中部スーダン地方
- 中部スーダン地方 ちゅうぶスーダンちほう (Central Region of Sudan,Republic of Sudan) 簡易版
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PCが予め知ってていい情報
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「中部スーダン地方」は、現在のスーダン共和国領を、便宜的に北部、東部(カッサラ地方)、西部(ダルフール地方)、中部、南部?に5大別して、しばしば用いられる大別地域区分の1つ。
スーダン領内を流れているナイル水系?流域中央部の内陸乾燥地が中心地域。「広義には、ハルトゥーム州、青ナイル地方に、コルドファン地方を併せた地域」と、思えばいいだろう。現在は、行政実体を持っていない。
ただし、同類の地域大別の内でも、かなり便宜性が高い地域区分になっている。
しばしば用いられる区分だが、例えば「スーダンの南北内戦」で言われた「北」の領域とは一致しない。また、ハルトゥーム州やコルドファン地方を、含んだり、含まなかったりすることもある。
【参照地図】
- Sudan - regional boundary(Relief Web)
実は、地図は古い行政区分図。図示されている旧行政州は、2007年現在、“Khartoum”(図中の16)以外すべてが、公的には行政実体を失っている(より細かな行政州に解体されている)。 - Sudan(HOLT RINEHART WINSTON WORLD ATLAS)
やや詳しい情報
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スーダン共和国領の便宜的地域大別は、いずれも、アングロ=エジプト?統治時代に策定された行政区分に由来している。かつては、現在の「青ナイル地方」の前身にあたる旧行政区が、英語名で“Central”と呼ばれていた時期もあった。
独立後の南部勢力との内戦、ダルフール紛争などの影響も及んだ現在、「中部スーダン地方」は、青ナイル地方から拡大して用いられる用例が多くなった。現在は、青ナイル地方のみをさして“Central(中部)”と呼ぶ用法は、むしろマレな用法と思って構わないだろう。
スーダンで現行の26州に準拠すると、「広義の中部スーダン地方」の構成は次のようになる。
「広義の中部地方」は、北西から北にかけて北スーダン地方と接し、西では、紅海沿岸山地を挟んでカッサラ地方(東スーダン地方)と接している。北スーダン地方と東スーダン地方の諸州は、アングロ=エジプト統治時代の行政区が、比較的穏当に分割されてきた。これらの方面での領域の異同は、さほど無い(カッサラ地方で、反政府勢力の東部戦線が実効支配している地域は、さほど多くない)。
西では、ダルフール地方(西スーダン地方)と接している。「西スーダン」は、ダルフール地方の古くからの英語名別称だが、ダルフール紛争の激化に応じ、かつては「中部地方」に含まれていなかったコルドファン地方も、中部地方に含める用例が増えたようだ。
南で接している南スーダン地方?との間では、上ナイル州?州域に含まれるサッド外縁の湿潤地帯を、地理的な区切りとみなせるかもしれない。
7〜8月が降水量のあまり多くない雨季。雨季の前後、それぞれ2〜3ヵ月ほど極暑の季節が続く。
広義の中部地方の気候は、基本的に乾燥気候。ただし、青ナイル地方?地方からハルトゥーム州にかけてのナイル水系流域では、かなりの灌漑農耕地が開拓されている。
コルドファン地方や、ハルトゥーム州でも北部には、沙漠地帯が広い。ただし、コルドファン地方でも、中部以南では、南に向かうにつれ背の低い草原が増えていて、遊牧民の伝統的な生活圏になっている。
広義の中部地方全域は、スーダン共和国領の2割ほどの面積。2000年の統計によれば、全人口のおよそ47%強が居住していることになる。
地域では、人口集住は、ナイル水系が流れる、ハルトゥーム州と広義の青ナイル地方とに偏っている。内、ハルトゥーム州では、地域の4%ほどの州域に、地域の3割強の人口が集中していることになっている。
(やはり2000年の統計によれば、ナイル水系が流れていないコルドファン地方は、地域の7割ほどの区域に地域人口の1/4ほどが居住していることになっている)
さらに詳しい情報
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中部スーダン地方と、南スーダン地方との境界は、アングロ=エジプト時代に策定された上ナイル行政区に由来している。しかし、むしろ、気候、植生などの環境と、地域で優勢だったエスニック・グループの生活圏とを、アングロ=エジプト当局が意識して、行政区を策定した、と考えた方が、かつての実情に近いかもしれない。
そのように考えていけば、少なくとも、1980年代以降激化した南北内戦(2002年停戦協定、2005年講和)の経緯を理解するための、重要なヒントが得られることだろう。
2007年現在「南スーダン地方」との境界部の実情には、過去の南北内戦の経緯もあって、不明な点もある。
GM向け参考情報
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捕捉情報
- 「さらに詳しい情報」の補足
- 南スダーン地方との境界部の実情について
- 2006年11月頃まで、南部北辺のマラカイ?周辺で、旧反政府勢力との戦闘があった、との報道もあります。おそらくは、南北講和に不満を持つ集団が関わった交戦かと思われますが、実情は不明。
この情報は、必ずしもシナリオに反映する必要もないと思われます。が、このような不安定要因も残存している、とは理解しておくと、もっともらしいシナリオの作成や、マスタリングのヒントにはなるでしょう。
参考「スーダン共和国略史」,参照ソース“Timeline: Sudan(Country Profiles - BBC NEWS?,Sudan)”
参照情報
領域名 | 面積 | 面積比率 | およその推計人口 | 人口推計順去年 | 人口比率 | 平均人口密度/1平方km |
広義の中部地方(全域) | 535,739平方km | 100% | およそ1470万人 | 下記データの総計による目安概数 | 100% | 46人ほど |
ハルトゥーム州 | 22,122平方km | 4%ほど | およそ470万人 | 2000年 | 32%弱 | 212人ほど |
コルドファン地方 | 376,145平方km | 70% | およそ360万人 | 2000年 | 25%弱 | 9人ほど |
広義の青ナイル地方 | 137,472平方km | 26%弱 | およそ640万人 | 2000年 | 44%弱 | 46人ほど |
スーダン共和国全域 | 2,506,000平方km | 467% | 3109万3千万人 | 2000年 | 212% | 12人ほど |
人口分布
【参照地図】
- Sudan(Gridded Population of the World, version3)
統計に基づいた人口分布地図が公開されています(コンテンツの上部に記されている統計準拠年には注意)。
2000年の統計に基づいたGPWvr3の分布図では、中部スーダン地方の人口が、ハルトゥーム州以南のナイル水系?流域に偏っている様子が、よくわかる。
広義の青ナイル地方南東で、幅の細い円弧のように、集住地帯が延びている区域は、ル差異リス湖?よりも下流の青ナイル流域、と思われる。
上記、人口密度の高い地域は、灌漑農耕地が広く開拓されている、と想定される。シナリオの必要に応じては、地域の人口集住地区以外でも、人口集住は河川流域に散在する集落に偏っている、と想定していいだろう。
コルドファン地方南東の南コルドファン州に見られる人口集住地は、ヌバ山地の低山地があり、落花生やキビの類が栽培され、場所によっては綿花も栽培されている。
一応、ナイル水系流域のような大規模農耕地は、充分整備されていない、と想定しておいた方がいいだろう。あるいは、定住農耕者と遊牧民が入り混じって共存している地域、とイメージしてもいいかもしれない。
主要交通路
【参照地図】
- 鉄路
- ナイル川の右岸(東岸)に、北スーダン?地方から続いて基幹鉄路が敷設されている。この鉄路は、ハルトゥーム市より南では、青ナイル流域に敷設されていて、青ナイル中流域でルサイリス湖?の北岸に位置しているルサイリスの町(終点)まで通じている。
- 基幹鉄路途上のサンナール市?(サンナール州?州都)では、西に向かう路線と、東に向かう路線とに連接している。
- 西に向かう路線は、白ナイル左岸のクースティ?、北コルドファン州の地方都市ラハド?などを経由して、ダルフール地方に続いていく。
- 東に向かう路線は、カッサラ地方のアル・カダーリフ州?州都、アル・カダーリフ市?、カッサラ州?州都のカッサラ市?を経由して、紅海州?のポート・スーダン?に至っている
- 主要自動車道
- ナイル川の右岸(東岸)に、北スーダン地方から続いて基幹自動車道が敷設されている。このルートは、ハルトゥームの大都市圏で、青ナイル沿いにワド・メダニ?まで至るルートと、大都市圏でオムドゥルマン近郊を経由後白ナイル沿いを、クースティまで至り、さらに白ナイル沿いに南下して南スーダン地方?に至るルートとに分岐。(どちらも、基幹道級、と想定)
- ちなみに、ワド・メダニとクースティの間も基幹道路級の自動車道が敷設されていて、ハルトゥーム大都市圏との間で環状ルートのような自動車道を形成している。
- ワド・メダニからは、アル・カダーリフ市?(アル・カダーリフ州?州都,カッサラ地方)に通じる機関自動車道も分岐。なお、アル・カダリーフとサンナール市との間には、主要地方道級の自動車道が敷設されている。ワド・メダニ、サンナール、アル・カダリーフの3都市の間にも、1種の環状ルートが形成されている。
- クースティからは、西に分岐し、ラハド方面に通じる基幹自動車道も敷設されている。このルートは、ラハドまでは基幹鉄路に併走しているが、ラハドからは、鉄路を離れ、北ダルフール州?州都のオベイドに至る。
- オベイドは、古くから広域陸路のハブ・センターの役割を担っていた。現在もさらに西に通じる基幹道は。ダルフール地方を経由し、チャド方面に至っている。
- また、オベイドから南には、ヌバ山地北部のカードクゥーリーまで基幹自動車道が至り、さらに南スーダン地方に通じる主要地方道に連接。オベイドから北東には、ハルトゥーム大都市圏のオムドゥルマンまで至る、主要地方道が沙漠の内を通っている。
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参照:[ハルトゥーム・ノース] [北コルドファン州] [ナイル川州,スーダンの〜] [南コルドファン州] [カッサラ地方] [ランド・マーク] [コルドファン地方] [オムドゥルマン] [青ナイル地方] [アフリカ州のランド・マーク] [ハルトゥーム市] [ハルトゥーム州] [オベイド]