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ゴラン高原

ゴラン高原 ゴランこうげん

英語名
Golan Heights
アラビア語名の音
al-G?l?n(アル-ヂャーラーン)

PCが予め知ってていい情報

  • 「判定処理なしに、PCが知ってることにしていい」情報とします。

 「ゴラン高原」は、西アジア(西南アジア)の地中海東岸後背地で、シリア=アラブ共和国イスラエル国レバノン共和国ヨルダン=ハシミテ王国の国土に囲まれた高地帯。

 1967年の第3次中東戦争?時に、シリア領だった同地をイスラエル国が占拠。国連では、シリア領とみなし「イスラエル国による不当な併合地」としているが、イスラエル側は、第3次中東戦争当時の国連安保理決議を引き合いに「不当な併合ではない」と唱えている。

 シリア政府、及び、国連は同高原をクナイトゥラ県?の一部としている。

 2006年現在、 1974年に創設されたUNDOF(国連兵力引き離し監視隊)が駐屯。同高原の東縁に非武装地帯を設定。他に、定期的にイスラエル占領地とシリア側隣接地を査察、双方の兵力、戦力を確認すると、相手国に仲介して伝達している。

 これは、対峙する双方の兵力、戦力を低レベルに押さえるためのシステムで、今のところ両国に受け入れられている。

参照地図

追加情報

  • 「簡単な判定に成功すればわかる情報」とします。
小辞典版推奨判定
「情報+知性 目標値10〜12」
やや詳しい情報 ゴラン高原は、レバノン領から南流し、ガリラヤ湖?(ティベリウス湖)に至るヨルダン川が流れる渓谷の東側を占めている。
 地勢的にはアンチ・レバノン山脈?の延長上の高地。比較的広く緩やかな山地の西斜面がイスラエル側に占拠され、東斜面がシリア統治下になる。概ね標高1000m程度で、最高点は2,189m。西斜面は緩やかな起伏を持つ微傾斜地が広い。
 気候は、湿潤で、高地にあるため比較的過ごし易い。農業に適しており、人口密度は高め。
小辞典版推奨判定
「交流+知性 目標値10〜12」
やや詳しい情報 ゴラン高原にはドゥルーズ派信徒?やチェルケス人?の集落が多数存在。イスラエル国は、1981年制定の法律で、第3次中東戦争以降、同地に留まっているシリア人にイスラエルの市民権を与えた。
 シリア側は、ゴラン高原の領有権を放棄していないが、1970年代から、イスラエル人の入植地建設が開始された。現在は、多くのキブツ?やモシャブ?が構築されている。シオニスト組織は、ゴラン高原を「自由なユダヤ人の土地」と主張しているが、この見解は国際的には、ほとんど支持を得ていない。ゴラン高原でのイスラエル人の居留についても、その正当性を認めている国家はイスラエル国以外にはない。

  • 「難易度がある程度高い判定に成功すればわかる情報」とします。
小辞典版推奨判定
「情報+知性 目標値12〜14」
詳しい情報 シリアとイスラエル双方が領有を主張しているゴラン高原だが、レバノンも北部の一角の領有を主張している。
 シリア当局は、過去にこのレバノンの主張を公式に認めているが、2000年にレバノン領からのイスラエル軍撤退を確認するために派遣された国連チームは、問題の領域がゴラン高原の一部でありシリア領であることを間接的に保証した。この地の領有は、シリア-レバノン2国間合意という型になっている。
小辞典版推奨判定
「軍事+知性 目標値12〜14」「情報+知性 目標値14以上」
詳しい情報 ゴラン高原は、シリア側にしてみれば、首都ダマスカス?の防衛拠点だった。
 イスラエル側にしてみても、かつて高地の西斜面に設置されていた高射砲陣地は、国土防衛の観点から押さえる必要はあった。
 水資源が豊富なことも利点だ。宗教的信念に基づく主張を無視しても、イスラエル国にゴラン高原領有を放棄させるのは容易ではないだろう。特に、シリアがイスラエル国の国家としての生存権を認めていない以上、交渉すら容易ではないはずだ。
小辞典版推奨判定
「歴史+知性 目標値12〜14」「情報+知性 目標値14以上」
詳しい情報 ゴラン高原は、紀元前3千年紀アモリ人の勢力圏となった。おそらくこれが、地域について文献記録に見られる最古の記録だろう。地勢、環境を考えれば、それ以前の新石器文化、旧石器文化についての調査も重要と思われるが、同地の情勢からままならない。
 アモリ人は紀元前2千年紀を通じゴラン高原を勢力の拠点として維持したが、徐々にアラム人?が侵出、支配権が移った。アラム人が、古代イスラエルの北王国と高原の領有を争うようになったのは、紀元前9世紀のことになる。
 紀元前9世紀の前半、北王国のアハブ王が、高原南部でベン・ハダド1世を倒し、地域で優位にたった。
 紀元前8世紀には、アッシリア帝国の支配がゴラン高原にも及ぶようになる。アッシリアの滅亡後は、新バビロニア帝国の支配圏に組み込まれ、後、アケメネス朝ペルシアの支配圏に。
 紀元前4世紀後半、古代マケドニア?のアレクサンドロス3世?が指揮した東征軍が、地中海東岸を席捲。ゴラン高原地域もマケドニアの影響下に置かれた。アレクサンドロス3世の死後は、後継者武将(ディアドコイ)が興した王朝、セレウコス朝シリア?とプトレマイオス朝エジプト?との間のシリア・パレスティナ争奪戦に翻弄された。
 古代ローマ帝国の支配が地域に及んだのは、紀元前2世紀のこと。ローマ軍侵攻初期に、マカベア朝の古代イスラエル王国は、ゴラン高原地方のユダヤ教徒集落を支援したが、ゴラン高原がマカベア朝の領土になったことはなかった。
 「ゴラン」の地名は、ローマ支配の間に定着した。これはマケドニア人やヘレネスが呼んだ地名「ガウランティス」がラテン語で訛化したもの。
 紀元前85年、ゴラン高原は、一時アラブ系のナバテア王国の支配下に入ったが、ほどなくローマに奪回された。(ナバテア王国は、A.D.106年にローマ帝国に攻め滅ぼされた)
 A.D.66年〜73年、古代イスラエルで起きた第1次対ローマ反乱はゴラン高原にも及び、「ゴラン高原のマサダ」と呼ばれた激戦も戦われた。後、イスラエルでは第2次対ローマ反乱が起こり、ローマ帝国は、これを鎮定後ユダヤ教徒の強制移住(ディオアスポラ)を敢行した。
 A.D.250年頃、アラブ系キリスト教徒のガーサニッドがゴラン高原に移住、ジャビアを首邑に王国を建国。最盛期の版図はヒジャーズ地方にも及び、地中海東岸を経由する交易路を支配下に繁栄した。
 西ローマ帝国の崩壊後、東ローマ帝国(ビザンツ帝国)が体制を立て直すと、ガーサニッドの国家は、ビザンツ帝国に従属的になりつつ地域支配を継続。しかし、紀元7世紀頃からシリア・パレスティナ地域全域がササン朝ペルシアとビザンツとの間で争われるようになり、ガーザニッドの国家も衰退し解体していった。ササン朝とビザンツの双方が抗争で疲弊を見せた頃、アラブ・イスラム勢が北上。ゴラン高原がアラブ勢に征服されたのは、636年のこと。

GM向け参考情報

参照情報

(「ゴラン高原の有用地図集」も参照してください)

越境について

 2008年現在、ゴラン高原は特殊な状況にあります。

 PCチームであっても、非武装地帯を越境して正規移動する場合は、武装解除をされることを前提とします。この場合の「武装解除」は、極、低い威力の自衛用武器の携行は認められ、とマスタリング?していいでしょう。 (GMは、ルールブック限定情報、第33章章末(p.401)にある記述を参照されたし)

 武器の隠蔽携行、非正規越境などについては、ミッションの内容、セッションの展開などを考慮して、プレイヤーの合議で検討、PCチームを動かしていくべきでしょう。GMは、イスラエル国など、目的地の情勢について、合議の前になんらかの手法でプレイヤーたちに伝えておいた方がいいです。

 もちろん、ミッションに沿った行動であれば、財団を通じた手配で、一旦武装解除をして越境した後、新たに移動先で装備を手配することもできるでしょう。あるいは、PCの技能とコネとで、独自に現地調達を試みてもいい(調達できる状況にあるか、現地でコネがみつかるかなどは、言うまでもなくGM裁量です。

 他にも、イスラエル国への出入国には、特殊性があるのですが、それは関連の別項目で検討したいと思います。

冒険舞台として

 ゴラン高原を冒険の舞台とする。どの程度の冒険を想定するかにもよるでしょうが、かなりチャレンジングなシナリオになると思われます。

 少なくとも、クライマックス舞台に想定することはお勧めしません。

 導入部で、イスラエル側公認の調査団の短期警護任務をPCに与える、といった設定はあるかもしれません。

 考古調査の「短期警護任務」というのも無理がある設定ですが。例えば、NPC研究者による予備調査(本格調査の下見)の警護、といった設定なら、もっともらしさも保てるでしょう。

 いずれにしても、地域に留まる限り、制約の多い冒険になることでしょう。PCチームは、安定的に押さえられている地域の情勢を悪化させたり刺激したりしないよう、ローズ考古学財団から配慮が求められます。

 陰謀組織側の行動についても、制約があるようです。ルールブックの限定情報、P.401に、ルールブック刊行時(2002年)の動向が記されています。

 シュープリームの少なくとも中枢は、ローズ考古学財団と近似の配慮を現場部隊に求めるとしてもいいでしょう。意図はともかく現場への要求は財団と近似と想定します。シュープリームの部隊が地域に投入される場合は「撤収ルートも確保した短期強襲型の作戦」か、「国連部隊などに偽装した、特務部隊の投入(PCチーム同様かそれ以上に制約が多い)」かをお勧めします。

 銀の暁のNPCは個人主義的ですから、キャラクターごとにいろいろな考えを持っていることでしょう。

 龍三合がどのような考えを持ちそうかは、ちょっとわかりません。セレスティアル・ゲートは、まあ、理想主義的なことを口にしながら、非常識な行動をとることでしょう(いつもの通りです)。

別称類

  • 英語名=Golan Heights(ゴゥルァン・ヘイット)
  • 旧称=シリア高原(現在もマレに用いられることもある)
  • アラビア語名の音=al-G?l?n(アル-ヂャーラーン)
  • アラビア語による現地名の音=ハダーバト・アル-ヂャーラーン
  • 現代ヘブライ語による現地名の音=ラマト=ハ・ゴラン(あるいは、単に「ゴラン」とも)

活用や検討

活用

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重要な改訂の情報

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検討

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