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スヴァン人

スヴァン人 スヴァンじん (Svany) 暫定版

記事内容追加調査中の暫定版です

PCが予め知ってていい情報

 スヴァン人は、民族集団としてのグルジア人を構成するサブ・グループの1つ。

 古くから、大カフカス山脈の一部であるスヴァネティ地方を、伝統的な生活圏にしてきた。

追加情報

小辞典版推奨判定
「情報+知性 目標値10〜12」「交流+知性 目標値12〜14」
やや詳しい情報 旧ソ連崩壊?後のスヴァネティ地方では、グルジア?内戦と経済的混乱が重なったうえに、自然災害が散発。治安状況が悪化していたところに、2005年春、グルジアを見舞った集中豪雨がスヴァネティ地方で大規模な山崩れを招いた。この後、スヴァン人の間には、伝統的な集落を捨て、他地域に移住する者が増えている。
小辞典版推奨判定
「言語+知性 目標値10〜12」「交流+知性 目標値12〜14」
やや詳しい情報 スヴァン人は、カフカズ諸語のカルトヴェリ語群に分類されているスヴァン語を母語使用し、同じ語群に分類されているカルトヴェリ語も併用している。カルトヴェリ語は、現在のグルジア?公用語使用されている公用グルジア語のベースになっっている言語。
 スヴァン語とカルトヴェリ語は、意思疎通にやや困難はあるが不可能ではない程度の方言関係にある。スヴァン語自体は、普通、4つの方言から構成される、とされている。スヴァン語には独自の文字はなく、グルジア文字で記述される。
 旧ソ連?時代の1930年代までは、国勢調査の民族帰属調査に「スヴァン人」の項目も用意されていたが、2006年現在のグルジア共和国?では、「グルジア人」のカテゴリーに一括した調査がなされている。
 現在のスヴァン人の人口は、定かではない

小辞典版推奨判定
「歴史+知性 目標値12〜14」「交流+知性 目標値14以上」
詳しい情報 スヴァン人は、中世グルジア王国時代にスヴァネティ地方に地方侯領をなしていた。スヴァン人の戦士団は、グルジア系の言語で「獅子」を意味する「レミ」に喩えられ、グルジア王国の主戦力として勇名を馳せた。
 その後、モンゴルの西征軍がカフカス地方を席巻してグルジア王国も混乱に陥ったが、スヴァン人上スヴァネティで独立を保った。さらに後、グルジア地域がオスマン=トルコに征服された時期も、上スヴァネティを中心にスヴァン人は伝統的な文化をよく保った。
 現在、グルジア人を構成するサブ・グループの内で、スヴァン人はカルトヴェリ人メグレル人に比べ、人数的には少数派と目される。しかし、よくその伝統文化を保持してきた関係で、グルジア人の内でも特徴的な一派をなしていると言われる。
小辞典版推奨判定
「交流+知性 目標値12〜14」「歴史+知性 目標値14以上」
詳しい情報 グルジア地方でも、山間僻地と言えるスヴァネティ地方を生活圏にしてきた関係で、スヴァン人の地域社会では、伝統的習俗が強く温存されてきた。
 伝統的生業形態は、渓谷部の斜面を利用した穀物、及び、果樹の栽培と、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジなどの牧畜を組み合わせたもの。
 伝統的な家族形態は、ほぼ核家族に等しい小家族が主流。伝統家屋として有名な石造りの家屋(ユネスコ世界遺産の対象にも指定されている)は、方形の塔のような形状をした多層の物を母屋とする。どちらかと言えば、上スヴァネティ地方に多く残っている。多くは、10m〜12mで、5〜6階の内部階層を持つが、内には6〜7階建てという高い物も、4階建ての比較的低い物もあった。戦闘に備えての監視と防備を考えた作りで、1つ1つの家屋(塔)が小さな砦のようだ、と言われる。
 ちなみに、メディアでの世界遺産紹介で「石塔形家屋は、異教徒との戦いに備えた物」と紹介されることもあるが、これは不正確な解説になっている。(この件については「上スヴァネティ」の項を参照してください)
 各世帯は、石塔形家屋に別れて居住したが、大家族的な親族のつながりも重視された。各世帯では、家長である夫の指導力が強かったが、親族集団の間では、老いた母の発言力に重きが置かれた。
 スヴァン人の伝統社会では、「大家族」、「ヘフと呼ばれた地縁共同態」、「地縁共同態複数の連合」が社会機能を重層的に担い、それぞれのレベルごとの政治的意思決定が重視されていた。
 例えば、スヴァン人社会では、同害報復?(ある種の復讐)の伝統が比較的近年まで続いていたが、復讐が正当なものであるかはまずヘフで討議され、ヘフのレベルを越えた利害は、ヘフの連合態で協議調整されていた。こうした、伝統的政治システムは、旧ソ連時代にかなり廃れた、と言われる。
 メディアでの世界遺産紹介では、「スヴァン人の伝統社会は氏族社会」と解説されることがあるが、これも、スヴァン人社会の一面にとらわれ過ぎた紹介になっている。あるいは、紹介者が、氏族社会を誤解しているのかもしれない。
小辞典版推奨判定
「魔術+知性 目標値12〜14」「交流+知性目標値14以上」「歴史+知性 目標値14以上」
詳しい情報 スヴァン人の伝統宗教はグルジア正教?。特にグルジアの守護聖人とされる聖ゲオルギウスへの崇敬は厚い。
 ただし、彼らのキリスト教信仰には、古代以降の古い民俗信仰も色濃く残存していた、とされる。例えば、炉の火を家庭の守護精霊として敬う風習、動物をデザイン化した織物を、親族のトーテム?のように扱い儀礼に用いたり、大家族の旗印のように用いる習慣(祖霊を意味するトーテム自体ではなく、血統の守護精霊とも言われるが定かではない?)など。こうした、伝統的な信仰は、旧ソ連時代にかなり廃れた、と言われる。

小辞典版推奨判定
「交流+知性 目標値14」
専門的知識 スヴァン人の伝統社会は氏族社会ではない。元々、核家族的な世帯が主流で、近年は、親族の結びつきも弱まる傾向にある。
 氏族〔しぞく〕とは、「神話的、あるいは伝説的な祖先が共通だ」とする物語を共有することで、強いまとまりを維持する集団のことだ。典型例は祖霊を同じと信じるトーテム集団。氏族集団は、口伝や系図の類でも縁戚関係を確定できないメンバーでも、親族であるかのような強いつながりを共有しながら暮す。
 一方、スヴァン人の地域共同態や地域連合は、氏族社会のような強いつながりは持たなかった。その社会関係は、非縁戚だ、と言うことを前提にしていた。大家族的な近い親族が同村落に暮す時も、別の世帯を持つことは珍しくなかったし、親族が別々の村落に分かれて暮すことも、珍しくなかった。
小辞典版推奨判定
「魔術+知性 目標値14以上」
専門的知識 スヴァン人の親族は、同じ動物をデザインした織物を伝えている家系だ。スヴァン人の伝統社会が氏族社会なら、トーテム部族のように、同じ集落に住む者はみな同じデザインの織物を伝えていることになる、実際はそうではない。ある村落には、別種の織物を伝える家族が入り混じって住み。同種の織物を伝えている家系が、別の村落に住んでることもある。
 もちろん、同種の織物を伝えている親族が、幾つかの家系に分かれて、ある村落に住んでいると言うことはあった。(今でもあるだろう)
 さらに、同じ村落に暮す同種の織物を伝える世帯が、実際は縁戚関係が遠くても、大家族のような近い関係を持つ、と言うこともあったようだ。
 「スヴァン人の伝統社会が氏族社会」する意見は、ここのところをオーバーに捕らえているのではないだろうか? 仮に、スヴァン人の社会が氏族社会だったことがあったとしても、おそらくそれはキリスト教化する以前の古代のことにすぎないだろう。普通の手段では、確かめようのない推定だがね。

GM向け参考情報

運用

 スヴァン人は、グルジア共和国国民の8割強と言われ、グルジア系民族の内、少数派のエスニック・グループになっています。NPCとして扱う上では、とりあえず、ソ連時代に意識面で近代化し、宗教面でも世俗化が進んだ黒海東岸都市部のグルジア人を基本にイメージするといいように思います。

 スヴァン人NPCをシナリオに出す必要があれば、「都市部のグルジア人」を(シナリオに出すにせよ出さないにせよ)イメージした上で、少し毛色の違った人々、と考えて特色を出してくアプローチをお勧めします。

 スヴァネティ地方を冒険のメイン舞台としたり、グルジア?やスバネティ地方の歴史に深く関わった題材を扱うとき以外は、スヴァン人の細かな性格はあえて省略した方が、楽にセッションを楽しめると思われます。

補足「スヴァン人の伝統社会」

 「メディアなどの世界遺産紹介で、スヴァン人の石塔形家屋が『異教徒との戦いに備えたもの』と紹介されることが少なくない」との話題は、追加情報でも触れています。この件の詳細は「上スヴァネティ」の項を参照してください。(⇒ 上スヴァネティ

 さて、「異教徒との戦い」ではなく「石塔形家屋は、村落間の戦いに備えた物」と解説されている場合でも「スヴァン人の伝統社会は氏族社会」と解説されていることがあります。それは、まあいいとしても「石塔形家屋は、氏族間の戦いに備えた物」と解説されてることもありまして。こちらは、おそらく紹介者の誤解に基づくものか、あるいは、歴史上の特殊な事件を過大に評価したものかもしれませない、と思われます。こちらの件は、このページの追加情報に織り込みました

 この話題も、スヴァン人の歴史をシナリオにかなり絡める場合や、上スヴァネティの村落を冒険の舞台として重用する場合にだけ、重要な話題です。その他のケースでは、あまり気にしなくてもいいでしょう。

 逆に、スヴァン人の歴史に関わったオーパーツを出したり、重要脇役で、スヴァン人を使うときは、設定の1種として、扱うといいと思います。

 以下は、「上スヴァネティに入った民族学者の報告や、調査報告に基づいた研究を信じるならば」というお話になります。

 平たく言えば、「氏族社会」とは、「村落なら村落の構成員が全員親戚であるかのような付き合い方をしている社会」です。追加情報でも触れているように、スヴァン人の伝統社会は氏族社会ではありませんでした。

 各村落には、複数の氏族が入り混じり、核家族ごとに別れて暮らしていました。村落の構成員は、全員が親戚ではない、と言う前提で共同態を成していました。逆に、ある氏族に属す家族は、あちらの村、こちらの村に別れて暮らしていました。

 「ブルーローズ」では、次のようなポイントを、ワールド設定のように扱うといいと思います。

  • スヴァン人の間にあった複数の氏族は、それぞれに各地の村落に分かれ、他の氏族の下位グループと入り混じって暮していた。
  • 各村落では、村落ごとの共同会議で、村落内の揉め事などを調整していた。
  • 村落間の揉め事などは、共同態連合の会議で、調整していた。
  • スヴァン人は、血縁関係を重視するが、揉め事などに際しては、遠い血縁関係よりも、村落共同態や、共同態連合の決定を優先するのが社会的スタンダードだった(氏族社会ではない)。

 多分、上スヴァネティで取材したメディアの人も、スヴァン人の暮らしぶりに、西欧型の現代社会とは違う異文化性を強く感じて、それを「氏族社会」と言ってしまったのではないでしょうか(?)。で、それがどんどん広まったのかもしれません。

 ちなみに、日本史で習う氏族〔ウジゾク〕は、典型的な氏族〔しぞく〕社会とは、また違った性格の集団とされています。氏族〔ウジゾク〕には、先祖の主従関係が子孫の主従関係を拘束するような性質が強かった、と言われます。例えば、氏神と神話上の縁戚関係すらない者も、同じ集団の構成員になっていたりします。

 氏族集団と言うのは、もっとある種平等な社会です。ただし、自力救済が原則の平等なので、何かあれば同害報復?の復讐になります。これはスヴァン人の伝統社会だけの特徴ではありません。アフガニスタンのパシュトゥーン人もそうだ、と言われますし。他にも多くの民族社会に類例が見られます。

 で、スヴァン人の伝統社会では、同害報復で復讐が復讐を呼ぶとまずいので、地域共同態(ヘフ)や、地域共同態の連合が発達した、と、このように理解されているようです。

リンク

関連項目

活用や検討

活用


検討

  • 検討の項は記名記入を推奨(無記名記入は書き換えられても仕方なし、ってことで)

【改訂情報】


更新日時:2006/04/20 08:06:33
キーワード:
参照:[アジア州のランド・マーク] [カルトヴェリ人] [スヴァン人] [上スヴァネティ] [スヴァネティ] [グルジア人]
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