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バローチ人

バローチ人
バローチじん
暫定版

記事内容、追加調査中の暫定版です。

英語表記
Baloch
(Baluch,Balouch,Bloach,Balooch,Balush,Balosh,Baloosh,Baloush、なども)
フランス語表記
Baloutches
スペイン語表記
Baluchi
ロシア語表記
Белуджи
アラビア語名
(調査中)
中文表記
俾路支人

PCが予め知ってていい情報

  • 「判定処理なしに、PCが知ってることにしていい」情報とします。

 「バローチ人」は、イラン高原南東部のバローチスタン、特にパキスタン=イスラム共和国バローチスタン州を中心に居住が見られるエスニック・グループ。「バルーチェ人(Baluch)」とも。

 母語は、イラン語系統のバローチ語?

 バローチ人の居住が多い地域が、歴史的地域名で「バローチスタン?」と呼ばれ、パキスタンのほか、イラン=イスラム共和国アフガニスタン=イスラム共和国に渡っている。

 バローチスタンが及んでいる国々の他では、ペルシャ湾岸諸国などにも、バローチ人の集住が知られていて、総計は1,500万人超、と推測されている。

【参照地図】

追加情報

小事典版推奨判定
「言語+知性 目標値=8〜10」「交流+知性 目標値=10〜12」「歴史+知性 目標値=10〜12」
簡単な情報 (必要に応じてゲーム前ブリーフィングブレイクを使いGMから素でプレイヤーに伝えてもいいかもしれない)
 バローチ人は、北西イラン語系統のバローチ語を母語にしたエスニック・グループ。バローチスタンのバローチ人は伝統的に、内陸部の「スレイマンニ」と、沿海部の「マクランニ」とに大別され、それぞれがサブ・グループに別れている。「スレイマンニ」は、「スレイマン山地人」を意味し、スレイマン山脈及び、その西方に隣接する山地密集地帯出身のバローチ人のこと。「マクランニ」は「マクラン地方人」の意味で、バローチスタン宴沿海部のマクラン地方出身のバローチ人のこと。
 スレイマンニは、主に、起伏の多い半乾燥地を生活圏にし、歴史的には地域の政治支配者から自律的で、何かきっかけがあれば反抗することが多かった。現在のパキスタンでも、バローチ人主体の分離独立運動や、反政府武装活動複数が、バローチスタン州で続けられている。
 バローチスタン?に居住するバローチ人の間では、伝統的に「ヤギを中心にした家畜を伴い、テント生活を送る遊牧民」とのセルフ・イメージが伝えられている。が、実態としては、バローチスタンでも、半農半狩猟のライフ・スタイルが彼らの間の主流派で、歴史的にも古くからの主流ライフ・スタイルだったようだ。一方、オアシス間の輸送業にも多く依存し、現在も、地域の運送業者やトラック運転手にはバローチ人が目立つようだ。
 バローチ人の伝統的農耕は、半乾燥地帯でワディ(涸谷)に石積みダムを築いたり、貯水地を築いて天水に頼る農耕。生産性は高くないので狩猟や漁労への依存度が高かった。オアシスでの雇われ農作や都市での賃金労働なども多く、バローチスタンの他民族からは「沙漠の民」的なイメージで見られがち。
 また、バローチ人の部族集団同士、あるいは、他の民族集団に対して略奪をおこなうことがある、とのイメージも根強い。
 信教は、スンナ派イスラム信徒を自認するグループが多数派で、彼らの内ではハナフィー派系統が圧倒的。ただ、パキスタン領の沿海部には、シーア派的な信仰を持つ独特な宗派、ジクリ派のイスラム信徒を自認するグループもある。
【参照イメージ】
小事典版推奨判定
「交流+知性 目標値=8〜10」「情報+知性 目標値=10〜12」「歴史+知性 目標値=10〜12」
簡単な情報 (必要に応じてゲーム前ブリーフィングブレイクを使いGMから素でプレイヤーに伝えてもいいかもしれない)
 バローチ人の集住が最も多いのは、パキスタン、イラン、アフガニスタンに渡るバローチスタンだが、オマーン=スルタン国アラブ首長国連邦にも数十万人規模の居住者が知られている。
 数千人〜数万人規模の居住なら、オーストラリア連邦カタール国クウェート国サウジ=アラビア王国、ソマリア地域?トルクメニスタンなどにも知られている。
小事典版推奨判定
「歴史+知性 目標値=10〜12」「交流+知性 目標値=12〜14」
やや詳しい情報 バローチ人のルーツは、生業形態の多様さなどから、おそらく単一ではなく、イラン系のグループが地域の他集団を同化しながら形成されたものだろう、と、推測されている。現在でも、バローチ人のエスニック・グループには完全には属していないが、「バローチ人から分かれた」との伝承を伝え、バローチ族との関係が密な小グループは、バローチスタンに幾つか存続している。
 あるいは、彼らの伝承的なセルフ・イメージ通り、イラン系の遊牧集団がコアになって形成されたのかもしれないが定かではない。彼らの主要なルーツが、オアシス定住民ではなかったことは確からしい。
 伝統的な社会形態にも、バローチスタンの沿海部と内陸部との間ですら、大きな違いが認められている。
 内陸部のスレイマンニ・バローチの社会では、身分差のようなものがほとんど無い部族集団複数が存続。各部族集団もまとまりは緩く、部族を構成するサブ・グループの自律性が高い。
 沿海部のマクランニ・バローチの間では、世襲的な首長のもとで、伝統的な身分を強く意識した「封建制に近い」とも言われる階層社会が伝統的。
 スレイマンニ・バローチの部族集団の内でも、世襲の首長を戴く例はあるが、その地位は儀礼的なもので、通例部族全体に対しての実権はもっていない。
小事典版推奨判定
「表現+知性 目標値=10〜12」「歴史+直観 目標値=12〜14」
やや詳しい情報 バローチ人のルーツについては、バローチ人たち自身の間で「先祖はイラン系ではなくセム系民族で、現在のアレッポ?シリア領北西部)から移住してきた」との伝承を根強く信じている人々が少なくない。
 他に、「古代メディア帝国に反抗した部族集団が、帝国領の辺境地だった、後世のバローチスタンに送られた」との物語も知られている。この物語には「送られたバローチ人の先祖は、クルド系だった」と続くバリエーションもあって、真偽のほどは定かでない
 バローチ人の歴史自体、不明点が多く、研究者の間でも幾つかの説が唱えられている。
 例えば、伝承どおり「セム系民族が移住しながらイラン系文化を受容してきた」とする説、伝承を踏まえて「エルブルズ山脈から移住してきた」とする説、「シュメール人?の後裔だ」とする説や、「バローチ人の祖先集団の方がシュメール人の母集団で、メソポタミア南部に移住したのがシュメール人」との説など、もっともらしい説から、トンデモ説まで、いくつもの説が唱えられている。
 「バローチ人のルーツは定かではない」が、「複数の母集団が混成する内から形成されたと思われる」が現状で最も穏当な評価だと思われる。

GM向け参考情報

捕捉情報

バローチ人の分布

活用や検討

活用

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検討

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