沙漠

• シームレス・ワールドの用語解説。

英語表記

Desert

フランス語表記

D?sert

スペイン語表記

Desierto

ロシア語表記

Пустыня

アラビア語表記

（調査中）

中文表記

沙漠

• 「判定処理なしに、ＰＣが知ってることにしていい」情報とします。

　乾燥気候下の荒れ地のこと。

　年間降水量が極度に少なく、乾燥のため植物の生育がほとんど見られない地域。

• 「簡単な判定に成功すればわかる情報」とします。

小事典版推奨判定

「生存＋知性　目標値=８〜10」「情報＋知性　目標値=10〜12」

簡単な情報　（必要に応じてゲーム前ブリーフィングやブレイクを使いＧＭから素でプレイヤーに伝えてもいいかもしれない）

　「水の少ない（沙）、荒れ地（漠）」を意味する沙漠は、その土壌から、岩沙漠、泥沙漠、砂沙漠に大別され、さらに細かな区別がなされることもある。

　領域が広い沙漠地帯では、異なる土壌が混在していることもある。

　高地にあり気温の低い沙漠も、乾燥地帯であることは変わらない。長時間の運動を継続すると、体内の水分は急速に発汗し蒸発。脱水症状を起こす。低緯度地帯の沙漠では、これに太陽の輻射熱が加わり、熱中症を引き起こすこともある。

　また、一般に、沙漠地帯では昼夜の気温差が大きい。しかるべき装備無しに野営をすると、特に悪天候でなくとも体力を消耗する。

（なお、“Desert”(沙漠)は、乾燥地全般を意味するが、砂沙漠にあたる単語には“Sand Sea”がある）

【参照地図】

• 砂漠マップ（ナショナル ジオグラフィック 公式日本語サイト）
  地図タイトルは「砂漠マップ」とされているが、表示されているのは、砂沙漠も含んだ沙漠と、沙漠周辺の低草原地域も含まれている。
• 沙漠化（乾燥化）状況マップ（Wikimedia Commons）
  
  地図中グレイに彩色されている部分が、沙漠地帯（低草原地域も含まれている）。赤色、オレンジ色、黄色、の彩色部が乾燥化が進行している地域で、赤味が強いほど乾燥化が進んでいる。

• ＧＭ向けの補足情報、マスタリング・チップス、アイデア・フックなど

補足説明

　一般向け地図帳などでは、当用漢字などの関係から、「沙漠」と「砂漠」の区別無く、「砂漠」と表記されているので、注意が必要です。

　「砂漠」の文字面から、砂丘が連なるような土地を連想しがちですが、ワールド・ワイドには、砂地沙漠は、沙漠の内では少数例です。

　一般に、年間降水量が250ml以下だと沙漠地帯が広がり、外来河川の流入があるか、灌漑がなされなければ植物の繁茂がみられません。

補足情報

沙漠の種類

泥沙漠

　泥沙漠は、灌漑などで水分が供給されれば、植生を育む潜在力を持つ土壌が、気候条件などから荒地化しているもの。多くは起伏を持つが、この起伏は砂丘ではない。

　起伏の障害さえ克服できれば、まだ移動が可能な環境になっている。

　内陸アジアのカラクム沙漠や、エジプトのケメト（黒い土）など。

　場所によっては、沙漠性の植生が茂みを成すことがある。

砂沙漠

　砂沙漠は、日本の鳥取砂丘のように、砂地が広がる乾燥地帯。英語で“Sand Sea”と表記されるのは、砂沙漠。

　世界の沙漠地帯の内で、砂沙漠は、実は少数例。

　北アフリカの沿岸部に多く、例えばリビアの沙漠地帯は、海岸近くから砂沙漠が内陸まで広がっている。

　砂沙漠の移動は難易度が高い。

　砂と礫の混成でなる沙漠を、特に砂礫沙漠と呼ぶことがある。サハラ沙漠の多くのエリアは砂礫沙漠。

岩沙漠

　岩石沙漠は、乾燥した岩地や岩礫が広がる荒れ地。岩山など険しい起伏を含むことがある。現在、地上に広がる沙漠地帯のおよそ９割が岩石沙漠と言われる。

　平坦な岩石沙漠の移動は、砂沙漠ほどでの困難ではない。

　しかし、岩石沙漠内にある、岩山の移動は、砂沙漠以上に困難となる。

　「沙漠の舟」と呼ばれるラクダも、岩沙漠の環境には適応していない。

　サハラ沙漠内奥部のタッシリ高原が岩石沙漠の例。

　岩石沙漠の内、瓦礫が多い地帯を、特に礫沙漠と呼ぶことがある。

マスタリング・チップス

地図からの沙漠環境想定

　地図で、沙漠地域を調べる場合、高度が高い沙漠地域は岩沙漠とみて、まず間違いありません。岩山の山地と言った方がイメージし易いかもしれません。ただし、高高度の岩沙漠では、多くの場合岩山が風化侵食を受けていますので、日本の「山地」とは景観が異なります。

　岩山の周辺に位置する沙漠は、岩地に礫の交じった砂礫沙漠である公算が高いです。例外は盾状地の緩やかな起伏を持つ土地ですが、基本的に盾状地には高度の高い岩山は無いはずです。この辺を想定のポイントにしていくといいでしょう。

　次に、ワディ（涸谷）が刻まれている沙漠は、砂沙漠ではない、と想定して構わないでしょう。岩沙漠か、砂礫沙漠か（あるいは可能性は低いが泥沙漠かもしれません）。しかし、砂沙漠ではない。

　ワディの周辺が、岩沙漠、砂礫砂漠、泥沙漠のどれにあたるか、調べきれない場合は、周辺の地勢や、植生との関連から想定をつけていくといいでしょう。

沙漠の環境とキャラクターの耐性

昼夜の気温差

　沙漠は、昼夜の気温差が激しく、たとえ低緯度地帯の沙漠で日中気温が高い場合でも、夜は零度近くまで冷え込むことがあります。キャンピング・カーなど、特別な装備を用意していない限り、沙漠地帯での夜営には、「生存＋耐久」の判定を課すべきでしょう。

　生存判定の失敗時は、活動力ダメージが、ルールに対して順当なような気がします。通常失敗で活動力に１Ｄダメージ。大失敗で活動力０でどうでしょう（？）。

　より、シビアに処理するなら、ハウス・ルールになってしまいますが、生存判定に失敗した場合、次のシーン･チェンジまで回復不能のマイナス状態を１段階被る、とかでどうでしょう（？）。過度の疲労による脱力状態を表現できるような気はします。

（「次のシーン･チェンジまで」というのは、シーン中に判定処理をしたら、シーン・チェンジまでという意味です。念のため）

　生存判定に大失敗した場合は、シーン・チェンジを２回経るまで回復不能のマイナス状態を１段階被る、とかでどうでしょう（？）。

脱水症状

　沙漠は乾燥地帯ですので、何もしなくても身体から水分が失われます。体力を消費する活動をすれば、たとえ徒歩で歩いている程度でも失われる水分量は増えます。これは、高緯度地方に位置する冷涼な沙漠地帯でも同じです。低緯度地帯で日中温度が高い砂漠地帯では、重ねて熱中症に見舞われる可能性も出ます。

　さて、、「ブルーローズ」は、疾病に関するルールが薄いと言わざるを得ません。もし、脱水症や熱中症を、扱うとしたら、GM裁量でのハウス・ルール導入になるでしょう。

　セッション・グループで求められているキャンペーン・プレイの路線と、シナリオの狙いを加味して検討することをお勧めします。

　やはり「生存＋耐久」判定で処理していくのがいいでしょう。

　ポイントは、「長時間運動を続けている場合」という条件だと思います。沙漠地帯での、長時間徒歩移動の場合に、段階処理と「生存＋耐久」処理を絡める、などは、ハウス・ルールまでいかない運用の範疇内でしょう。

車両類での沙漠移動

　沙漠と言っても、縦横に走り回れるわけではありません。ワディ（涸谷）がある場合は迂回しなければなりませんし、泥沙漠には起伏もあります。岩沙漠の岩山なら、ルートを誤れば道に迷う可能性も、岸壁や割れ目に落ちる可能性もあります。

　「サバク」と聞いて、一面の砂地を連想する人は少なくありませんので、まずは、PCが沙漠地帯に赴く前に、これから行く沙漠がどんな環境か予めGMからプレイヤーへの素で伝えられるといいでしょう。

　その上で、沙漠の種類に応じて操縦判定の難易度を高くしていくべきです。また、砂礫沙漠や岩沙漠で長時間車に揺られている場合、消耗しなかったか、乗員全員に「生存＋耐久」判定を強いてもいいでしょう。

• 小辞典
  ⇔ 小辞典ワールド編
  ⇔ ランド・マーク

資料リンク

• 砂漠
  砂漠に差し迫る脅威
  （ナショナル ジオグラフィック 公式日本語サイト）
• Wikipedia英語版:Desert
  Wikipedia英語版:List_of_deserts_by_area
• Wikimedia Commons:Category:Deserts
  沙漠関連のファイル集アーガイブ。

活用

• このページの記事を踏まえた、アイデア・フック、使ってみたシナリオ、セッション・レポ、などなど

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