陰謀技能
陰謀技能 いんぼうぎのう
「陰謀技能」は、「ブルーローズ」のキャラクターに設定される24種の技能の1つで、山羊座の技能。
技能値は、事件の隠蔽を狙った判定や、情報を混乱させる判断する判定に用いる。また、他人がしかけた「陰謀」を見破ったり、他人に騙されるの防ぐ判定にも使える。
多くのばあい「陰謀+知性」や「陰謀+社交」の判定方式で用いる。
ルールによれば「通常、使用した、次のシーン以降に効果が現れる」ともある。
(ルールブック、p.62)
ルールの検討
「陰謀技能」の運用は、情報技能との兼ね合いに迷うかもしれない。
情報技能の技能値は、「情報を集める行為」の判定に使う。これに対して、陰謀技能の技能値は、ミス・リーディングなどを意図した情報の発信や、何かを隠蔽するためにあまり関係のない情報を発する場合などに使う。
では、隠蔽やミス・リーディングを意図しない情報の整理、発信はどうするか? と言うと、情報の整理には分析技能や表現技能を、情報の発信には表現技能を使っていくのがルールになっている。
あるいは犯罪技能や分析技能との兼ね合いに迷うこともあるだろう。
こちらについては、GM裁量で柔軟な運用を目指すといいだろう。
しかし、あまりに恣意的な運用を避けるため、一旦限定気味の運用を考えたうえで、それを踏まえたより幅広い運用を意識した方が、混乱が少なくなりそうだ。この件は、「応用」などの項で検討したい。
ルールにある「通常、使用した、次のシーン以降に効果が現れる」は、基本的には能動的に仕掛ける「陰謀」の効果と考えるといいだろう。「他人がしかけた『陰謀』を見破ったり、他人に騙されるの防ぐ判定」の結果は、判定直後にわかることの方が多いだろう。
技能を略して「陰謀」と、呼ぶのは控えておいた方がいいだろう。セッションの混乱のもとだ。強いて言えば、関連のルール処理でいう「陰謀行為」は、主に「出来事隠蔽や歪曲を意図した情報操作の類」か、「そうした情報操作を前提として含んだ目論見」と限定的に解釈していくことをお勧めする。
運用
基本
ルールブックに見られる用例。
- 陰謀の段取りを取る判定。(ルールブック、p.62)
「段取りを取る」と聞くと、「準備だけする」ような気もするが、これは「事件の隠蔽を狙った行為や、関連情報を混乱させる行為を仕掛ける」判定、とみなすべきだろう。多分、口語的な用法だと思う。 - 情報を混乱させる判定。(ルールブック、p.62)
曖昧すぎて、どうとでもとれる記述になっている。例えば、事件の隠蔽を狙って、ミス・リーディングした情報を流した場合、などの判定に使うといいだろう。
- 陰謀を見破る判定。(ルールブック、p.62)
当然、「陰謀を直感的に見破る」判定であるはずだ。
応用
ルール準拠、ないしは順当な適用で、ルールブックに用例の見当たらない使い方。
- 他人が仕掛けた陰謀を見破る判定に用いる。
陰謀技能値は、社交能力値や知性能力値?と併せて判定に用いるとのルール記述、及び、知性能力のゲーム上の定義を根拠にする。
「陰謀+直観」判定を、「他人が仕掛けた陰謀を直感的に感知する判定」とし、「陰謀+知性」判定は、他人の陰謀の証拠となり得る手がかりを見極めることまでできるとする。
ただし、「陰謀+直観」判定は、物語内時間の消費が少なくて済み、「陰謀+知性」判定は、それなりに物語内時間の消費が必要なこともある、とする。(経験的に陰謀だろうとあたりをつけるだけなら、「陰謀+直観」と同程度の物語内時間消費で構わないだろう)
また、他人の陰謀のからくりまで解明する判定は、「分析+知性」判定とし、長めの物語内時間消費を必須とする。
- 犯罪技能との使い分け
- この使い分けは、一応、GMなりの考え方を用意した上で柔軟に運用していくことが望ましいだろう。
- 他人を騙す行為
明らかなイカサマの類は、犯罪技能を基本の判定方式として優先した方がいいだろう。
偽証の類は、表現技能を用いてもいい。
効果の発現に時間がかかる判定、及び、ある程度広範な影響を狙った行為については、陰謀技能を基本の判定方式として優先すべきだろう。
例えば、ある事件の隠蔽を意図したキャラクターが、地元の新聞記者にミスリーディングした情報を流したとする。「犯罪+知性」判定に成功すれば「取材を受けている間は、事実を隠蔽しておける」かもしれない。「表現+社交」判定に成功すれば「取材を受けている間は、記者を煙にまける」かもしれない。しかし、「陰謀+社交」判定に成功しなければ、おそかれ早かれ、その場しのぎの取り繕いは見破られて報道されてしまうかもしれない。
ハウス運用
部分的なルールの拡大解釈も含んだ応用例。
- 陰謀業界の関係者から情報や物品を調達する判定。
ルールブック、p.92にある類例を踏まえた応用になる。ただし、このハウス運用は、情報技能のルールにある「陰謀組織の内部情報がわかる」判定の限定解釈にもあたる。
まず、判定でコンタクトできる陰謀業界とは、CIAやNSAなど、公的にも存在は認知されている組織の関係者までとする。商社の調査員などを含んでもいいが、犯罪組織は「犯罪+社交」判定を用い、メディア関係者は「情報+社交」判定を用い、軍事組織は「軍事+社交」判定を用いる。ただし、組織の指定によっては、判定方式がダブることもあるだろう。
「ブルーローズ」オフィシャル設定の陰謀組織から情報や物品を調達する場合は、関連の縁故を用いた判定で、GMが認めた場合のみ、と限定する。キャンペーン・プレイの過去に陰謀組織NPCと面識を持っていても、行為主体になるキャラクターが縁故を保持していなければ、判定自体に挑めない、とする。
(GMは、縁故のニュアンスを敵対的なものと解釈したら、それを根拠に判定不可と判断していい。ライバル的なニュアンスの縁故なら、申告内容に応じて裁量する)
キーワード:
参照:[技能] [小辞典ルール編] [情報技能] [誘惑技能] [チップス集] [犯罪技能]