頭を持つ戦神マヘス?は、バステト女神の息子神とされ、レオントポリスとブバスティスとで、女神と共に崇拝された。
- 時としてアヌビス神?が、バステト女神の息子神と呼ばれることがあったが、どうしてかはよくわからない。あるいは、イシス女神と同一視された場合だろうか。
- バステト女神は、各所のライオンの女神と同一視された。メンフィスではセフヌト女神?と同一視され、スペオス・アルテミドスではパフト女神と同一視された。
- ヘレネスは、バステト女神を、アルテミス女神、または、アフロディティ女神と同一視した。
- アルテミス女神との同一視は、エジプト人が獅子の頭を持つバステト女神を「ラーの目」であり、太陽を司る女神としていたためだ。やはり太陽神であるホルスがアポロン神?と同一視され、アポロン神と姉弟だったアルテミス女神がバステト女神と同一視された。このため、後世ヘレネスの間では、バステトを月の女神とみるイメージも生まれたが、これはエジプト人お間にはなかったイメージだ。
- アフロディティ女神との同一視は、雌ネコの頭を持つバステトの、多産の女神としての側面に基づくもの。
リンク
関連項目
資料リンク
- Wikipedia英語版:Bast (goddess)
2006年11月現在「記述の幾つかはソース未確認だし、多くは信頼できないかもしれない(Some information in this article or section has not been verified and may not be reliable)」と、ありますが一応。
解説文は、Wikipedia以外のソースも参照し、Wikipedeia独自の記事は「定かでない」情報として織り込む型でまとめました。
活用や検討
活用
重要な改訂の情報
- 内容に追加、変更があった場合のみ、でいいでしょう。
(誤字脱字の訂正や、文章を整える程度では記録不要) - 2008-06-18 (水) 18:16:17 まりもっこり : バステトは、女ですけど顔は猫だったと思います。ライオンじゃなくって。
検討
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参照:[小辞典ワールド編] [シストルム] [神話、伝説のキャラクター] [ハトホル女神] [ムト女神]