グレート・リフト・バレー(大地溝帯)
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「グレート・リフト・バレー(グレィト・リフト・ヴェァレィ)」は、全長およそ6000km〜7000km。幅は35km〜100kmほど。
アフリカ・プレートから、アラビア・プレートに及んでいる断層の連なりで、サブ・プレートの分離で生じた正断層が続く。落差100mを越える急な崖が多い他、渓谷の縁辺には、高山や火山も珍しくない。ルウェンゾリ山地など、山々の連なりが渓谷を縁取っているような箇所もある。
また、大地溝帯の上や周辺には、湖沼が多い。世界で最も深い地溝湖の1つタンガニーカ湖をはじめ、ビクトリア湖(レィク・ヴィクトゥリア)?など、アフリカの5大湖?は皆、大地溝帯、及び、周辺の地域に存在している。
現在、広義のグレート・リフト・バレーは、東リフト・バレーと西リフト・バレーとに2大別されることが多い。 さらに東リフト・バレーの南部に接し、南東に伸びるニアサ・リフト・バレー?を加えることもある。ニアサ・リフト・バレーの延長は、他の2つの地溝帯に比べると、比較的短い。
東リフト・バレーが最も長大な断層で、南部で、西リフト・バレーと、ニアサ・リフト・バレーとが接している。
狭義のグレート・リフト・バレーは、東リフト・バレーにあたる。「グレート・リフト・バレー」の呼称は、U.K.(連合王国)の地質学者、ジョン・ウォルター・グレゴリーが、命名した。命名時には「エチオピア高原を南北に走ってタンザニア領へ至る渓谷」が指されていた。
現在では、東リフト・バレーは、エチオピアから北に続き、紅海を経て、ヨルダン渓谷、死海に到り、さらに、レバノン山脈?とアンチ・レバノン山脈?との間のベガー渓谷?にまでいたっている、と把握されている。
しばしば、全長6000kmほどと言われるのは、東リフト・バレー。総延長7000kmと言われるのは、西リフト・バレー、ニアサ・リフト・バレー、すべての延長を合わせた長さだ。
東リフト・バレーに対し、ウガンダ、ルワンダ、ブルンジから、タンガニーカ湖へ至る地溝帯が「西リフト・バレー」。マラウイ湖、モザンビークへと抜ける地溝帯が「ニアサ・リフト・バレー」。
しばしば、東リフト・バレーと、西リフト・バレーとは、北を上として、左右(東西)が非対称なYの字にたとえられることがある。また、さらに大局的に見ると、西リフト・バレーから、ニアサ・リフト・バレーに到る渓谷の連なりが、より大きな東リフト・バレーに分断され、横切られているようにも見える。
アフリカ大陸の東部には、インド洋から湿った大気が吹き寄せている。しかし大地溝帯周辺の高原地帯や山地で、大気中の湿気は降水。高原地帯を抜けた風は、乾燥した暑い空気を大陸内部に供給する。
これがアフリカ大陸北部の砂漠や、東アフリカから中央アフリカ地域にかけてのサバンナ地帯を、形成する要因の一つになっているとされている。
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地質学や地球科学の研究によれば、大地溝帯は、今から1000万年前頃から、500万前年前頃にかけて、形成が開始された、と推定されている。
大地溝帯の形成は、地球内部のマントルの対流との関係で説明されている。
大地溝帯の周囲は、地熱温度が高いことが観測されている。これは、マントルの上昇流(ホット・プルーム)がこの辺りの地中に到っている証拠と考えられている。大地溝帯の北端近くには、ホット・プルームの影響が地上に及んだ、アファール・ホット・スポットが観測されている。
ホット・プルームが、大地溝帯周囲の地殻を押し上げつつ、地殻に沿って東西に流れることで、アフリカ大陸東部を東西に分離する力が生まれている、との推測が、大地溝帯形成の説明モデルだ。
地溝帯周辺の高山や火山の形成因も、同じマントル・プルーム(マントル対流)の作用と考えられている。ホット・プルームの作用で、周辺の地殻は、大陸地殻に典型的な100kmほどの厚さより薄くなっている箇所がある、と目されている(例えば20kmほど、と推定されている箇所もある)。
こうした、薄い地殻の箇所で、火山活動が生じる、と目されている。
上記の説明モデルに基づくシミュレーションでは、数十万年〜数百万年後には、大地溝帯の東西にアフリカ大陸が分裂する、と予想されている。
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