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ウアジェト女神

ウアジェト女神 ウアジェトめがみ (Wadyt,wadjet) 簡易版

簡易版です。気づいたとこの増補、改訂、優先に大歓迎。

PCが予め知ってていい情報

  • 「判定処理なしに、PCが知ってることにしていい」情報とします。

 「ウアジェト女神は」は、古代エジプトの伝統神の内で、最も古くから崇拝されていた神の一柱。

 崇拝は、確実に古王国時代?まで溯れる。おそらく、初期王国時代?には、既にナイル・デルタで崇拝されていたと思われる。宮廷祭儀で下エジプトの後見神とされ、ファラオ?を後見する二柱の女神の一柱とされた。

 緑色のコブラの姿を持ち、発育を加護する乳母、ないしは養い親のような性質の女神とされた。基本的には、救済や再生にかかわるとイメージされたようだ。王宮祭儀ではファラオの戴冠に降臨する女神とされたが、地方の民間信仰では、後世ハトホル女神と同一視されたウアジェト=ハトホルが、農作業ができない増水期の祭儀で祭神とされた例が伝えられている。

【参照イメージ】

やや詳しい情報

  • 「簡単な判定に成功すればわかる情報」とします。

 ウアジェト女神崇拝の起原は、ナイル・デルタで、王朝時代に下エジプトの第6ノモスとされたハスウにあった。ハスウでは主要地方都市だったブートか、その周辺が女神崇拝の最も古い聖地だった、とされている。

 後代、ヘレネス?によって「レトポリス」と呼ばれたブートの遺跡からは、隣接したまま融合せずに営まれたらしい2つの集落の痕跡や、建物の大部分が二重になっていた神殿の基台が確認されている。

 おそらく、この遺跡が、ウアジェト女神が守護したと伝えられるデプの町とペーの町の跡なのだろう、と考えられている。女神はどちらかと言うとデプの方でより重んじられ、ペーではホルス神が祀られたようだ。しかし、後のブートでは、ホルス神は、イシス女神と同一視されたウアジェト=イシスに庇護される神格とされた。

 ウアジェト女神が王権神話と深く関わるようになった経緯はよくわからない。ただ、「下エジプト開闢期の神話的な王たちの魂とされる『ブートの魂』の守護者」と伝えられたことが関連していただろう。後世わかりづらくなったが「死者の再生に関わる役割も担った神格だった」ことも関連しただろう、との推測もある。

 ともあれ、ウアジェト女神は「下エジプトの後見神」として、上エジプトを後見するネクベト女神と共に、ファラオの戴冠式に降臨。戴冠後のファラオの玉座を後見する二女神の一方とされた。

 下エジプトの支配者に許された赤冠は、女神の持ち物とされたが、後世、古代エジプト人自身が、「ウアジェト女神は、赤冠の化身(擬人化)」と唱えるようになった。

 おそらく、この「化身」や「擬人化」は現代人が考えるような意味で言われたのではないだろう。古代エジプト人にとって、神威と考えられた「赤冠が顕す、下エジプトを支配する力」を体現するのが、ウアジェト女神、といった意味だろうと思われる。

 新王国時代?から末期王朝時代?に、アメン神?の崇拝が高まると、下エジプト後見神としての側面は、ムト女神と同一視され、ムト=ウアジェト=バストが崇拝されるようになった。

さらに詳しい情報

  • 「難易度がある程度高い判定に成功すればわかる情報」とします。

 王権神話と関わりを持ったウアジェト女神は、元々コブラの姿を持つことから、ファラオや太陽神ラー?の額を守るコブラの飾り、ウラエウス?と同一視された。

 ヘリオポリス?の神学で扱われたが、これは、ラー神と関わりを持ったためだろう。「ラーの目」、「ホルスの燃えるような目」、「炎の偉大なるもの」といった呼称は、ヘリオポリスの教義からもたらされたものと目される。炎との関連付けから、戦闘的な側面がセフメト女神?との同一視された。

 しかし、ウアジェト女神の本来の神格はその持ち物とされた、パピルス形の柱「ウアジェ」に象徴されるものだった、と思われる。女神と同根の名詞で呼ばれたこのアイテムは、コブラの皮のように緑色に彩色されたパピルス形の柱、もしくは杖だった。

 おそらく、植物や蛇に共通してイメージされた再生力が含意されたアイテムだろう。

 ウアジェト女神は、メンフィス?のネクロポリスにも祀られていた。女神が死者の再生に関わった役割は、王朝神話の陰でわかりづらくなってしまったが、隼の姿をとって、死者に息を吹き込み、来世への再生を促す、とする教義も伝わっている。

 あるいは、ファラオの戴冠式に関わることになったのも、戴冠を経た王族は神王として再生する、と考えられたためかもしれない。

GM向け参考情報

  • GM向けの捕捉情報、マスタリング・チップス、アイディア・フックなど

ウアジェト女神の神格(再整理と補完)

呼称
自称として 「緑のもの」、「デプの女主人」、「ペーの女主人」、「2つの国を開くもの」、「炎の偉大なるもの」
神の名をみだりに唱えぬための尊称 「(2人の)貴婦人」、「2つの国の女主人」
尊称として 「ラーの娘」、「ホルスの燃えるような目」「ラーの目」。
 イシス=ウアジェト女神として「偉大なる女魔術師」。
図像
 コブラ、しばしばデシュレト冠を被ったコブラとして描かれた。隼の翼を持つコブラの姿も描かれた。
 太陽神ラー?やファラオ?の額を守る冠のウラエウス(コブラ飾り)も、ウアジェト女神と同一視された。
 あるいは、デシュレト冠を被った女性、または、蛇の頭を持つ女性としても描かれた。
 後世、戦いの女神としての一面が、雌ライオンとして顕され、雌ライオンの頭を持つ女性としても描かれた。これは、セフメト女神?との同一視によるもの。
 極まれに、雌の隼の姿でも描かれた。
持物
 下エジプトの赤冠(デシュレト冠)、彩色されたパピルス形の円柱(ウアジェ)、メニト
神聖動物
 通例、コブラ、エジプト・マングース、後世、雌ライオンも神聖動物とされた。
 レトポリス?では、ジャコウ・ネズミが女神の神聖動物とされた。
聖域
 ナイル・デルタの下エジプト第6ノモスにあったブートの町(ベル・ウアジェト)か、その近傍が古い聖域だった。ブートは、ペーとデプの名で伝承されたさらに古い2つの聖域が、併合されたものかもしれない。
 下エジプトでは、イメトでは複数の聖域で祀られた。他に、ピ・ラムセス、アフロディト・ポリスでも祀られ。メンフィスのネクロポリスでも祀られた。
 後代になると、上エジプトの都市、数箇所でも崇拝された。
主要祭儀
 ファラオ戴冠の宮廷祭儀にネクベト女神と共に降臨し、「玉座の後見神」となる。
 後世、ヘロドトスは、ナイル・デルタの一地方で、ハトホル女神と同一視されたウアジェト=ハトホル女神が、ナイルの増水で農作業ができない時期の民間祭儀で祭神になっていたことを記録している。ヘロドトスは、祭儀がヘレネス?のバッコス祭儀のようだ、と述懐している。
 やはり後世、ウアジェト=イシス=ハトホルは、葬送儀礼で、秘密めいた役割を担う女神とされた。「隼の姿で死者に息を吹き込み、再生させる」とも、「死者の首をはめ直す」とも言われる。
 ウアジェト女神自体、「下エジプトの神話的な王の霊『ブートの魂』を守護する」とされたので、死者の再生との関わりは、女神の古い神格だったかもしれない。
他の神々との関係
 「ラーの娘」と呼ばれたが、ラー神との家族関係を説いた神話は伝えられていない。
 古い女神であるにも関わらず、神聖家族をなすことはなかった。あるいは、養い親、乳母のような神とみなされていたからだろうか(?)。
 ただし、国家祭儀では、「下エジプトの後見神」として、ナイル川の恵みを体現するハピ神?が配偶神とされることはあった。
 また、下エジプトのブートでイシス女神と同一視された、ウアジェト=イシスは、ホルス神の乳母となり、ホルス神をかくまったとされる。
 ヘレネス?は、この神話からの連想でウアジェト女神をレト女神?と同一視。ブートの町を「レトポリス」と呼んだ。
 ウアジェト女神は蛇の姿をもつので、マアト女神?とも関連付けられた。神格のこの面は、審判者とされ、元々炎と関連していたため、セフメト女神との同一視も生じた。
 イメト?では、ミン神?とホルソムトゥス神?とを陪神として従えた。
 新王国時代から末期王朝時代、アメン神?崇拝が高まると、下エジプト後見神としての側面は、ムト女神と同一視され、ムト=ウアジェト=バステトが崇拝されるようになった。

活用や検討

活用

  • このページの記事を踏まえた、アイディア・フック?、使ってみたシナリオ、セッション・レポ、などなど
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更新日時:2006/10/26 12:34:07
キーワード:
参照:[バステト女神] [ファラオの2重冠] [神話、伝説のキャラクター] [下エジプト] [小辞典ワールド編] [ネクベト女神] [ムト女神] [ハトホル女神] [下エジプトの赤冠]
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