デンデラ
追加情報
- 「簡単な判定に成功すればわかる情報」とします。
- 小事典版推奨判定
- 「歴史+知性 目標値=8〜10」「情報+知性 目標値=10〜12」
- 簡単な情報 (必要に応じてゲーム前ブリーフィングやブレイクを使いGMから素でプレイヤーに伝えてもいいかもしれない)
- デンデラの町は、ケーナ市対岸の西南西5kmほどにあたり、同市郊外の至近に位置。ルクソールの概ね北方にあたり、地図上の直線距離でおよそ66kmほどにある。
- 極、小さな町だが、イスラム教徒と、コプト教徒の混住地帯。コプト教では、アレクサンドリアの総主教が直接任命する司教が司る特別な教区になっている。
- 橋を渡って、ナイル川流域に敷設された基幹道に出た後、アビュドス方面(西方向)に2〜3kmほど行くと、沙漠地帯の縁に位置するような小さな町に至る。人口数百人程度で農耕が主の町(と、想定)。
- ケーナ市は、ナイル川が、ルクソールの下流で大きく屈曲している屈曲点に位置。ケーナ市からデンデラの町に向かうとしたら、中心市街からナイル川にかかった一般車用の橋に向かう。2008年現在、この橋には当局による検問所が設置されている。
- 2008年現在、デンデラの町へ入る基幹道(つまりケーナ市の市域の外縁)にも、当局による検問所が敷設されている。
- 町の周辺などに検問所が設けられているのは、観光客の警護と同時に、コプト教徒と過激なイスラム教徒の衝突を警戒するものでもあるだろう(と、想定)。
- 一般の観光客などは、デンデラ市内での宿泊はもちろん、食事なども認められていない。元々、小さな町なので、そうしたサービス業もほとんど整備されていない。
- 観光客たちは、警護付きのバスでルクソール市などから訪れ、バスから降りて警備隊に警護されながら遺跡を見学、又、遺跡に戻るだけだ。
- エジプトの考古当局から、特別な許可を得た研究者も、専従警護チームに付き添われながらの行動しか認められない(と、想定)。
- 【参照地図】
- 小事典版推奨判定
- 「歴史+知性 目標値=10〜12」
- やや詳しい情報 デンデラは、町の現代アラビア語地名だが、遡ると古典ギリシア語地名「タンティラ(Tentyra)」が訛ったもの。「テンティリス」という古代名もあった。「タンティラ」は、古代エジプトの言語で「神聖な柱の上の女神」を意味した「タ・ャント・ネタート(Ta-ynt-netert)」が訛ったもの。「イウニト」という古代地名も知られているが、こちらはさらに古い地名。
- デンデラの町から、ナイル川を離れる方向に750mほど、農耕地の間を行くと、沙漠地帯の縁辺に、ハトホル神殿などの神殿複合遺跡に行き着く。現在遺っているのは、プトレマイオス朝時代に建造された物と、ローマ時代に建造された物の神殿複合だ。
- かつては、イヒ神殿やホルス神殿も建っていたが、これらの遺構は現在は遺っていない。ハトホル神殿も、繰り返し修築、改修されたことは、様々な古代記録から知られている。また、ハトホル女神主神殿の地下には、古代エジプトの初期王朝時代?末期の第6王朝?の銘文も確認されている。しかし、現存している神殿複合を掘り崩すような規模での発掘調査がなされたことはない。
- 神殿の他に、デンデラの町からは南方にあたるナイル西岸の河岸段丘に分け入ると、古代イウニトのネクロポリスの遺跡があり、墓域の内からは初期王朝?の墓所も発掘されている。イウニトの町自体も、古王国時代?までは、確実に遡る、とされている。
- デンデラの町は、しばしば、「古代エジプトの、上エジプト第6ノモスの州都だった」と言われる。
- 小事典版推奨判定
- 「魔術+知性 目標値=10〜12」「歴史+知性 目標値=12〜14」
- やや詳しい情報 歴史伝承によれば、地域のキリスト教信仰は、4世紀初頭に何人かの隠修士が、瞑想修行の場に選んだことにはじまる、とされている。
- 「難易度がある程度高い判定に成功すればわかる情報」とします。
- 小事典版推奨判定
- 「歴史+知性 目標値=12〜14」
- 詳しい情報 しばしば、「上エジプト第6ノモスの『州都』だった」と言われる、古代のイウニト(デンデラ)だが、長い歴史を持つのに、政治的に重要な役割を果たしたことは、まったくと言っていいほど知られていない。
- ナイル川の西岸に位置した古代イウニトは、古くからのハトホル女神の神域であり、都市も神殿都市、宗教都市、門前町だった。
- 古代イウニトの対岸にあたる現在のケーナ市の方は、東方沙漠の岩山地帯に分け入るワディ・ハンママートの入り口にあたる。現在もケーナ市の西から、紅海沿岸方面に至る主要道が分岐している。実は、古代も、ワディ・ハンママートの奥の岩山では、石材の採掘場が営まれ、さらに紅海沿岸に至る交易ルートにも連なっていた。ケーナ市の位置では、グレコ・ローマン時代に「ケナポリス」と呼ばれた交易拠点、あるいは都市的集落が営まれていた。
- あるいは、古代イウニトも、紅海沿岸の交易ルートの、エジプト側のポータルとして、独特の立場を維持し続けたのかもしれない。
- 古い時代に遡る第6ノモスの旗彰は、頭部に大きめの羽毛を生やしていることで神聖さが顕されたワニだった。イウニトがハトホル女神の神域として栄えた後も、ワニは、ノモスと都市の神体として敬われ続けた。
GM向け参考情報
- GM向けの補足情報、マスタリング・チップス、アイディア・フックなど
参照地図
- EGYPT,MAP(EGYPT,LOOKLEX)
- ケーナ市周辺の集落地図(van de Faculteit Letteren)
- Dandarah, Egypt Page(Directory of Cities, Towns, and Regions in Egypt,World Index)
- Nile South 地図(南エジプト 地図,Super Travel Net)
- Denderah(EGYPT,World City Database)
補足説明
- デンデラの人口
「数百人程度」との想定は、具体的な数値データに基づくものではありません。ただ、例えば“World Index”などの地図を参照すると、数百人程度、多くても1千人内外の規模と思えます。
ちなみに、隣接するケーナ市は、25万人級の都市。 - デンデラの町が基本的には農耕集落である、という想定も、確実な裏とりは不十分ですが、傍証記述は資料にありました。さほど無理な想定でもなさそうです。
- 「デンデラの町近傍の検問は、外国人保護と同時に、コプト教徒と過激イスラム教徒との衝突を避ける目的」との記述は「コプト教コミュニティーがデンデラに存在」との推定を踏まえた、フィクション的な想定です。
(「エジプトの外国人単独行動制限地域」は、地域で、イスラム教徒とコプト教徒との衝突が断続しているため、と理由付けられていることは、報道メディアなどでも、しばしば見受ける観測です) - デンデラの町に存在するコプト教区や、コプト教徒コミュニティーについては、シナリオの狙いに深く関わらない場合、あるけど省略(セッションでは深く描写しない)扱いで構わないでしょう。シナリオの狙いに、かかわりが深い場合は、当面フィクション設定に準じた扱い、とみなしていくことをお勧めします。
- デンデラの町周辺の検問、及び近傍の警戒について
解説記事本文にある、デンデラの町近傍での、2008年現在の検問所設定については、ダイヤモンド・ビッグ社発行の『地球の歩き方 エジプト』(2007年〜2008年版,第16版,「地球の歩き方」編集室,著作編集)p.208に掲載の記事、及び、LOOKLEXの関連コンテンツ(2004年現在の記述)を参照させてもらっています。
併せて、検問所だけでなく、周辺も定期的に当局の警備チームが巡回している、とのフィクション設定を、GM向けに提案しておきます。
活用や検討
活用
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キーワード:
参照:[クヌム神] [ハトホル女神] [ケーナ市] [オシリス神] [ケーナ県]